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カブトムシの捕まえ方(一例) ぴんぽーん 「はーい。」 がちゃっと玄関の扉を開けるとそこにはユウキさんが立っていました。 「やぁ、ヒカル」 「こんにちは、ユウキ。何か用?」 何時もの様に髪をかき上げポーズを決めつつユウキさんは答えました。 「久しぶりに君とロボトルしてみようと思ってね・・・」 「・・・そのためにわざわざ?電話とかでも良かったのに・・・」 ヒカルさんの言葉にふふんと笑うと微妙にポーズを変えながらユウキさんは言いました。 「なんと今日はスペシャルなゲストがいるのさ・・・どうぞ。」 そう言うとユウキさんはひょいっと体をずらしました。 そして開いた空間に扉の死角にいた人物が顔を覗かせました。 「Hi、ヒカル。」 目をぱちくりとさせ、ちゃんと靴を履きなおすと玄関まで出てきました。 「ジョー君!久しぶり、元気だった?」 ジョー君にこにこしながら前に立つヒカルさんに笑顔を返しながら答えました。 「元気ダヨ、今日ハヒカルトロボトルシニキタンダ。」 「えぇ!?そのためにわざわざここまで来たの!?」 ぽかーんとしているヒカルさんを見てユウキさんは満足げに頷きました。 どうやらヒカルさんを驚かしてみたかったようです。 ジョー君はくすくす笑っています。 「ソウダヨ。チームバトルジャナクテモイインダケド・・・」 家の中をチラッと振りかえるとヒカルさんは言いました。 「えーとね、メタビー今買い物に行っていていないんだ、しばらく待っててくれる?」 そして首をかしげ少し考えました。 「・・・そっちにも都合があるよね?早い方がいいんだったら呼び出すけど。」 二人は視線を交し合うとまたもやユウキさんがポーズをつけながら言いました。 「何時帰ってくるか判らないんだったら僕等と遊びに行かないかい?僕等が戻ってくる頃には帰ってきてるだろうし。」 「ユウキガ、遊園地ニ連レテイッテクレルッテ。」 遊園地の言葉にヒカルさんは少し反応しました。 「え、遊園地?でも・・・あいつ置いていくと・・・すねるし・・・」 ヒカルさんの様子を見てもう一押しだと判断した二人はヒカルさんの手を掴むと歩き出しました。 「行コウ、ヒカル。折角ダシ遊ボウヨ!」 「いいじゃないか、料金の事だったら気にしなくて良いさ。僕がおごってあげよう。」 ぐいぐいとひっぱって車の止めてある方へ連れて行こうとする ユウキさんとジョー君を見て、ヒカルさんは困っていました。 (・・・メタビー連れていかないとすねるよなぁ・・・) メダロッチでメタビーさんに連絡をとろうにも腕を押さえられているのでメダロッチが使えません。 (・・・折角アメリカからロボトルしに来てくれたんだし・・・) ちょっと考えていたヒカルさんは最終手段をとることにしました。 ちょっと深呼吸をしてからすぅっと息を吸い、そして――――― 「わああぁっ、助けてメタビー襲われるうっ。」 大きな声をあげました。 ヒカルさんの叫びに思わず二人は手を離したその時でした。 じゃきっ 背筋が寒くなるような殺気と共に、黒光りする銃口が二人につきつけられていました。 「誰だ、ヒカルに手を出す奴ぁ?」 (ひぃぃ〜〜〜!!) 脂汗を流し一歩後ろにずり下がるとそれを追いかけて銃口が迫ってきます。 メタビーさんが一歩踏み出すと庇われた格好のヒカルさんも一歩踏み出しました。 「ほぉら、メタビー落ちつきなよ。」 ヒカルさんはそう言いながらメタビーさんの後ろから抱きついたような格好になりました。 「あ、ヒカル。・・・ってお前等居たのか。」 メタビーさんはヒカルさんが無事なのを見ると、向けていた銃口を下ろしました。 そして目の前で銃口を向けた相手がユウキさんとジョー君であったことに気がついたのでした。 その間二人ともホールドアップの状態で硬直していました。 「まったく・・・脅かすなよ、何があったかって思うじゃねーか。」 メタビーさんは少し見上げるような形でヒカルさんに話しかけました。 「ごめん、メダロッチがちょっと使えない状態だったもんでさー。」 てへっ、と笑いながらヒカルさんは答えました。 そのままメタビーさんの顔を覗きこむようにしながら今までにあったユウキさん達との遣り取りを かいつまんで説明しました。 「それにこういう時メタビー置いてくとメタビー後ですねるし。」 そう言ってメタビーさんを呼んだ訳を締めくくりました。 ヒカルさんを背後に張りつかせたまま説明をじっと聞いていたメタビーさんは ついっと目の前の二人にむかい顔を向けました。 「ふーん、わざわざ俺とロボトルする為にここまでねー・・・」 ユウキさんとジョー君はメタビーさんから無言の圧力を感じ思わず後ずさってしまいました。 「いいぜ、遠くから来てくれたんだもんなー。全力で相手してやるよ。」 二人はずりずりと後ずさり続けていると背中が壁に当たりました。 「・・・どっちから相手して欲しいんだ?」 そう言っているメタビーさんの目は笑っていませんでした。 その日のメタビーさんはとても(傍目には)楽しそうにロボトルを繰り広げておりました。 そして遊園地はというと、後日改めて皆で行くことになったのでした。 |