[みんなのうた@ 〜転校生って?〜]
忍足侑士という人間を理解したのは、跡部達が1年であった秋の文化祭だった。 入学式。始業式。新入生歓迎会。中学はじまって初めてのテスト。 夏休み。体育祭。 そして、文化祭1週間前。 馴染んできたクラスの中に、そいつは悠然と入ってきた。 「忍足侑士くんだ。京都から転校してきたそうだ。皆、仲良くな」 担任の紹介が終わる。 ざわざわと周りが騒ぐ。 「ね、ちょっとかっこよくない」 「うんうん!後で声掛けようよ!!」 特に女子が騒ぐ。 (まあ、確かに顔は整ってはいるが・・・・) 跡部は素直にそう思った。 無造作に伸ばされたにしては、様になる黒髪。そこから見える切れ長の眼。 整った顔に、知的な眼鏡を掛けて。 「よろしくおねがいします〜」 微妙なアクセントとへらりとした笑みで、忍足は初めて喋った。 跡部の口元が引きつる。 どうやら自分が最も嫌いなタイプが、このクラスに侵入してきた。 お調子者。 それが、跡部の忍足侑士に対する印象だった。