妖精って何?

<メアリ> ・・・お呼びでしょうか?
<ひろ> どうやら君は妖精という生き物について何も知らないようだね?
<メアリ> はい。
<ひろ> よろしい。それではまず、妖精と悪魔との違いについて語ることにしよう・・・



 妖精とは、キリスト教が広まるときに否定されたものの、あまりに人々の間に根付いていたため、天国に行けるほど良くもないが、地獄に堕ちるほど悪くもない生き物として位置づけられたんだ。
 もともとキリスト教は1神教だからね。土着の妖精信仰は認めたくなかったんだろうけど、そういう存在として位置づけることによって、キリスト教に“異端”として排除されるのを避けようとしたらしい。信仰していた人々の努力といったところだ。
 とりあえず“悪魔”とは違うことがわかってもらえたかな?まあ、悪魔といっても良さそうなものも伝えられているがね。日本で言えば妖怪が近いだろう。
 それでは妖精の起源について少し話そうか。

 妖精の起源、と言っても妖精というのは一カ所の地域から発祥したものではない。それこそ様々な国で伝えられているわけだから、その起源も様々なわけだ。今回あげるのはその一例だと考えて欲しい。

 ケルト族という一族のがヨーロッパ、主にフランスなどに住んでいた。これはカエサルのガリア戦記にも記されているように、ローマ帝国やゲルマン民族の大移動などにより征服され、その民族性はヨーロッパ大陸ではすっかり希薄になってしまったようなのだ。問題は海の向こう、つまりイギリスや特にアイルランドにその文化を伝える神話などが残されている。
 そのイギリスでは非常に多くの妖精譚が残されているんだ。一説にはそのケルト族の神話の中の神々が妖精になったと言われていてね。それでそのケルト族の影響が残っていたイギリスで妖精の話が多く伝えられているってわけだ。

 ケルト族の神話は後で語ることにして、次は北欧神話と呼ばれるゲルマン民族の神話だ。このゲルマン民族も、ドイツなどではローマ化が進んでしまってあまりその話は残っていないのだが、スカンジナビア半島、まあ今で言うところのノルウェーやスウェーデン、フィンランドの辺りか?その辺りは征服されるのが遅かったんで、神話が残されていたんだ。その神話の創世記の中で、すでに神が人間とは別の種族を作っていることが記されている。

 その他には自然現象が神格化して、人格を持ったようなもの。いわゆる自然崇拝に近いものだが、日本では精霊という言葉を使うことが多いかもしれないな。砂漠の風の精霊、ジンなどが有名だろう。

 有名な妖精としては、よくRPGなどに出てくるエルフ、ドワーフ、ゴブリン、ホビットなどがいるし、『アーサー王伝説』に出てくるマーリン(の父)やヴィヴィアン、シェイクスピアの『真夏の夜の夢』に出てくるオベロン王やティターニア、パック、ついでに『ピーターパン』のティンカーベルなどがあげられるだろう。
 日本では妖精と言えばティンカーベルのような容姿を想像する人も多いかもしれないが、妖精というのは色々いるのである。
 次章以降で神話などについても語っていきたいと思う。


<ひろ> どうだね。少しは解ってもらえたかな?
<メアリ> ・・・・・・・・・・・・
<ひろ> ・・・大丈夫・・・だよね?
<メアリ> ・・・あまり妖精の説明にはなっていないのでは?
<ひろ> ふむ。もう少し妖精の習性についてふれておいた方がいいな。
よし、次は妖精の種類について語ることにしよう。
<メアリ> かしこまりました。

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