お土産一波乱2
 


渋々ながら、最も定番のカスタードクリーム入りを1つ、口に運ぶ。
「どう?」
「普通。」
「あ、やっぱり。」 けろんと言い放ち自分も1つ手に取るひな乃。
「やっぱりって何よ、やっぱりって。」
「いやもう、人として。」 俊香とひな乃の間に流れる空気を感じ取ったかどうか定かではないがその空気を破る声がした。
 

彼女らの目線よりもちょっと(随分?)下から。 「えーでもこれ、おいしーよ。」 2人が声の方向を見下ろすとたっちゃんこと赤護法が、うまうまとシュークリームをぱくついている。それを見たひな乃は目頭を抑えつつ。 「たっちゃん、あんたいい子だね・・・。焔と交換されない?」 

「しません!」 

ひな乃は自分の護法には無い「元気でかわいい」要素を持つ赤護法が、実は気に入ってたりもするのだった。それは赤護法本来の持ち主、俊香にとっては多少、いや多大に迷惑な話かもしれない。しかし そんな護法にほだされて結局食べ続けることになる。もぎゅもぎゅと。 
「まぁ、定番なんだからそこそこだわね。」 食べている内になんだかどうでもよくなってきたらしい俊香。やはり胃が膨れると言うことは、幸せな事には違い無い。 
「まーねー、たっちゃんもアヤっちも適当に食べてね。種類だけは色々あるから。」 自分で持ってきたお土産だが、もう少しセールスポイントは無いものだろうか。 
「数もあるよ。」いや、そういうのでなく。 

「桃姫と焔には勧めないの?」 なにかまだ、引っかかる物があるらしい俊香は尋ねる。
「うーん、実は2人とも甘いの好きじゃないんだ。あたしは好きなんだけど、1人で食べてもおもしろくないしね。俊香さんとこなら、いいかなって思って。カスタード、好きじゃん。」
「まぁそうなんだけど。」 そっけなく答えたが、さっきまで無下にしててちょっと悪かったかな、何て思ったり、ひな乃のことだからあんまり気にしてないんだろうけどやっぱりなーと思ったり。そう言えば、もう一人の護法所持者、舞のとこの護法も甘い物よりもしょっぱい物の方が好きだったなーなんて思いだしたり。まぁどっちにしろ、お騒がせ者には違い無いんだろうけどとか落 ち着いてみたり。 


どうよ、赤いの


そんな思惑をする自分の主人にはお構い無しにうまうまとシュークリームを片端から食べる赤護法。とりあえず、普通のカスタードを選り分けて食べている青護法。
「アヤぁ、これ変わっってておいしいよぉ。食べる?」 青護法はカスタードが大好きなので、今の所それさえあれば満足なのだが、勧められた以上、試しにそれも食べ ることにした。あまり気が乗らないけどせっかく赤護法が差し出してくれたので、しかし結構度胸のいる香がする。
彼の主人同様、渋々と口に運ぶが、相手の赤護法には通じなかったらしい。進めたものを受け取ってもらえるという事ににこにこしている。
「なんか、和みの味って感じしない?」 嬉しそうに同意を求める赤護法にしかし、返ってきた答えはちょっと寂しいものだった。 

「皆目。」
 


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