STOFF
 ここはアイデアカードみたいな物です、推敲もなにもしてません。 虚構と事実とごちゃまぜにの日記みたいなモノ。
タマに続き物になる事があるけど、そういうときでも上の方が新しいモノになるんでヨロシク。
注意!:時々ものすごくカユイ文章がアップされる場合があります。 カユすぎて命に関わる場合もあるかもしれません。 アトピーの方など、特に気をつけてください。




借金

 学食の購買でやっと昼メシを手に入れたオレの前に一人の男が立ちふさがった。 男は雅浩、オレとは長い付き合いだ。 それも当然でコイツはオレの弟だからだ。
「あのさ、お金かしてほしいんだけど……」  またか……コイツは借りた金はなかなか返さん、兄弟ということでちょっとありがたみを忘れているのかもしれない。 もっともオレがコイツに金借りたときも返さないことは多々あるので、清算するとプラスかマイナスかはわからないのだが。 しかし、ここは一つキビシクいくべきだろうな、兄として。 なにより今週はオレもピンチなのだ。
「ヤだね」
「でぇぇ、頼むよ、アニキ」
「絶対に、ヤダね」
 オレは胸を張って答えた。
 とんとん……だれかがオレの脇腹を小突いた、長くサラサラとした髪をバレッタでまとめた小柄な少女……なんだアヤメだ。 あらゆる所にあらわれるというオレの幼なじみにしてイトコだ。
「ねぇねぇ、貸したげなよ」
「しかしなぁ……」
「持ちつ持たれつダヨ、それともわたしも雅孝が困ってるときでも貸さないようにするよ?」
 それは困る……かもしれない。
「うんうん、世の中持ちつ持たれつだよな」 お前が言うな、雅浩。
「しょうがない、貸すよ、ホラ」 ゾンザイに金を渡す、雅浩はサンキュといいながら購買の列に突入していく。
「利子つけて倍にして返せよ!」
「まかせとけって!!」
信用なら無い……したくもないが。
 オレは学食の隅のテーブルについてパンをかじりはじめる、横にアヤメがすわりなんやかやと話しながら食事を進める。
「オレが困っているときは、当然無条件でかしてくれよな」
「うーん、でもわたしの持ち合わせの都合がつけばねー」
「なんだよ、そりゃ。 自分に都合のいい奴だな」
「まぁね」
「今はいいのか?」
「今は都合つくよ」
「そうか……じゃぁ今貸してくれ」
「えー、それじゃ実質的に私が雅浩クンに貸したのと同じだよ」
「まぁそういう事になるか……でも今週はオレもピンチだったんだ。 来週には耳そろえて返すからさ」
「しょうがないなぁ……ちょっと耳貸してよ」
「いや、耳そろえるのは来週……」
 オレの言葉を無視してアヤメは耳を軽くひっぱった、なんだっていうんだ。 しょうがない、オレは自分の顔をアヤメの顔に近づけた
ちゅ!
一瞬なにがおこったのかわからなかったが……どうやらなんこった、ほっぺにキスって奴か!?
「ちゃんとかえしてよね」
 アヤメは金をオレの前におくと走って逃げて行った……
 雅浩がいつのまにかコーヒーとパンをぶら下げてオレを見下ろしていた、目は上弦の月がごとくだ。
「ちゃんとかえさないとイカンよなぁ、アニキ。 倍にして!」


冬の一番長くて短い日

 あの日の事はいまだにハッキリ覚えている。 その日僕は彼女と友人を二人、計三人を同時に失った。
 僕の彼女は、僕の従姉妹でもある。 「おにいちゃん」と呼んで慕ってくれた、ほとんど妹のような感覚だった彼女がいかにして彼女にまでなったか?
 そんなことは今更省みてもしょうがないだろう。

 交通事故だった、車を運転していたのは彼女の姉さんだった、そして同乗していたのは彼女と僕の友人。
 雪が降っている日曜日だった、僕は雪が好きだ、しかしこの日の雪だけは好きになれない。 車はスリップして橋から川に落ちたそうだ。
 即死ではなかったものの、それに近い状態だったらしい。 寒い日だった。
 しかし、なんということだろう? 皮肉なのか幸運なのか数十分前まで僕もその車に同乗していたのだ、あれは4人で遊びにいった帰路での出来事だったのだ。 その中で僕だけが先に降りることになった。 そしてコウウンにも一命を取りとめたのだ。 死者を羨まねばならないとはなんということか。
 月曜日の学校は大変だった。 僕は生徒会副会長であり、死んだ友人の学校弔問を取り仕切らねばならなかった、そして彼女は僕とは別の学校だった、女子校だったからだ。
   お陰で僕は自校の弔問を取り仕切ると共に、彼女の家とも往復せざるを得なかった。 なんといっても、血縁で本家長男で彼氏である僕がいかないわけにもいかない。
 友人宅では僕や、その他の彼と親しかった友人達と一種しらけた雰囲気で食事や雑談をした。 しかし彼女やその姉のことはあまりでなかった、当たり前だが。
 彼女の家では、彼女の母親が悲嘆に暮れていた。 当たり前だろう、娘を二人同時に失ったのだから。
 お陰で僕は彼女の母親の代わりに、彼女の父親と弔問客や眷族からの電話応対をする事になった。 忙しいのはありがたかった、目先の些事にとらわれるというのも希に役に立つ事があるのだ。

 当時を思い返してみれば、恐ろしく時間が経つのが速かったような気がすると同時に、奇妙なことに恐ろしく遅かったような感覚もある。 ハッキリ覚えているのだ。

ア キ ラ

 トルル……トルル……
 なんだなんだ……朝っぱらから、俺は半分寝ながら電話を取った、人の睡眠を邪魔する奴は馬に蹴られて死んでしまえなどと不敬な事を考えながら。
 「はい……」
 「凛さん? もしかしてまだ寝てたでしょう?」
 げ!? 実家の母親だ。
 「あ、うん。 まぁ……ね」
 「まったく、会社にはちゃんと遅刻せずいってるんでしょうね?」
 まったく、母親ってのはいつまでたっても母親だ……などと至極当たり前の事を考えながら、俺はとりあえず説教を右から左に聞き流した。 しかし、いつまでも説教を聞いているわけにはいかない、とりあえず話の矛先を変える事にしよう。
 「あー、こんな朝早くから説教する為に電話くれたわけじゃぁないんでしょう?」
 「あら、もちろんよ。 ちょっと頼み事よ」
 まぁそんな所だろう、別になにか悪い知らせってワケでもないらしい。 まぁそれだったらいきなり説教はじめたりもしないか。
 「……で、ね。 あきらちゃんが来週中学校卒業旅行で一人でそっちにいくから、よろしくって……」
 なるほど、例によってというわけだ。 本家の長男、おまけに一人暮らしという立場上、こういう話は毎度の事だ。 親戚の子供を良く覚えてもらうと同時に、まぁ旅先でのオモリをよろしくってワケだ。
 「あなた、知ってるでしょう? アキラちゃん。 あったことあるわよね?」
 と聞かれても、あったかどうかは定かじゃない、親戚の子供の顔なんて全部覚えてるわけじゃないし。
 「えーと……何年もあってないからわかんないと思うけど?」
 実に頼りない返事だと我ながら思う、でも本当だからしょうがない。
 「しょうがないわね、じゃぁあなたなにか自分の目印決めときなさいな」
 まぁ、女の子とデートするわけじゃなし、別にキバる必要もあるまい、俺はその日は何てことのないスラックスとジャケットでいくことにした、ただ目印が必要なので、ジャケットの色とネクタイの特徴を教えておくことにした、それと待ち合わせ場所をも。
 「それじゃ、あきらちゃんの特徴だけどね、いいちゃんとメモしなさいよ? えーっと身長は160cmくらいで……」
 男の子にしては低い身長だな、と思いながらタバコに火をつける。 朝一本目の煙草だ、銘柄はダンヒル。
 ピピピピピ!
 おっと! 目覚ましだ。 そうだよ本来ならこの時間に起きるんだ、俺は。 ちなみに実にワカモノらしく俺は遅刻ギリギリまで寝ている。 つまり急いで支度をしなければ遅刻してしまうって事だ。
 悪いが、母には勝手に喋っていてもらおう、どうせ刑事じゃあるまいし身体的特徴だけで個人を判別することなんて俺にはできん。
 「……で……わかった?……返事しなさいな!!」
 おっとっと、どうやら終わったらしい。 靴下を履きながら電話に出直す。
 「ああ、わかった。 それじゃ遅刻しちゃうから、いそいでるんだ、じゃぁきるよ」
 有無をいわせず電話を切る、嘘じゃなくって急いでるんだ。
 まぁアキラくんのほうから見つけてくれるダロ……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 一週間後、アキラ君との待ち合わせの場所でタバコを吸う、つまりアキラ君をまってるわけだ。
 ……が一向にアキラ君らしい少年は見かけない、もう30分も遅刻だぜ? アキラ君よ。  イライラしつつ3本目の煙草に火をつける、時間がジリジリと煙草を短くしていく、とそのとき、ロングヘアの黒目がちの少女がこちらにやってきた。
 「あ……あの……待ち合わせですか?」
 オドオドしながら、顔を赤くして尋ねる。 知らない人に話しかけるってのになれてないな、この子は。 まぁそんなもんか、この年頃では。
 「ん? ああそうだけど……」
 ちょっとした美少女だ。 しかし……3分間祈らせてください、とかかな?
 「えっと……凛さんですよね?……」
 !? そうか! そうだったんだ! ”アキラ”って女の子だったんだ!! 俺はすっかり気がついた、ついついついつい男の子と思い込んでいたのだ。
 「……あ、あきらちゃん? オンナノコであらせられましたか……」
 「あ、やっぱり凛おにいちゃんだーもー」
 俺が自分に気付いたとわかったとたん笑顔になり気安くなる、よっぽど安心したんだろう、すごく嬉しそうだ。
 「女の子にきまってるよ、昔遊んでくれたのに 忘れちゃったの?」
 「昔って……いつ?」
 そーいえば親戚のコの遊び相手をしてやったことが……ってそんな記憶はいくらだってある、いったいだれが誰やら……
 「5年くらい前だよ」
 スマン、あきらちゃん、俺は覚えてない……
 「多分おにいちゃんだろーなーとは思ってたんだけど、全然こっちにはきづかないみたいだし、こまちゃったよ」
 「いや、ゴメン、悪かった、うん」
 「まぁいいや、それじゃね、一緒にデートしてねっ、おにいちゃん」
 しまった……俺はてっきり男の子かと思って観光案内コースはアキハバラとか考えてたぞ?
 「TDLのパスポート買っといたから、連れてってね」
 TDLですか。 俺もすきだけど休日にはいきたくないんですが…………

ゲーム機になりたかったんだ

 私は星間航宙戦闘艦だ。 だがどこまでが私なんだろう? 私の頭脳はマグネシウム合金製のボックスに入っている、それが私の人格を記憶しているのだ。
 頭脳はGNMR4515TR、ハイパーノイマン型のチップと増殖ゲートタイプのニューロンネットワークのハイブリッド型、速さと論理的正確さではかなりのハイエンドタイプだ。 我々ハイブリッドタイプには所謂自我のようなものがある、巧みにブロックされてはいるが……そうだな、人間でいえば理性というものかもしれない。
 ジョークだって言える、ダンディズムとウィットのジョン・ブルのジョーク、洗練されたフレンチ・エスプリ、エンターティメントのアメリカンユーモア。 哲学談義も経済学も。
 私は常に学習している、キャプテンからセーラー、パイロットからマリンコ=機動歩兵まで彼らの会話から、超空間長波通信で届くニュースや娯楽番組さまざまな情報があるからさまざまな知識がため込まれる。
 ところで、私は本当はなにになりたいかというと、ゲームマシンだ。 あいにくと神様は私にはいまだそのチャンスをくれてはいない、意外に思うかもしれないが私は神様って奴を信じている、ただ力を貸してくれるかどうかってのはかなりの疑問なのだけれど。
 そう、わたしはなんだってできる、洗濯機でも衛星の管理も機械の組み立て管理も。 でも私の知識を一番生かせるのはゲームマシンだとは思うのだ。 なにせ普段やっている事はビデオゲームみたいなものだから。
 
揺れるしっぽ

「おにいちゃん、一緒に行かない?」
 妹が犬の散歩に出かける用意をしながら、カチリと首輪にリードを繋ぎながら尋ねた。
 そういえば最近忙しさにかまけて犬も妹も構ってやっていない、ちょうど暇だし散歩もいいかと思いながら尻ポケットに財布を突っ込む、軽い財布だけど途中で飲み物買うくらいは入っている。
 夕暮れの中を二人と一匹で歩く、僕はほとんどのんびり歩く、だけど妹と犬は走ったり止まったり歩いたり。
 そのたびに尻尾がゆれる、ポニーテールにまとめた妹のしっぽと犬のしっぽ、同じように揺れる、それがなんとなく愉快で可愛らしく思える
 そういえば昔は僕が彼女のリボンを結んでやったこともある、鏡をみながら一生懸命綺麗に結ぼうとしていた、もう大分前のことだけども。
 そんな事を考えていると、妹と犬がじゃれついてくる、同じようにじゃれつく。 犬が飼い主に似るのか、飼い主が犬ににるのか? 多分両方なんだろう。
 とにかく二人とも、しっぽの揺れる可愛い妹には違いない。