物語の中の妖精 2

<ひろ> さて、今回もこうなったわけだ

<メアリ> ・・・そうですか。
またこの前と同じなんですか・・・

<ひろ> なんかイヤそうだな。
そんなにこの間のことが気に入らなかったのかい?

<メアリ> ・・・いえ、別に良いんです。
どうぞ始めて下さい・・・


 妖精の出てくる小説、というのは昔からあるのだが、最近特にファンタジーと呼ばれるジャンルの小説が増えてきているように思える。
 まあ一概には言えないものの、ゲームの影響というものも無視することが出来ないのも、また事実だろう。
 妖精は、妖精として、また時にはモンスターという恐ろしい姿で様々なゲームに登場しており、また小説の世界でも同様に、人間の味方であり敵としても登場してきている。
 今回は私が最初に妖精に興味を持った作品である、『ロードス島戦記』という小説について、そしてその世界での妖精について、見ていくことにしよう。

 さて、先ずはストーリーについて簡単に触れていきたいと思う。

 ザクソンという田舎村に住む青年、パーンは小さい頃から亡き父親と同じく、聖騎士になることが夢だった。
 物語は、この青年パーンが夢を叶えるべく、幼なじみの神官エト、村で唯一の魔術師スレイン、そしてドワーフのギムと一緒に、村を旅立つところから始まる。
 旅の途中でハイエルフのディードリット、盗賊のウッド・チャックと出会い、仲間になるんだ。

 一行は、ヴァリスの王都に到着し、そこで国王に試験を与えられることになる。
 しかしその途中で、ある魔術師と出会うことになり、その出会いこそがパーンの一生を大きく左右することになってしまったのだ。
 その魔術師の名はカーラ。
 魂を額のサークレットに閉じこめた、古代魔術師の意思そのものの存在だった。
 聖騎士として大きな戦いに参加するものの、パーンは影でロードス島の戦いを操ってきたカーラを放っておくことが出来ず、カーラとの決戦に望む。
 カーラの本体であるサークレットを、操られていた人物から取り外すことには成功したものの、その戦いでギムが犠牲となり、またその力に魅入られたウッド・チャックがサークレットを持ち去ってしまうのだった。
 パーンは聖騎士としての道を捨て、その魔術師を追い、またロードス島に平和を取り戻すべく、どこの国にも属さない自由騎士として戦い続けることを決意するのだった……。

 以上が第1巻の大まかなあらすじになるわけだ。
 さて、次に舞台の設定、ロードス島について説明していこうか。

 先ずはこの世界の歴史から。
 最初はただ1人の巨人がいた。
 その巨人が死に、その肉体から世界が出来、神々が生まれた。
 ちなみに北欧神話に、こういった巨人の死から世界が誕生するエピソードがあるんだ。
 もっとも北欧神話では、最初に生まれた神であるオーディンと2人の兄弟が、巨人を倒して世界を造るんだけどね。

 さて、話を戻して、神々が世界の創造を行った後、神々の間で戦争が起こることになった。
 至高神ファリスを初めとする光の神々と、暗黒神ファラリスを初めとする闇の神々が、お互いに戦い合った結果、神々は肉体を失って精神だけの存在となってしまい、神官などを通じてしか、この世界に力を行使できなくなってしまった。

 このロードス島は、その中でも大地母神マーファと破壊神カーディスが戦って、そして力尽きた地でもある。
 マーファは、最後の力でカーディスの力尽きた場所をロードス島から切り離したので、ロードス島はカーディスの呪いから免れたのだけれど、カーディスの滅びだ地は暗黒の島マーモと呼ばれ、妖魔の徘徊する土地となってしまったというわけだ。

 神々の争いのあと、魔術師の支配する時代が続くことになる。
 魔術によって世界を支配した魔術師は、神をも殺す力を持つドラゴンさえも従えることが出来るほどの力を持っていた。
 しかしそれでも満足することの出来なかった古代の魔術師達は、より巨大な魔術の力を得ようとする実験に失敗して、力を失うことになったんだ。

 そして現在、この島は争いが絶えない歴史から『呪われた島』と呼ばれいる。
 アレクラスト大陸の南に位置する島で、ヴァリス、フレイム、カノン、アラニア、モス、そしてマーモといった国々がある。
 この国々は、それぞれ内戦などの混乱を国内に抱えているので、非常に激しい争いが絶えない。

 さて、この辺で世界の紹介は終わりにして、この物語の妖精について見ていくことにしよう。

 先ずは妖精のエルフ族。
 もともとは妖精界の住人であったが、長くこの世界にとどまるうちに妖精界との繋がりは断たれてしまっている。
 しかしながら、いまだに妖精界にとどまるエルフもいて、そのエルフはハイエルフと呼ばれていて、滅多に物質界(人間の世界)には姿を現さない。
 また、エルフ族でも闇の神を崇める種族がいて、彼らはダークエルフと呼ばれている。
 ダークエルフはほとんどエルフと同じではあるが、普通のエルフが白く美しい肌を持っているのに対し、ダークエルフは黒い肌を持ち、性格は非常に残忍である。
 たいてい森に住んでいて菜食主義、不老長寿、そして生まれつき精霊と交信が出来、操ることが出来る精霊使いとしての能力を持っている。
 非常に閉鎖的で、森に入ってくる者を排除しようと攻撃することもある。
 男女共に力は強くなく、美しい容姿を持っており、戦うときには弓を使った攻撃やスピードを活かした細身の剣、精霊魔法が主体となる。
 大地の妖精であるドワーフ族とは仲が悪く、また身体的に最も人間に近いため、人間との間に子供が出来ることもある。
 しかしながらそう言った子供はハーフエルフと呼ばれ、どちらの社会からもあまり好意的には受け入れられないのである。

 次にドワーフ族。
 背は低くて樽のようにがっしりとした体型、力が強く手先が起用な種族で、鉱物から見事な細工物を作り出してしまうことや鍛冶屋としての能力もかなりのものなのだ。
 暗闇でものが見えたり、酒にかなり強いという特性も持っていたりする種族で、戦士としても優秀である。

 グラスランナーという草原に住む妖精族もいる。
 人間の子供のような容姿、非常に好奇心旺盛でたいていは旅をして過ごしている種族だ。
 非常に明るい性格をしている。

 その他、マーマン(マーメイド)やフェアリー、ピクシーやゴブリンなど、様々な妖精や妖魔、精霊として、この世界では妖精達が活躍しているのだ。


 この世界、という点から見れば、妖精達の活躍はそれほど大きくはないかもしれない。
 しかし少なくとも『ロードス島戦記』に登場するハイエルフの女性、ディードリットは主人公パーンを常に助け、支える非常に重要なパートナーなんだ。
 初めは、ただの好奇心から行動を共にするようになるが、次第にパーンに心惹かれるようになり、ロードス島の平和とカーラの阻止、というパーンの目標を助けるべく、精霊使いとしてかなりの力を身につけ成長していく、そんな素晴らしい女性なのだよ。
 この物語には、その他にも重要な役としてドワーフやグラスランナーも登場するけれど、物語中で非常に閉鎖的な種族としてエルフが描かれているだけに、彼女の活躍というのは際だったものとなっているし、魅力的に映るわけだ。

 また、この世界は非常に広い広がりを持っていて、アレクラスト大陸での物語や、クリスタニアという神獣の住む島での話なども出版されている。
 一度世界に入れば、どのシリーズにもすんなり入っていけるので、とりあえずこの『ロードス島戦記』を読んでみることをお薦めしよう。




<参考資料>
ロードス島戦記(全7巻) 水野良        角川スニーカー文庫
ソードワールドRPG   水野良 グループSNE  富士見文庫



<ひろ> ふぅ・・・ちょっと気合いが入ってしまった。
ともかく、今回は解ってもらえたかな?

<メアリ> はい、今回は。
それでご主人様・・・

<ひろ> なにかな?

<メアリ> 今回も本はいただけるんですか?

<ひろ> あぁ、本ね・・・
いやぁ、今ちょっと手元になくってね〜。

<メアリ> ・・・・・・・・・・・・

<ひろ> 何だよ、そんな顔されても。

<メアリ> あれだけ盛り上げておいて・・・
はぁ・・・もういいです。
あとでお給料いただいたら、買いに行ってまいります。

<ひろ> あははっ、悪いね。
まあ少し長いけど頑張って読んでね。


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