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手っ取り早い確認の仕方 学校からの帰宅途中、少し遠回りをして公園へ向かう。 本日はガッシュが外へ遊びに行っている為、そこまで迎えに行くのだ。 月も替わったというのにまだ暑さが和らが無い中、汗ばみながらも歩く。 出来るだけ日影の下を選んで歩いていると直ぐそこに公園が見えてきた。 背の低い樹木の植えこみが並ぶ脇をガッシュを探しながら移動していると、 車の騒音にまぎれているが何やら騒がしい。 (……今日は何か有るのか?) 単なる児童公園なのでイベントを行う際には前もってお知らせがでるだろうし、そのような物を見た記憶も無い。 首を捻りつつ入り口を回って遊具が立ち並ぶ方へと歩みを進める。 先程からの騒がしい元も進行方向に有る様だ。 見えてきた眼前に広がる光景に思わず持っていた鞄を取り落とした。 金髪に小さな黒い背中は居てもおかしくない――と言うよりここへ寄った目的だ――だからそれは良いとして。 問題はその隣に見える小さい生物……もとい嘴をつけたように見える子供と、その二人の前で歌って踊っている人物。 (…………俺は何も見なかった―――って帰っちゃマズいな。) つい速攻で踵を返して帰ってしまいそうになる自分を引きとめて、足元に落とした鞄を拾う。 しかし何故こんな所に居るのか、と考えこみそうになっていると、その元凶の一人がこちらに気がついた。 「やあ!おかえり清麿、久しぶりだね元気にしてるかい?」 何時もながら意味も無く自信に満ちたその態度。何故ここに居るのかイタリアの俳優パルコ・フォルゴレ。 「ウヌ!御帰りなさいなのだ、清麿〜」 「あ〜、清麿久しぶり〜。」 フォルゴレの呼びかけにこちらの存在に気がついた前の子供二人が駆け寄ってくる。 走り寄った勢いそのままにガッシュは清麿によじ登った。 「さ、帰るぞガッシュ」 ガッシュを肩車したままくるりと身を翻した清麿の足にがし、としがみ付く小さい姿。 「何だよ〜、無視するなよぉ〜」 ガッシュと同じ魔物の子――魔界では知りあいだったらしい――キャンチョメだ。 「そうだぞ、折角会いに来てくれたのだから良いではないか」 肩の上のガッシュにまで言われてしまい溜息をついて歩いていた足を止める。 「一体何しに―――」 「ハッハッハッ、清麿は照れ屋さんだなぁ。」 もう一度振りかえろうとしていた所だったので、その勢いを利用してそのまま殴りつけた。 「ゲフウッ!」 「誰が何だって……?」 黒いオーラを背負いながら言う清麿にガッシュは離れて震えていた。 キャンチョメはと言うと倒れたフォルゴレに近寄り、おもむろに右手を握って上下に振りながら歌い出す。 「鉄のフォルゴ〜レ〜♪」 即座に立ちあがり一緒になって歌い出すフォルゴレ。 「無敵フォルゴ〜レ〜♪」 二人は同じ振りをしつつ歌っている。 今のうちに帰りたい、そうは思っていても肝心のガッシュが歌う二人を見ていて動かない。 引き摺っていこうかと思ったが暴れて騒がれると流石に気付かれてしまう。 結局歌い終わるまで見ていて、あまつさえガッシュは歌い終わったら拍手まで送っていた。 額に手を当て大きな溜息をつくと清麿はもう一度同じ問いを繰り返した。 「で、一体何をしに来たんだ?」 「友達に会うのに理由なんていらないだろ〜?」 (だから何時の間に友達になったんだっっ……!) 思わず握りこんだ拳が細かく震えてる。が、流石に相手がキャンチョメなので即座に殴るのは控える。 「まぁ、戦いたいと言うならこのキャンチョメ様と無敵のフォルゴレがまた相手してやっても良いけど。」 「……ほ〜う?」 その言葉におもむろに下げていた鞄から赤い魔本を取りだした。 「なら今から相手してやろうか?」 「うわ〜ん、冗談だよ〜!」 本を持って構えた清麿を見てキャンチョメは泣き出した。 「おいおい清麿、キャンチョメをいじめないでくれたまえよ。」 「いじめて無い!そっちが言い出した事だろうが。」 「さあ、泣くんじゃないよキャンチョメ。私がついているだろう、このイタリアの英雄パルコ=フォルゴレが!!」 「フォルゴレ〜!!」 がしっ! 泣きながら駆け寄ったキャンチョメはフォルゴレに抱きついている。 「だからっ……!」 我が道を行くようなフォルゴレの発言で先ほどから会話が噛み合わない。 「私が歌ってあげるから泣くのはおやめ。良し、折角だから清麿にも聞かせてあげよう!CDも良いと思うが生で聞くのは格別だろうからね!」 慣れたものでキャンチョメが合図と共にラジカセのスイッチを入れる。 ほどなくして聞いたことのある曲が流れ出し、それにのってフォルゴレが歌い出した。 ……勿論ダンスつきで。 一連の遣り取りを見ていたガッシュは楽しそうに体を動かしながら聞いているが、後ろの清麿の動きは止まったままだ。 俯いたままで良く見ると細かく体が震えている。 だがのろのろと腕を上げ、魔本を開き構えた。 ガッシュはフォルゴレ達の方をを向いたままで、フォルゴレは歌うのに忙しくキャンチョメもそれを見ている。 その場の誰も清麿の動きに気がつかない。 大きく深呼吸して伏せていた顔を上げ、鋭く一言が発せられた。 ―――ザケル!! 目の前の空間に一筋の電撃がほとばしった。 |