|
「Hey、ソコの美しいお嬢さん!俺と夜明けのコーヒーを飲まないKay?」 私が見てないところで、虎鉄先輩はいつも女の子にちょっかいを出してる。 でも、何時も私が見てないと思ったら大間違いで。 「虎鉄先輩・・・おはようございます・・・」 「!?・・・Oh、子猫ちゃんおはYo。今日もベラボーに可愛いZe!」 一瞬驚いて固まるものの、あっという間に平静を取り繕う。 (取り繕うのに必死で、私の様子になんて ちっとも気づいてないのかも・・・) 一応自分たちは付き合っている身で。 相手が他の異性に声を掛けているのを見て面白いはずがない。 恨みがましい目で見つめてみるも、相手には伝わらず肩を落とす。 「・・・先に行ってます・・・・・・」 一緒に行こうZe、等と言い募る相手を置いて、 普段よりも可也早足で校舎に向かう。 ふぅ、と周囲に分からない様こっそりと溜息をついた。 先輩は何時だって他の女の子に夢中で (自分が他の子に比べて女としての魅力に乏しいのは解ってるけど) 私のことなんかどうでもいいのかも知れない。 (告白して来たのは先輩の方なのに) 虎鉄先輩は、まるで風船のようだ。 手を離したら、あっという間に遠くへ行ってしまいそう。 私は彼を捕まえているんじゃなくて、彼に必死にしがみついているだけ。 風船との恋なんて、不毛極まりない。 (でも・・・) それでも、自分はその風船を手放したくはないのだと、 後ろから聞こえる焦ったような足音を聞きながら思った。 |