葵さんカウンタ14008ゲット記念小説
LA・LA・LA LOVESONG
7.二重奏−恋とは呼べないデュエットだけど
「マーメイ、今日はこれをあげるよ」
「まあ、素敵なピアス! ありがとう・・・あっ、そろそろ時間だわ。じゃあね」
もらったばかりのアクセサリーボックスを大事に持って、礼もそこそこにマーメイは男に手を振る。
「マ、マーメイ」
未練たっぷりな相手には目もくれず、水しぶきを上げ海へ入った。
水をかき分け、いつもの場所へ急ぐ。もう来ているかもしれない、約束の岩場。
「遅いぞ」
やっぱり・・・。
竜人界のプリンスは、長い脚を組んで座っていた。
「おまえから呼び出しておいて、何で待たせるんだ」
「何言ってんのよ、そろそろこのあたしに会いたくなったかな、って思ったから呼んであげたのよ」
挨拶がわりだ。これがいつもの二人の会話だった。
海から飛び上がるようにして、わざとしぶきを上げてやり、マーメイはクラーケンのそばに座った。ずぶ濡れになった相手を指さして笑ってやる。
「あーら、いい男になったじゃない!」
「フン、今日は暑いから、ちょうどいいくらいだ」
確かに日射しは日に日に強くなってきている。今日は特に良い天気で、海に反射する光が眩しい。マーメイの鱗も、ぴかぴかしていた。
「ちょっと見てよ、さっき会ってた男ねえ、こんなピアスくれたのよ!」
箱を開けて見せるが、クラーケンはいささかも感心してくれなかった。
「よかったな」
と、平然と。
嫉妬させたい作戦は、こんな感じでいつも玉砕している。
「言っとくが、オレは何もやれないからな」
「期待してないわよ。この間の『クーリン』でたくさんよ」
『クーリン』とは、例の竜の花にマーメイが付けた名前である。なんだかんだ言いながら、最近ではかなりのお気に入りでマメに相手してやっているらしい。
何気ないやりとりが楽しい。友達になる、って決めたら何故だかスッキリして、こんな好き勝手しているのだが、何事も咎めたり怒ったりしないクラーケンに対して、気楽なのと同時に少し物足りなかった。
そのままの自分で向き合える相手だというのは確かだから、これ以上の友達はいないのだろうけど・・・。
「クーリンは育ってるか?」
「あれって育つの? あんまり大きさ変わってない気がするけど・・・」
巨大化する想像にはさすがにぞっとする。
「ああ。オマエの頭くらいにはでかくなるぞ。それと言い忘れたけど、竜の花は肉食なんだ」
「ウソッ!?」
巨大化したクーリンに頭からカプッとやられる想像になって、マーメイは青ざめた。
「嘘だ」
水しぶきの仕返しだったらしい。
「・・・・バカッ!」
叩くまねをしてやる。クラーケンも笑ってるので、マーメイもつられて笑った。
太陽の下、二人して、笑っていた。
あとがき
いやもお、苦労したっす・・・(涙)。
今までがペース早すぎたというかトバしてたから、こんなもんで普通なのかも知れないが、でも一ヶ月くらいかかっちゃいましたね。
ある意味スランプだったのかしら?
結構、実生活でストレスたまっていたから、それで・・・かな?
5月病かもしれないと思った。
でも、最近どんな調子でもある一定レベルの作品に仕上がるなあ、って思う。小説書き始めて10年、ようやくここまで到達したみたい。
手前味噌だって? でも、自分を中心に小説を書いている私(自分が面白いと思うように書ければオッケー)は、決して自分の書いたものを卑下したりはしないよ。どれも大切な、私のおはなしだから。傲慢かもしれないけど、私から文章書くのを取ったら何も残らない。唯一のプライドだもんね。今回は14000ぴったしゲットの名乗りがなかったので、14008で教えてくださった葵さんにリクエストをお願いしました。リクエストをお願いしたというか、私から言い出したような気もしますが・・・。
葵さんがアンケートで「クラーケンにも彼女を!」と書かれていたので、マーメイちゃんどうかな、と単純に思ったわけです。
マーメイは「THUNDER BIRD」においての単なるゲストキャラで、二度と出てくるとは私も思っていなかったけど。
ビーナスと同じ人魚だし、クラーケンとくっつきやすいかなー、などと単純に思った。それに更生して欲しかったの。貢がせて得られるのは本当の満足じゃないって悟って欲しかった。
葵さんからのリクエストとしては、クラーケンが他の女の子たちから女の子の気持ちを教えてもらう、というのと、竜王との親子ゲンカと、あとクラーケンがマーメイを見て母のことを想う、というのがありましたので、入れさせてもらいました。ツナミとナギとアラシ、それに白龍はお遊び。オマケで出してみました。
マーメイがバスタブに浸かる図というのが何故か浮かんだもので・・・。リュウは私のひいきなので意味はなくても登場。あ、タッちゃん出すの忘れた。マーメイにもクラーケンにもハッキリ恋を知って欲しかったけど、そこまで到達はしませんでしたね。
まずはお友達から・・・。
続き書かなきゃいけないかも(笑)。タイトルは言わずと知れた、久保田利伸(字合ってる?)の名曲です。大ヒットしたドラマ「ロング・バケーション」の主題歌でしたね。
小タイトルは、何となく楽曲の形態を入れてみました。本当は「情熱・熱風・せれなーで」なんつーのも入れてみたかった。「野ばらのエチュード」とか。竜の花はちょっと見てみたい。
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H12.5.20