カルピー名作劇場「メルのパリ物語」 第3話「出会い」
(メインテーマ・・「未来からの伝言」メル)
そういうわけで、次の話です!さあ、メルちゃんはどうなってしまうんでしょう!?
それにしても、ヴィクトールいい人ですねー。まさに「親切なおじさん!」
では、続きをどーぞ!!
登場人物・・メル (主人公。孤児院で育つが、両親を探す為にパリに出てくるが、
チャーリーに騙されて、ヴィクトールのもとに売られる。)
チャーリー (人買いの悪い商人(笑)メルを騙して売る。)
セイラン (芸術家の卵。チャーリーに騙されて売られそうになっている。)
ヴィクトール(資産家のいいおじさん。)
ティムカ (事故で足を怪我してから元気をなくしている。ヴィクトールの甥。)
アンジェリーク(ティムカの優しいお姉さん。ヴィクトールの姪)
エルンスト (ティムカの家庭教師。)
〜OP「未来からの伝言」〜
ナレーター 「メルは、明るくて優しい男の子。生まれてすぐに両親と離れ、孤児院で育って
きました。15才になったメルは、両親を探す旅に出ました。
孤児院の仲間達やルヴァ先生は止めましたが、メルはどうしても
自分のお父さんやお母さんに会いたかったのでした。
パリに着いたメルは、チャーリーに売られてしまいます。
メルはこの先、どうなってしまうのでしょう?」
エルンスト 「・・というわけで、エジプトの文明はナイルのたまものと呼ばれる理由が・・・?
ティムカ、ティムカ?」
ティムカ 「(ぼーっとしていたが驚いて)・・えっ・・?あっ!すみません!先生・・。」
エルンスト 「今日はぼんやりなさることが多いようですが・・どこか具合でも?」
ティムカ 「いいえ・・本当にすみませんでした・・。」
エルンスト 「いえ・・責めているわけではありません。あなたは普段とても懸命に私の話を
聞いていますし・・。」
ティムカ 「・・先生・・。」
エルンスト 「大好きな古代史の授業にあなたが集中力を欠くなんて初めてのことですから。
お身体を心配しているんですよ。」
ティムカ 「・・外を・・。」
エルンスト 「え?」
ティムカ 「外を・・気にしていました。」
エルンスト 「・・・外・・。」(ほとんど独り言、つぶやくように)
ティムカ 「僕はもう歩けません。自分の足で立つことも、走って風を感じることも・・。」
エルンスト 「ティムカ・・。」
ティムカ 「教えてください。エルンスト先生。僕の足は治せるんですか?」
エルンスト 「ティムカ、それは・・。」
ティムカ 「教えてください!先生なら知ってるんでしょう?
・・本当は・・本当は、僕の足が治らないかもしれないって。」
エルンスト 「あいにくと私の専門は歴史と数学ですから・・
その疑問に答えることはできません。」
ティムカ 「先生!隠さないでください!!本当は皆知っているんでしょう?!
知っていて僕が、かわいそうだからって騙しているんでしょう?!」
エルンスト 「(困ったように)ティムカ・・。」
ティムカ 「(はっとして)あ・・ぼ・・僕・・(数秒の沈黙の後)ごめんなさい。」
エルンスト 「(微笑んで)私に言えるのは、ティムカ・・自由とは、自らが羽ばたこうと
しない者にとって、何の役にも立たない翼だ・・ということだけです。」
ティムカ 「自ら・・羽ばたく・・。」
エルンスト 「そうです。(勉強道具を片付けながら)あなたは歩けないのではなく、
歩こうとしないだけです。才能ある詩人がペンをとろうとしないように。」
ティムカ 「僕には・・よく分かりません・・。」
エルンスト 「(あきらめたように笑うと)・・今日はここまでにしましょう。では・・。」
(エルンスト部屋を出て行く)
ヴィクトール「おう、エルンストか。いつもすまないな。」
エルンスト 「(笑う)いえ・・。先輩の大切なお子さんですから。」
ヴィクトール「おいおい。俺の子どもじゃないぞ。あの子は兄さんの・・。」
エルンスト 「自分の子みたいにかわいがってらっしゃるじゃないですか。」
アンジェ 「(遠くから)おじさまー。ヴィクトールおじさまー。
(走ってきて)あっ・・エルンスト先生。こんにちは。」
エルンスト 「こんにちは。アンジェリーク。」
ヴィクトール「どうした?アンジェリーク。」
アンジェ 「あっ・・はい。あのお客様が・・。」
ヴィクトール「客?・・ああ、あいつか・・。」
チャーリー 「(遠くから)まいどーーーv」
ヴィクトール「(いまいましげにため息をついて)・・ったく・・うるさい奴だ。」(行ってしまう)
アンジェ 「・・どうしたのかしら・・おじさま・・。」
エルンスト 「あの手の人間は、お好きじゃないんですよ。」
アンジェ 「えっ?あ、そうなんですか。・・でもおじさまに嫌われるなんて、
よっぽど悪い人なんですね。あのお客様。」
チャーリー 「へーーーっくしょいっっ!」
メル 「ひゃあっ!・・おっきなくしゃみだねぇ・・。」
チャーリー 「・・んむ・・誰かがオレの噂をしとる・・きっとカワイー子やろなー
・・とまあそれはおいといて。
(メルを見る)メルちゃん、もーちょっとおとなしくでけへんの?」
メル 「できないよっ!はなして、はなしてはなしてはなしてはなして・・(続ける)。」
チャーリー 「うーーるーーさーーーーっい!」(メルの「はなして」が止まる。)
メル 「・・・(泣く)」
チャーリー 「・・あーもうっ!だからガキは嫌なんやっっ!!」
ヴィクトール「さすがのお前も、手を焼いているようだな。」
チャーリー 「あっこれはこれは、ヴィクトールのダ・ン・ナv」
ヴィクトール「チャーリーを無視してメルに話しかける)よしよし、泣くな。」
メル 「・・(泣きながら)おじさん・・誰・・?」
チャーリー 「あのな、メルちゃん。この方はまだおじさんとは違う・・。」
ヴィクトール「はっはっはっ。おじさんはヴィクトールというんだ。君は?」
メル 「・・メル・・。おじさんも悪い人なの?(まだぐずってる)」
ヴィクトール「そうだな。でもこいつよりはいい人だ。」
メル 「・・そうだよね。(泣き止む)」
チャーリー 「・・どーせ私は悪い奴ですよーーっだ・・(いじけたフリ)。」
ヴィクトール「普段あれだけ悪人を公言してる奴が言うセリフじゃないな。」
チャーリー 「いやいや、とんでもございませんです。はい。」
ヴィクトール「金は払う。さっさと出て行け。」
チャーリー 「はいはーーいvではまた機会があったら何か買うてくださいねーー。」
(だんだん遠くなる)
ヴィクトール「二度と来るなっ!!」
メル 「・・・あ・・あのーー・・。」
ヴィクトール「ん・・?ああ(急に優しい声になる)メル、といったな。
パリに両親を捜しにきたと言っていたが・・。」
メル 「うん。でもね、あの商人さんに騙されて売られることになっちゃったの。」
ヴィクトール「すると、ここが売られた先になるわけか。だがメル、安心しろ。
今日はもう遅いからここに泊まるとして、明日からは自由の身だ。」
メル 「・・えっ・・?メル、働かされるんじゃないの?」
ヴィクトール「俺はそんなことはしない。」
メル 「でもね、セイランさんがね、奴隷はご主人様の言うことを聞かないと
ムチで叩かれるんだって言ってたよ。」
ヴィクトール「(困ったように笑う)メルは奴隷じゃない。奴隷なんて、この世にいないんだ。
(諭すように)」
メル 「・・そうなの?セイランさん、ウソついたのかなぁ・・?」
ヴィクトール「・・まあ大きくなれば分かることだ。それよりもメル、腹がすいてるだろう?
食事を持って来させるから、少し待っていろ。」
メル 「えっ・・?ご飯がもらえるの?!メル、お腹ぺっこぺこだよぉ!!」
ヴィクトール「ははは、じゃあここで待っていろ。」
メル 「うん!ありがとう・・えーと・・。」
ヴィクトール「ヴィクトールだ。」
メル 「ありがとう!ヴィクトールさん。」
ヴィクトール「どういたしまして。」
(バタンとドアが閉まる)
メル 「(辺りを見渡しながら)ヴィクトールさん・・いい人でよかったなぁ・・。
それにしてもここ・・おっきなお屋敷・・。」
(ドアがノックされる)
メル 「あれ、ヴィクトールさんかな?」
ティムカ 「おじさま、ティムカです。」
メル 「・・じゃないみたい。」
(ドアが開く)
ティムカ 「おじさま・・(辺りを見渡してメルと目が合う。しばらく沈黙)
君・・君は誰・・・?」
メル 「メ・・メルっていうの。あなたは?」
ティムカ 「!!(くるり、と背を向け、行ってしまう)」
メル 「あっ!ま・・待って!・・・行っちゃった・・。
あの子・・誰だったんだろう・・。」
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