物語の中の妖精 1

<ひろ> ふむ。まあ今回はあれだな。
有名な作品の妖精ってことで・・・
<メアリ> 有名なものなのですか?
<ひろ> ・・・まあね。一応。
物語には妖精って結構出てくるから、簡単にストーリーの紹介とか・・・
<メアリ> そうですか・・・
それではどうぞ


 妖精というのは、今までも語ってきたように色々といる訳なんだけど、日本語では妖精、妖魔などそれぞれの性格や性質によって呼び分けられている場合が多い。
 まあ見た目が化け物じみているようなものや、人を好んで襲うような生き物、つまりファンタジーでは悪役にあたる者達はあまり妖精と呼ばれることはないようだ。
 まあ全てがそうだとは言えないんだが、そう言う傾向があることは否定できないだろう。

 とりあえず有名な古典から。
 W・シェイクスピアの『真夏の夜の夢』。
 簡単にストーリーを紹介すると、妖精の王と女王が一人の少年を巡って喧嘩をしたんだ。その喧嘩に巻き込まれたのが4人の男女。
 偶然駆け落ちしてきた2人の男女と、それを追ってきた2人の男女が、妖精達の住んでいる森で一夜を明かすことになったんだ。でもその様子を見ていた妖精王は、パックという妖精に惚れ薬を使わせたんだ。
 ところがこの妖精のちょっとした勘違いから、惚れ薬を使う相手を間違えてしまい、組み合わせがバラバラになってしまうんだ。
 その間違いから起こった状況を、喜劇として描いている作品なわけだ。

 この作品で出てくるのが、妖精王オベロン、女王ティターニア、そしてパック。
 まあ、その他にもちょい役としては色々といるのだけれど、重要な役としてはこの辺があげられるわけだ。
 少し紹介してみると・・・

オベロン

シェイクスピアの戯曲「真夏の夜の夢」に登場する妖精の王
妖精と空気の王であり、月の光と夢を司る役目を持っている。
非情に気が短く、身勝手な王として知られており、人間の女性に恋をして、妻ティターニアといさかいを起こしたという話も伝わっている。
また、夫婦でインドに住んでいるとされることもあり、夜になると夫婦で海を越えてヨーロッパを訪れ、月明かりでダンスを踊るとも言われている。

ティターニア

こちらも「真夏の夜の夢」にも登場する妖精の女王。
その名は「大地の娘」といういみがあるとされ、ティタンの娘という意味がある。
ローマ神話の女神ダイアナと同一であるとも言われており、繊細で美しい、月光に満ちた夜の森の支配者であると言われる。
イギリスでは彼女とその侍女達はフェアリーと呼ばれ、妖精の国フェアリーランドに住んでいると言われている。

ロビングッドフェロー

妖精王オベロンが、美しい田舎娘に産ませた子供で半神半妖精。
早熟で悪戯好き。
6歳で家出をしたが、仕立屋も掃除夫も務まらなかった。
ある日、夢にオベロンが出てきて魔術を授けたため、その魔術で様々な悪戯をするようになり、最後にはオベロンと妖精界に入ったとされている。


 と言うことになる。
 悪戯好きの妖精パックは、ロビングッドフェローと呼ばれる妖精で、ホッブゴブリンの一種であるともいわれている。

 ここで出てくる妖精の特徴として、人間のような生活を妖精もしている、という点にあるだろう。
 シェイクスピアは16世紀〜17世紀の人物なので、妖精の世界にも国王がいて、他の妖精を支配しているという発想はきわめて自然なものだったのだろうし、それ以前に語られてきた妖精話や神話の中でも、同じように支配者がいて、その支配者に他の者が従うという構図が当然のように出てくるわけだ。
 民話の中では、むしろ妖精は単独、もしくはせいぜい数人で出てくることが多いが、物語の中で語られようとするとき、人間の社会に近づけて描かれることが多くなると言うのが、物語の妖精の特徴の一つといえるのかもしれない。


<ひろ> まあ、こんなところかな?
<メアリ> あの・・・・・・
<ひろ> ん?
どうした。
<メアリ> 物語の説明は・・・?
<ひろ> ・・・後で本あげるから、実際に読んでみてくれ。
<メアリ> ・・・よろしいのですか? そんなことで・・・
<ひろ> 詳しく説明してると長くなるんだもん。
仕方ないでしょ。
<メアリ> そんなことで良いのでしょうか・・・・・・



<参考資料>
悪魔全書 第二集 ATLUS
妖精学入門    井村君江   講談社現代新書
真夏の夜の夢   シェイクスピア 三神 勲 訳  角川文庫クラシックス
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