「……だから、アリオスにもあげるね」

満面の笑みと共に差し出されたキャンディを凝視しつつ、
『今、これを口の中にいれなきゃならないのか?』
と思うアリオスを誰が攻められよう。

にっこり笑うメルを前に、覚悟を決め、
「サンキュ」と口に放り込む。

当然、口内を襲う 甘いミルク味と
「美味しいでしょう?」と聞いてくるメルに
苦笑しつつ、アリオスは家路につく。

 
 
 

* * *

 
 
 

「どうしたんだ?これ」

差し出されたピンク色の包みを不思議な顔で眺めていたオスカーは、
もっともな問いを口にする。


「メルがくれたんだが…1個で十分だ…」

口の中の甘味が、よっぽど気に入らないのか
いつもに増して ぶっきらぼうに答えるアリオスを笑いながら、
受け取った包みを開ける。

口の中に放り込むと、甘い香りと共に、懐かしい味が広がる。

 

「…甘いな」と、笑うと

「だろう?」と、眉間にシワを寄せる。

 

そんなアリオスの首に腕を回して、
わずかに残った 甘いカタマリを、口伝に彼に返す。



突然の行動に、面食らったような顔が
その甘さに歪むのに、にっこり笑って応える。



今日が何の日かは知らないだろうアリオスが、
【今日、キャンディをくれた】
という事が、何かの符号のようで嬉しくて…

 
 
 

* * *

 
 
 

「あのね。今日はね、好きな人にキャンディをあげる日なの。
メル、アリオスのこと好きだから、アリオスにもあげるね」
 
 
 





一応、バレンタインの続き…かもしれない
解説無しにはわかり辛いですが、何が言いたいかっていうと
【アリオスはホワイトデーを知って、オスカーにキャンディ渡してます】ってコトで…