死神の接吻は別離の味
死神の接吻は別離の味 感想

タイトル:死神の接吻は別離の味
メーカー:ALcot シトラス
機種:PC
ジャンル:きっと死神に恋をするADV
原画:風見春樹
シナリオ:おるごぅる
音楽:マッツミュージックスタジオ
OP主題歌
「Le baiser de l'ange-天使のくちづけ-」
歌:Rita
「たいせつな人に遺したいものはありますか?」
小さな海辺の町、日生(ひなせ)。
そこに、ある約束を交わした幼い少年と少女がいた。
強い絆で結ばれたふたりは同じ未来を見つめ、明日がくることを疑わなかった。
3月14日。運命の日。
少年は自らの想いを伝えようと、少女を海に誘っていた。
だが不慮の事故により、幼なじみだったふたりは想いを言葉にすることなく死別してしまう。
それから年月が経ち、少年は少女との思い出が残る土地で今日を生きていた。
忘れられない人、でも忘れなくてはいけない人。
主人公・天宮 誠(あまみや まこと)は、私立八潮学園の2年生。
誠は近所のレンタルビデオショップでアルバイトをするかたわら、
同じ学園に通い始めたひとつ下の妹・雫(しずく)と平穏な毎日を送っていた。
そんなある日、誠はひとりの不思議な少女と出逢う。
琥珀(こはく)と名乗った少女はその手に巨大な鎌を持ち、瞳には深い碧を宿していた。
「あなたには、私の姿が見えるの?」
周りの人間は、琥珀の存在に気づかない。気づくことができない。
「そう。あなたも、もうすぐ死ぬのね」
少女は、死神だった。
【天宮 誠(あまみや まこと)】
幼馴染の日和を亡くして、心に傷を負っている主人公
モテモテタイプ
【新島 ほのか(あらしま ほのか)】
誠のバイト先である、レンタル店"ここのか"を経営するオーナーの娘。
しっかり者で誰にでも優しく、クラス委員長も務めている。
父親からは「お前ら、さっさと結婚しろ」とうるさく言われ、
付き合ってもいないのに誠と公認の仲にされている。
無節操な父親の言動にあたふたすることもしばしば。
よく店の手伝いをしているが、 アダルトコーナーにだけは近づけない。
【天宮 雫(あまみや しずく)】
主人公である天宮誠の義妹。
義父の連れ子で、親の再婚当時は誠を兄として受け入れていなかった。
現在も口数はさほど多くないが、暇があればお兄ちゃんの部屋に来て、
ベッドを占領しながら女性誌を読んでいたりしている。
「お兄ちゃんはわたしがいないと何もできない」と家事をこなしつつも、
自分の生理用品などは兄に買わせている。
誠のバイト先でホラー映画ばかり借りていくが、
臆病で、お兄ちゃんと一緒じゃなければ観られない。
【琥珀(こはく)】
自らを死神と名乗る少女。
他の人間はまったく気づかないが、誠だけはその姿を見ることができる。
殺人現場で巨大な鎌を手に佇んでいるところを誠に目撃され、
それ以来、頻繁に姿を現すようになった。
ほとんど感情を表に出さず、何を考えているのかわからない。
誠の部屋は居心地がよいらしく、いつの間にか住み着いてしまう。
誠がお風呂で体を洗っているのを、じーっと見るのが好き。
だが、股間に向けられるその眼差しは冷たい。
【ミルフィ】
死神の使い魔。
琥珀のお目付け役として、いつもそばにいる。
人間の言葉を話すことができ、一応はメスらしい。
使い魔と言えば黒猫!という固定観念があるらしく、
白猫である自分にコンプレックスを感じている。
【十六夜(いざよい)】
死神。琥珀を自らの後継者として育てている。
常に冷静で、淡々と死者たちの魂を「在るべきところ」へ導いていく。
慈悲の心などはなく、琥珀に対しても厳しく接する。
神出鬼没で、突如現れては意味深なことを言い残していく。
【里中 凛(さとなか りん)】
ほのかの親友で、誠のクラスメート
どこにでもいる普通の女の子で、照れ屋さん。
ある日の放課後、誠を呼び出して告白をするが…
一応言っときますが、18禁のゲームです。(また同じ出だしか
なのでえちーシーンがあります。
妹の雫が可愛すぎます。これに尽きます。
選択肢が1つしかないのでゲーム性はないです。
完全ノベルと思ってやった方がいいでしょう。
ほのか、雫、二人のルートをクリアすると
琥珀ルートに進めます。
あと話が長くないです。たぶん短い方。
それでも時間にすると結構ありますが。
今回はネタバレしまくりです。一応ご注意を。
「たいせつな人に遺したいものはありますか?」
「たいせつな人の死を受け入れることができますか?」
たぶんこの辺がテーマだと思う。
ライターの伝えたい事はなんでしょうか。
誠は琥珀ルートの際、身辺整理をした後、十六夜に願ったのは、
日和を人間とした後、自分に関する記憶を無くして欲しいという願い。
自分を忘れて、他の人と幸せになって欲しいという事。
幼い日和が海の事故で誠を救った時に願ったのは
誠に死んで欲しくない。
そして自分が死んだ後、誠には生きて違う誰かを幸せにしてほしかった。
図らずも同じ願いを持ったわけです。
自分が死んだ時、最後にたいせつな人に遺したい物はなく、
むしろ大切な思い出が残った事で、自分が死んだ事が辛いのなら
それを忘れて幸せになって欲しいということ。
十六夜が最後に伝えた事は真実である。
残された人間がどう思うのかを誠の死の際、幼い日和は考えなかったということ。
自分の欲求を優先したという事を。
幼い日和が誠の死に対して思ったことは
誠に死んで欲しくない。助けたいという気持ちのみ。
だから自分を代わりにしてもいいから誠を助けて欲しい。
誠が死んだら、残された自分は辛くて生きていけない、
では誠はどうなのか。自分が死んだ後、誠がどう思うか。
それを考えなかった日和。
残酷に言えば、残された人間がどう思うか、という事を
誠に押し付けたのである。
そして生き残った誠は日和の死が受け入れられず、空虚な人生を送る。
自分のせいで日和が死んだという重圧に潰されず、
生き続けられたのは雫の助けが大きかっただろう。
では、それを踏まえた上で、今度はどう選択するのか。
死を受け入れるのか、受け入れないのか。
それを十六夜は問いかけている。
十六夜の提案とは、
死神の接吻は、自分の力を相手に与える事ができ、
与える側は死神としての力をすべて失う。
死神の力を誠に送り、誠を死神とする事で助けた後、
誠の魂を受け入れる事で、自分は人間に戻れる。
二人が助かる素晴らしい提案に見える。
だが日和の選択は、誠を死神とせず、
誠の死を受け入れるというものだった。
ここで異論も多いと思う。
生きていれば幸せになるチャンスは必ずあるという考え方だ。
死とは喪失であり、死んですべてを失うよりは死神となったとしても
生きてさえいれば幸せになれるかもしれない。
日和の選択は愚かに映る人も多いでしょう。
日和は十六夜の力で人間に戻り、人間としてのキスを誠にする。
死を受け入れ、涙の味がする誠との別れのキスを。
さてこうしてみると『死神の接吻は別離の味』
というタイトルであるにも関わらず、
死神としてのキスはしていない不具合に気づくでしょう。
日和が最後にしたキスは人間と人間のキスなのですから。
でも自分はこう思う。
死神が人間を在るべき場所に送るという行為は、
『死を受け入れ、その人間に別れを行う』という事と同義であるという事。
日和の『死を受け入れ、別れを行う』最後のキスは
まぎれもなく『死神の接吻』だったと言えるでしょう。
二つの魂が空に上っていくEDの後、
日和と誠が海岸の事故直後に戻り、
誠が日和に対して、自分の想いを伝えます。
そんな夢を見たんだ的な夢オチですか?
過去に戻ったの?とも思いましたが、
死を受け入れるという最後からだとそれは薄い気がします。
二人とも助かる運命もあるのだとすれば、
作品のテーマからかなり外れてしまうでしょう。
ED後タイトル絵も変わり、海岸線を二人の子供が歩いているCGが表示されます。
魂の在るべき場所に行ったという考え方がもっともしっくりくると思います。
真相はわかりませんが・・・。
まあ二人とも助かり、幸せになりましたというEDだとしても
納得できるという罠でもあるのですが。
一応他のルートの話を少し。
>>ほのかルート
凛が不遇すぎます。もうちょい救済あってもいいよね?
でも誠とほのかという友人が近くにずっといれば
いつか彼女も幸せになれると思う。
ほのかの父はこう語る
妻を幸せにできなかった、ほのかがいなかったら自分の命を絶っていた。
ほのかがいたから生きていけた、だからお前は幸せになれ。
そんなオーナーの願いがあるにもかかわらず、
死神が見えるようになっていたほのかは自分の死を受け入れ、
せめて生きている間は、精一杯誠を愛そうとした。
身代わりになろうとする誠を制し、
自分の命よりも誠の命を優先した。
わたしは誠くんのことをいっぱい愛してあげられましたか・・・?
最後に誠は大切な想いをほのかへ言葉という形にして伝える。
ほのかルートのテーマは
想いは形にしようということでしょうか。
>>雫ルート
誠が生きてこられたのは雫の力が大きかったといえる。
たいせつな人がいるから生きてこられた。
雫ルートの最後の雫の台詞より
死神が見えるようになるのって本当はいいことなんじゃないかって・・・。
自分が死ぬってわかったら、
たくさんのやり残した事に気づけるから。
お兄ちゃんの妹になれてよかった。
でも今まで言えなかった。
当たり前のようにずっとお兄ちゃんの妹でいられると思ってたから
いつか言えばいいって後回しにしてた。
「わたしのことは忘れて、幸せになってほしい」
雫、日和の思いにたいして誠はこう答える。
「忘れられるわけがない、日和や雫のことを」
「たいせつな人を、忘れて幸せになんかなれない」
だからずっと覚えているんだ。
たいせつな人を忘れなくても、僕は、幸せになれる。
さてこう長々と書きましたが、自分の感想を。
死を受け入れる、受け入れない、うんぬんの話は別として、
人の死はいつ訪れるか分からないという事です。
、
誠も日和も雫も大切な人に伝えなければいけない想いを
口にだしてしっかりと伝えた。
あした必ず会えるとは限らないから。
それこそ里中凛の兄のようにストーカーに刺されたり、
車の事故で死んだり、いつどこで死んでしまうか分からないから。
でもたぶん自分は死を受け入れられないと思います。
そんな強くはなれません。
だからこそ伝えられなかったという想いを残さないよう、
後悔することのない様、自分の気持ちは形にしておかなければと
最後に思いました。
彼女・友人・両親・兄弟
そういった人も永遠に健在とは限らないですからね。
自分の大切な人に想いをたくさん伝えて
自分の精一杯の事をしようと。相手がいなくなったとしても、
また自分がいなくなったとしても、後悔しないように。
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