昔々、あるところに一人の少年がいました
少年はいつも空を見上げていました
全てを見通すその少年は
全てを諦めていて
信じれるものが何も無く
少年は空だけを信じていました
ある日少年が
いつものように空を見上げていると
一人の少女が降りてきました
少女は
世界を駆ける白い翼を持っていて
世界を見通す灰色の瞳を持っていました
少年と少女は
仲良くなり
互いだけを信じ
互いを理解しようとしました
ある夜に大地が大きく揺れて
少女は怯えました
空には揺れるということがなかったからです
そのとき少年は仕事をしていて
少女の側にいませんでした
怯えた少女は
揺れることのない空へと帰っていきました
次の朝
少年は少女がいなくなったことに気がつきました
少年は少女を探しましたがどこにも姿がありません
途方に暮れた少年は少女が降りてきた場所で
一枚の白い羽を見つけました
それで少女が空へと帰っていったことに
少年は気づきました
それから少年は
空に白い羽と灰色の瞳を探して
今も空を見上げています