第一話 誕生日前日
「覚えてろよ!ツヴァイク!」
「その台詞を何回聞いたことか……だけど、一回も成功したことがないよなぁ?」
「ぐっ……………」
「年下のぼくにやられて悔しいのは分かるけど、そろそろぼくが助けに入るようなことや
めなよ…………そうすりゃこんなことにならないだろ?」
「畜生!」
ふん。やっぱり逃げたか。つまんないの。でもそろそろ、暗くなってきたし、ぼくも帰
るか。
ぼくの名前はツヴァイク。と、言っても本名じゃない。本名はウロムェル・ディン・ブ
ロード・ウィンズ。王侯貴族の次男坊だ。けど、ぼくはそんなのが大っ嫌いで、いつもお
城を抜け出して、町で遊んでる。ツヴァイクってのは、町で遊ぶときの通り名ってわけ。
そいで、今のやつらは町の悪がき3人で、名前をドン・ズール・ソーという。こいつら
は、昔っからいたずら好きで、お店の鍵を隠したり、他の子をからかったりしている。そ
れを、ぼくがいつも得意の槍術で懲らしめてる。それが気にくわないらしく、またいたず
らする。それを、懲らしめる。の、悪循環をあいつらは築いてるってわけだ。ぼくより年
上なんだから、もっときちっとして欲しいもんだね。さっきも、遊んでた女の子のグルー
プにちょっかいを出してるのを見つけて、怒鳴ってやったら、怒って向かって来たんだよ
ね。結果は…………さっきのとうり。
それと、こんな事してるせいか、ぼくは人望が厚いらしい。町に出ると、男の子が、子分にし
てくれだの言ってくるし、女の子がキャーキャー言いながら、寄ってくる。……………こ
れじゃ、なんのために町に出てきてるのかわかんなくなってくるな。
ふと、自分の姿を見てみる。みんなと鬼ごっこをしたせいか、泥んこだ。やばい、お祖
父さんやお母さん、お父さんは泥んこになってくるとなぜか知らないけどうれしそうにする。けど、
問題は兄さんだ。うちの兄さんは、そういうことに厳しくて、やれおまえは貴族としての
自覚が足りないだの、やれ服を汚すなんて馬鹿げてるだの、うるさく言う。こっちだって、
いろいろ言われて頭に来るから、つい言い返す。それを聞いて、兄さんが怒って、呪文を
使う。抵抗しようと思うんだけど、一回も成功したためしはない。吹っ飛んだぼくをお母
さんが呪文を使って癒してくれて、お父さんとお祖父さんが、兄さんたしなめる。これが、ぼくの日常
だ。それなら、言い返さなきゃいいじゃないか、と言う人もいるだろうが、これが押さえ
きれるもんじゃないんだよ。少し、あの三人の気持ちが分かったような気がするな。
いつものが終わり、メイドがあたりを片付け、お母さんがぼくのことを癒してくれた後、
お祖父さんは
「明日は、何があるか憶えているか?」
と、聞いてきた。
「う〜ん…………なんだっけな〜?」
「あなたにとても関係あるのよ」
と、お母さんが言う。…………なんだろうな?ぼくに関係がある?………!そうか!
「誕生日か!ぼくの誕生日パーティーだね?」
「ピンホ〜ン!大当たりじゃ」
「結構、大きなパーティーにするつもりだ。ブロード王もお忍びでくるといってな。」
「ふぅん………伯父様くるのかぁ…………」
「明日は、じっとしててくれよ?エクスじゃないが、明日はいろんな人が来るんだからな」
ぼくの考えを見透かしたように、お父様が言う。そんなこと、考えてないのに!
「その代わりと言ってはなんだが、あれを見せてやろう。」
「あれって、もしかしてサンダーストライデントの事?」
知らず知らずのうちに声が味うずわってる。心臓がドキドキ言ってるのが聞こえるくらい
だ。
「そうだ、うれしいだろ?それじゃ、明日は用意で早いんだ。早く、お風呂に入って寝な
さい。」
「はぁい!お父様!」
うれしいな!あれが見れるのか。明日が楽しみだな。
ぼくは、とてもうれしくて浮かれてた。しかし、それに伴う危険の事なんて全然気が付
かなかった。そう、あの時はこんなことが起こるなてんて思いもしなかった………………
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