第三章 「オラ!!飯だ!!」

ぶっきらぼうに言い放ち、朝食を届けてくれる

「ありがとう看守さん!!」

礼を言ってみる

「さっさと食え!」

怒鳴られてしまう

「恥ずかしがり屋みたいだな」

同室のクロに同意を求める

「違うと思うぞ・・・」

眠たそうにしゃべっている

「トシ・・・お前俺よりかなり遅く寝ただろ?」

「うむ」

「なんでそんなに元気なんだ?」

「慣れてるから」

「・・・」

あえて聞くまいとしたのか、あてがわれた朝食を食べ始めるクロ

俺はどうもネットしまくってるせいか、全然睡眠が無くても平気な体質らしい

朝5:00に寝て、朝6:30に起きる。という生活を繰り返していた

決して23時間30分寝てるわけではない、1時間30分寝ている

が、もちろんそれだけじゃぁ流石に生きていけない、隙を見て時折寝ているのだ

なんの隙だかは聞かないほうがいいだろう。

ちなみに、"どこでも寝れる"、"立ちながら寝る"というスキルを極めている

かなり誇りにしている。

"歩きつつ寝る"と"目を開けながら寝る"というスキルを覚えようとしていたのだが

流石にまだ修業が足りないらしい

・・・かなり横道にそれてしまった模様。

「朝食が一番良いからな!」

と何が良いのかわからないが、看守にあてがわれた飯をガッツく

「まずい!!!!」

思わず皿を投げる。

「おいおい・・・」

クロが困ったようにしている、同室にいる他の捕虜達の目も気になるがそれはシカトしておく。

「まずいが食ったほうがいいぞ?」

「心配してくれるのねアナタん☆」

サクッ

フォークで刺されてしまう。

「ノォォォ!俺を食う気か!?」

「違うわバカタレ!!」



朝から漫才をしている捕虜は俺達くらいだろう。



しかし、朝食の入った皿を投げたのも理由はある



まず、皿が汚い、一度も洗ったことがなさそう



中身はトウモロコシがいっぱい入った缶詰の汁のような汁



その具では小学生が切ったようなジャガイモが2,3個ある、しかも具はそれだけ



「上流階級生まれにはキツイ仕打ちだワ・・・」

「嘘付け」

真顔で言われる。

「なめんな!亀のピエール呼ぶぞ!!」

「呼べ」

興味無しといった顔

「亀の上に乗って学校言ってたんだぞ!!」

「・・・」

「別に頭とんがってないぞ!」

「・・・」

放置されてしまった

こうなれば禁断の親子愛情表現

「ペロペロペロペロ!」

「舐めんなぁぁぁ!!」

かなり全開で殴られる

「相変わらず良いパンチしてるぜ・・・」

「寝てろ!!」

「そうする・・・」

やることもないのでほんとに寝る

その前に言うことが。

「俺を襲うなよ」

念を押す

「死んでろ!!!」

激しいツッコミを子守り歌にしつつうとうとと惰眠を貪る・・・

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カッカッカッ

忙しそうに靴の音が城の床を踏み鳴らす

その後ろをドドドドドッという擬音が最も適しているだろう足音を出しつつ初老の男が叫ぶ

「女華姫!!」(注:メガ姫と読む)

女華姫と呼ばれた者がうるさそうに振り向く

「なんじゃ爺。」

「なんじゃじゃありませんぞ!」

めんどくさそうに話しを最後まで聞かず歩き出す女華姫に爺と呼ばれた者が後ろを歩きつつしゃべる

「先ほど参った斥候の報告によると、20Kmほど先にヴェノマスファング軍の第二軍と思われる軍が  駐屯しているとのこと!!」

「知っている。」

「なっ・・・! そうでございますか」

 安心したように爺は肩をなでおろす、相当信頼しているのだろう

軍事、政治に関して女華姫は他の追随を許さぬほどの知性を兼ねているらしい

ついでに美貌ともあれば他の国の王子達、ひいては王までもが彼女をとろうとやっきになっている

が、性格に難がありすぎるため、会った王子達は皆廃人同様になったり

自己嫌悪に陥りまくったりしてしまうらしい

鳳仙花の民衆は皆「女華姫はとんでもなく口と性格悪い」という噂が流れている

実際そのようだ

どうやら、あの豪快な爺さんのしつけがなっていたんだろう・・・ともっぱらの噂

 そして女華姫は言葉を続ける

「それより・・・。」

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「おい」

クロに俺はゆすられている

「んー、なぁにーままー」

「寝ぼけるな!!」

ガンッと音を響かせて無理矢理俺を起こす

「俺が"なぁにーままー"と言ったらキサマは"俺も小竜姫のところに修業しに行く!"  と言え!!」

キツイ注文をしてみる。

「まだ寝ぼけているのか・・・」

ガンッともう一度殴られる

「クッ・・・この暴力少年コナンめ・・・」

「またツッコミしなくちゃいけないだろ!!話しが進まん!!」

といいつつまた殴ってくる

「んでなんなんだ?」

殴られた部分をさすりつつ聞く

「なんだかヤバい雰囲気だぞ」

ふと周りを見渡す、俺には全然わからなかった

「小錦級の奴が4人くらいこの房に入ってくるのか?」

「んなわけあるか!!」

また殴られる、まじで痛い。

「・・・もう突っ込まないでください」

懇願してみるが無駄くさい

「貴様が話しをややこしくするからだ!!  それよりホラ・・・」

クロが指を指した

とりあえず指先を見る

「爪切れよ」

ガンッ

おとなしく指した方向を見てみる

「なっ・・・!!」

驚愕

「小錦が100人近づいてくるぅぅぅぅ!!」

ガンッ

「すいませんでした」

まじめに見てみると、1つの牢の前に看守達が立ち

その中の全員を出して上の方へ連れて行ってしまった

「ヴェノマスファングについて知ってる限りのことを言うまで拷問させられ・・・  死刑にされるんだ・・・」

クロではない、同室の捕虜がぽつりと言い、顔を手で覆う、泣いているのかもしれない

重苦しい雰囲気が牢屋全体を覆う・・・

最初から重苦しい雰囲気だったんだがツッコミ漫才ばっかしてたせいで忘れていた

看守達が戻ってきた

俺達が入っている隣の牢の前に立ち、その中の者達を連れだす

「うわぁぁぁぁぁぁ!いやだぁぁぁぁ!!」

どっかの牢で誰かが叫んでいる

「・・・隣か・・・次か?」

クロが顔を青ざめている

「次か・・・Slayers Nextって感じだな」

即座に対ツッコミ防御を固める、名づけて"肉のカーテン"

そのうちデンプシーロールしそうで怖い

「違うヤロ!!」

ツッコミをするクロ!

ブンッ

体重移動をしながらツッコミをかわす俺、体が起きあがると同時に相手のジョーに向かって渾身のフック!!

クロの頭蓋がゆがむほど顔が動く、だが攻撃は止まらない!

打ったと同時にさらに体重移動をし体を起きあげつつさっきと逆の手で今度はテンプルに向かってフック!!

そしてさらに・・・!!

「ウィナー!!」

高らかに両腕を振り上げ涙を流しながら勝利を噛みしめる

「現実逃避するな!!」

ドンッと鈍い音をたて俺の水月に奴のフックが決まる

「ゲホッ、生きていたのか!?」

「戻ってこい!!!」

どうやら妄想の世界に生きてしまっていたらしい

連れ戻してくれてありがとうクロ。

「しかし、無理矢理スタンスを広げて低空のガゼルパンチを放つとは、小僧め!味なマネをしおる!!」

「おーい・・・」

心配そうに俺を見るクロ

「スタミナ切れのとこにボディが入るとは最悪じゃ!」

「当たり所悪かったか!?」

本気で俺が狂っているように見えているのか、心配してくれている

「平気だ、ちょっと、はじめの一歩を思い出しただけだ」

「そう・・・か」

返答に困っているクロ

気付くと看守達が俺達の牢屋の前にいて困った顔をしている

そんなに狂っているように見えたのだろうか

「・・・よし、お前ら1人づつ出ろ!」

気をとりなおしたのか、命令しはじめる

手馴れた手つきで一人づつ縄をかけられる

しかし

「あふん、縄がキツイ!」

「気持ち悪いぞ・・・」

看守等全員に言われる

これからどこかへ連れていかれるらしい

前にいる同じ牢にいた捕虜らは足どりが重い、かなり遅々として進んでいる

「おかげでゆっくり周りが見れるってもんだ!!」

はっ!として気付く、また「うるさいぞ!」と看守に殴られるかもしれない



何か憐れみな目を向けるだけだった・・・

やっぱり拷問&死刑なのか!?

城の中庭に連れて行かれるみたいだ

拷問飛ばして死刑なのか・・・

いい加減血の気がひいてきた

だが・・・

なんで俺まで捕虜なんだ!!!

死ぬ前に無罪を叫びまくってやる!

「君の罪はなんだね?」と聞かれたら「無罪の罪だ!」と言ってやる!

と無駄に心に決めていると

中庭が見えてくる

気のせいか血の臭いがしてきた・・・

第三章    完