G線上の魔王     
       G線上の魔王 感想


タイトル:G線上の魔王
メーカー:あかべぇそふとつぅ
機種:PC
ジャンル:ADV
原画:有葉
シナリオ:るーすぼーい

オープニング曲 「Answer」

歌:片霧 烈火




真冬。
粉雪の舞う大都市に”魔王”が出没した。
望みは、無論、人間社会の崩壊である。

主人公・浅井京介は、学園に通うかたわら、義父のビジネスを手伝って、
存外な大金を動かしていた。
倣岸な義父に影響を受けた彼は、才能を余すところなく発揮して、
ついには有名企業のブレインとしての顔を持つようになっていた。
けれど、彼は普段はクラシックを愛するひょうきんで明るい青年である。
クラスメイトの椿姫と義理の妹の花音、親友の栄一に囲まれながら、
楽しい学園生活を送っている。

そんな京介の平凡な日常にも、危機が迫っていた。
花音の出場するフィギュアスケートの全国大会が脅迫され、
椿姫はずっと守ってきた住居から立ち退かされる。
学園では謎の集団が人質をとって立て篭り、
市内でも富裕層の子供が次々と失踪していく。
一連の事件は、地下都市を根城とする”魔王”の仕業だという。

そんなとき、一人の少女が訪ねてくる。
少女は、正体不明の”魔王”あぶりだすべく、
頭脳を駆使した心理戦をしかけていった。
流れるような長髪の美少女、”宇佐美 ハル”
彼女こそが、京介の忌まわしき少年時代を、ともに戦ってくれた”勇者”だった。

十年ぶりの再会。
いま、命をかけた純愛ドラマの幕が上がる。




【浅井 京介】

車輪の国、向日葵の少女のような設定が垣間見える主人公。
車輪の国、向日葵の少女の主人公、賢一のように完璧超人ではないが、ふざけてる様に見えて計算高い所は似ている。
学園ではひょうきんな青年を気取っているが、夜は別の顔を見せる。
クラシックが好き。


【宇佐美 ハル】

魔王を追う聡明な頭脳を持つ少女。突如転校してきてクラスメイトとなった。
本作の探偵役。魔王を怪盗とすると彼女が名探偵の位置づけとなる。

【浅井 花音】

フィギュアスケートでオリンピックを目指す少女。代表候補。
スケート界で注目の若手株。
普段は明るく人懐っこく見えるが、スケートに関してはクールな考え方をする。
その姿は、父親の血を受け継いでいるのが見える。

【美輪 椿姫】

主人公のクラスメイト。
控えめな性格だが、クラス委員で人望がある。
子沢山な家庭の長女でもあり、しっかり者の苦労人でもある。
日々の些細なこととも日記をつけるので、会話もたまに日記調になる。

世間知らずで真面目。責任感が強く優しい。
車輪の国、向日葵の少女のヒロインであった大音 灯花に似ている。
というか演じている声優さんも一緒のようですね。

【白鳥 水羽】

クラスメイト。趣味は天体観測。
理事長の娘なのだが、寡黙で誰とも関わろうとしない。
毎朝早く学校にきて、誰の目にも触れない花に水をやったり優しい一面もあるのだが・・・。

【時田 ユキ】

ハルの友人。なんかいつも自信満々に見えるお姉さま
ネゴシエーション能力に長けており、人の心を操作したり裸にする。

【浅井 権三】

主人公の養父。花音の実の父。冷酷冷静でありながら荒々しさを持つ男。
暴力団の親分で主人公には多少目をかけている節が見られる。

【相沢 栄一】

容姿は可愛らしい少年だが、それを武器に女性を口説いたりする。
腹黒だが、仲間想いな一面も。

【魔王】

すべてが謎に包まれている本作の黒幕。
恐ろしく切れる悪魔の頭脳を持つ。

そーいえば魔王の声が「コードギアス 反逆のルルーシュ」の
ルルーシュの声にしか聞こえません。たぶん本人でしょう。





一応言っときますが、18禁のゲームです。(また同じ出だしか
なのでえちーシーンがあります。

シナリオに関しては同メーカーが作った、
「車輪の国、向日葵の少女」のように章単位で話が進みます。
ただゲームを正しく楽しむならば、
攻略する女性は各章ごとのヒロインをちゃんと順を追ってクリアした方が
この作品を楽しめていいと思います。

同メーカーが以前発売した「車輪の国、向日葵の少女」が
名作だったせいか過度な期待をしていました。
期待通りだったかというと・・・?

何時間も続けてプレイするのが苦ではなかったので、
普通に作品として面白いのでしょうね。
ハルルートのラストのシーンはすごく良かったです。
後半に関しては、車輪の国を超えてると思う人も多そうです。
罠としては章が進むごとにハルと魔王の推理戦が薄くなること。


「かわいいぼうや、おもしろいあそびをしよう」

クラシックのシューベルト作曲の魔王の台詞の一部ですが
これが微妙に影響します。

陥れやすい人間『坊やたち』を騙し、魔王にとっての遊びの時間が始まる・・・


1章はOP的内容。ルルーシュ声の魔王に痺れる〜。

2章は魔王による椿姫の弟の誘拐事件。ヒロインは椿姫。

3章はスケート大会への脅迫。そして殺人事件。ヒロインは花音。
「浅井花音が日本代表に選ばれたとき、花音の母親を殺す」

4章は学園立て篭もり事件。ヒロインは水羽。

5章では魔王の陰謀の真相へ。ヒロインはハル。


BGMですが、クラシックを題材にしているからか、
クラシックのアレンジ曲が多く、安心して聴いていられます。
有名な曲が多いですね。というか有名な曲しかない。
つうかサントラ発売まーだー?



○1章
この章はゲームの雰囲気を感じるというか、ゲームに慣れるための章と言えます。 大きな事件は起きませんが本作を理解するための章でしょう。 ○2章【美輪 椿姫】
家族。こんな言葉が浮かぶ章です。 疑うことを知らない人間を魔王は『坊や』と呼び、 彼女を『人間』(疑うことを知り欲望を持つ人)にしようとする。 友というだけで、信じる。 家族というだけで、信じる。 彼女の純粋さを示す言葉ですが、それが魔王や主人公は気に入らなかった。 弟の誘拐事件をきっかけに、 椿姫は欲望を覚え、いままでの自分の境遇がくだらなく思えてきた。 彼女の純粋さは失われるかと思ったが・・・。 弟にたいして怒りをぶつけ、顔を平手打ちする。 だが純粋な弟はそれを遊びと勘違いし、 姉が自分を傷つけるなどと欠片も思わず、 姉を完全に信頼しきっていた。 その無垢な心が、まるで今までの自分であったことに気づく。 彼女の心は、自らを写す鏡により蘇った。 彼女が本来持っていた優しさや愛情は、魔王の囁き、そして呪いを吹き飛ばす。 家族・そして信頼の本当の意味を知ることができる章。 ○3章【浅井 花音】
親への愛情。 そんな言葉が浮かぶ章です。 母親は完全に間違った愛情を子供に注いでいた。 子供の進む道を母親が決め、自分の果たせなかった夢を 押し付けようとする。そしてそれが娘の幸せとなっていると勘違いをした母親。 母親を憎み、人を信頼することができなかった、 みせかけの明るさをもった少女は、 スケートに対してどんな感情を持っていたのか・・・ 誰にでも明るく元気に見える花音。自分が一番すごい。一番正しい。 彼女の心はスケートリンクのように一見硬く強く見えたが、 本当は氷のように脆く壊れやすかった。 自分が正しいとそう思わなければ彼女は自分が保てなかった。 この辺が歳相応で、父親の権三と決定的に違うところか。 拙い母親に対して ありがとうと言えた彼女は、本当の強さを得て、 氷上を美しく舞う。 親は子供にとってどこまでいっても親。 その事実はどうあっても変えることは出来ない。 それがたとえ憎しみの対象であったとしても。 花音の声優がこおろぎさとみさんのせいか色んな ゲームのキャラの映像が頭に浮かぶ不具合。 ○4章【白鳥 水羽】
京介に対して冷たい態度を取っていた彼女。 実は2年前から京介の事を想っていた。 ベタな展開ですが、ツンデレですね。分かります。 天体観測の約束が事件につながるとは。 彼女のルートに進むとその後の人質事件に進みません。 憎しみがすべてを台無しにする様が見られる事件です。 理性的な人間も憎悪に身を包まれば、そこに理性はなくなり、 どうしようもない衝動だけが募っていく。 恨みを持つ男のさらにどうしようもなく救われない一面を見てしまった彼女。 ただ一握りの愛情でさえも、憎しみの業火に焼かれてしまうのか。 ○5章【宇佐美 ハル】
ネタバレを避けるため概要は書きません。 憎しみは連鎖する。 世界に戦争が絶えないのも、そう。 魔王の死に際の最後の台詞こそが この世界の真実のひとつとも言えるのではないでしょうか。 憎悪は人を・・・いや、愛もまた 一人でも強く生きていけるように 最後の罠をしかけ死んでいった”魔王” 魔王がかけた勇者への呪い。 その呪縛から解き放ちたかったのではないでしょうか。良い解釈をするとですが。 自分の周りの人間を大切にしたいから、愛するが故に最後の嘘をつく京介。 命を懸けた純愛ドラマというたてがきは嘘ではなかったということでしょうか。 ゲームをプレイし終えた後、すっと残るこの感情こそが、 このゲームのテーマであり、伝えたかったことなのではないでしょうか。 神様は すべてを見捨てたわけではなかった。 少女を大切に想っているが故に嘘をつき、去っていく京介と、 あくまでも京介を愛し続けた少女。 少女の 「愛する人とずっと一緒にいたい」 という願いは 神様によって叶えられた。それは新たな命の息吹。
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