私的護衛兵日記。 その1

こんにちは、私は本日付で姜維伯約様の護衛に配属されました一兵士です。
名も無き私を、護衛になんて、主君様に感謝です。
さて、とはいうものの、下っ端道一筋の私ですから、伯約様のお姿を拝見したことすらありません。
いったい、いかなるお方でしょうか?
胡蝶と噂されるお方です、神秘的なお方でしょうか・・・。
あの丞相様のお弟子で、知略も武勇も素晴らしいとお伺いしています。
もしや、筋肉凄くてたくましいお方なのでは!?
いやだぁぁぁぁッ!!!そんなムチムチ武将に護衛は必要なのでしょうか?
はあはあ・・・と、とにかく、早くお会いせねば・・・。
「もうッ!子竜なんか知りませんからッ!!」
どぅわぁぁッ!いきなり扉が蹴破られんばかりの勢いで開かれました。
思わず開いた扉でおでこを強打です。痛いです。
「いてぇ・・・・ッ」
「あッ!すみません!大丈夫ですか?」
ぜ、全然大丈夫じゃ無いです。顔面がひりひりです。
当の本人は、私を見て慌ててペコリとお辞儀をしました。
「ああ、はい・・・」
どうも一般兵では無い様子。だとすれば、文官でしょうか。まさか武官では・・・。
「ごめんなさい、勢いに任せて・・・」
そのお肩は、しゅん・・・と肩を落としてうなだれます。
あ、色の白い人だなぁ・・・まつげ長い。
「おい!伯約!!」
またもや思いっきり扉を開け、私の顔面にめり込ませたお方は・・・・
ああーーーーーーッ!!!!!
ちょ、ちょ、趙雲将軍ですッ!!五虎将軍の!あの趙雲将軍です!!
ああ、こんなところでお会いできるなんて、なんて幸運な私・・・。
「伯約、落ち着いて聞け」
「落ち着くも何も、そんな無茶を引き受けるなんんて、バカですか!?」
「・・・・・・・・・」
趙雲将軍に、バカ発言。あっぱれです。
一体、このお方は何者でしょうか。
それに、先ほどから趙雲将軍が彼を「伯約」と呼ぶのが
とっても気になります。
「あの・・・・・もしや、そちらは姜維伯約様で?」
「ん?ああ、そうだが君は?」
訝しげに私を見つめる趙雲将軍。無理もありません、私、ただの一般兵ですから。
「本日付で姜維伯約様の護衛に配属された者です。一度ご挨拶にと参ったのですが・・・」
「貴方がですか。すみません、見苦しいところを見せてしまいましたね。
 私が、姜維伯約です。今日からお願いしますね」
マジですか??
打って変わって、私ににっこりと微笑みかけて下さいます。
か、可愛らしい!!可愛らしいです!
暑苦しい鎧のオッサン系でもなく、ヨボヨボのじいさん系でもない。
色が白く目鼻立ちはクッキリと。
背中の中程まである髪の毛は艶やかで、サラサラと風に揺れております。
蜀にも華があったのですね!!
お守りしましょうとも!是非ッ!!

こうして、大変気合い満々に私の護衛任務は始まったのです。
ああ・・・このときはまだ良かったのです。