妖精の種類

<ひろ> それじゃあ、大ざっぱに妖精を分類してみようか。
<メアリ> 大ざっぱに・・・ですか?
<ひろ> うん。とりあえず、アイルランドやイギリスからかな?
<メアリ> はあ・・・何故です?
<ひろ> 一番資料が手に入りやすいから。
<メアリ> ・・・・・・・・・・・・
よろしいんですか?そんなことで・・・
<ひろ> しょうがないでしょ。ま、とりあえずはね・・・



 さて、前章でも述べたようにアイルランドやイギリスというのは、ケルト族の中でも『海のケルト』と言われるケルト族の神話や伝説が残っている場所で、まずはその神話から簡単に触れたいと思う。

 民族に伝わる神話には、天地創造の話が残っていないらしい。もしかしたら最初から無かったのかもしれないし、ほかの神話同様に天と地を想像した神の話があったかもしれない。つまり、推測程度でしか語られていない事になっている。空や大地、海が重視されていたとも伝えられてはいるがね。
 現在残っているのはそれ以降、アイルランドに入島してきた5つの部族についての話なんだ。順番にバーホロン、ネメズ、フィルボルグ、トゥアハ・デ・ダナーン、ミレー族とあり、最後のミレー族が現在の人間達の祖先と言うことになっている。
 ここでは神話への深入りは避けるが、4番目の種族であるトゥアハ・デ・ダナーン、「女神ダヌを母とする種族」と呼ばれる神の一族に注目してもらいたい。ミレー族に戦いで敗れたダーナ神族は、海の彼方と地下の国に逃れてそこで美しい国を造ったという。そして、目に見えない種族である妖精になったと言われているんだ。これが、この国で妖精が伝えられている理由なんだ。

 それでは肝心の妖精の話に入ろうか。
 まあ簡単に分ければ良い妖精であるシーリー・コートと、悪い妖精であるアンシーリー・コートという分け方が出来る。まあこれは大ざっぱすぎるが、生活する場所や暮らしぶりで分類されることが多いらしい。

 それでは先ず始めに、家に住む妖精たちを見ていくことにしよう。家に住む、というのはその言葉どおり人間の家に住む妖精ということで、一番親しみやすい者達といえるだろう。彼らは人間達のために働いてくれたり、動物の世話をしてくれたりもする事がある。しかし、その人間が気に入らなければ、悪戯をして困らせることもある。
 この種類の中でもっとも有名なのは、ブラウニーというホッブゴブリンの一種だろう。彼らへの報酬は甘いミルクと小麦のパンで、彼らの作業場にそっとおいておくといつまでも働いてくれると言う。しかし彼らがみすぼらしい服を着ているのを哀れに思い、服を与えると出ていってしまうとも言われているのだ。もっとも何にでも例外はあるようで、中には服を喜んで受け取る者もいたらしい。

  次は地下に住む妖精。地下に住んでいる彼らは、どちらかといえば陰気で気むずかしく、中には邪悪と言われる者までいる。性格はともかく、技術者としては優秀である。
 この中ではレプラホーンという靴屋の妖精が有名だな。彼らは地下に非常に多くの財宝を隠しているといわれていて、捕まえて隠し場所を聞き出せれば、財宝を手にすることが出来る。だが、しっかりと見張っていないと、すごいスピードで逃げられてしまうとも伝えられている。

 自然の中で暮らす妖精もいる。彼らは同じ種族の中でも、人間を食料し自分の住む海へと引き込もうとする者もいるが、人間に親切な行動をとる者もいる。
 この中でも非常に有名なのはマーメイドだろう。だが、ここではあえてメローという名前で紹介する。メローというのはアイルランドの呼び名で、女性は非常に美しく中には人間と結婚する者までいるのだが、男性のメローは非常に醜いという。しかし愛嬌があり愉快な性格なので、人間と友人関係になることもあるらしい。

 またこの他には、先程言ったダーナ神族の造った「常若の国」と呼ばれる場所に住む妖精達である。この国についてはあまり記述はないのだが、ケルトの英雄譚に出てくるフィアナ騎士団の騎士の一人でオシーンという若者が、妖精の王女「金髪のニアヴ」によって「常若の国」に連れていかれるという話がある。そこでは永遠に年を取らない世界があるらしく、その後オシーンは日本で言う「浦島太郎」のような展開を迎えることになる。

 今回は、妖精の住む場所によって4つの分類をしてそれぞれの特徴をあげてみたが、日本の妖怪よりは人間と親しい関係を持っていると言えるのではないかと思う。
 これほど多くの話が現代まで伝わってきているのは、妖精というのが単なる化け物などでは決して無く、怖いのもいるけど面白い、言ってみれば『気まぐれなお隣さん』とういうような感覚で見ているからなのかもしれない。そう考えれば、人間との関係はきわめて良好であろう。


<ひろ> まあ、これでだいたいどんな感じか雰囲気はつかめたんじゃないかと思うんだけど・・・
<メアリ> はい。ですが途中で出てきた神話とか、かなり中途半端なんじゃないですか?
<ひろ> わかってる。それはまた別の機会に。
ここではやっぱり妖精を優先させないとね。
<メアリ> わかりました。
それで次はどのような話をしていただけるのでしょうか?
<ひろ> 次は・・・本から紹介してみようかなぁ・・・
<メアリ> 抜粋・・・ですか?
<ひろ> まあね。まんまじゃないけど。
だってむこうの民話を勝手にでっち上げるわけにはいかないし・・・
参考文献として本の紹介もするから大丈夫でしょ、きっと。
<メアリ> ・・・そうですか。
それでは失礼いたします。

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