私はここにいるから


想いを重ね合わせたあの人は

ときどきとても遠い目をすることがある

誰よりも愛しい彼はいつも静かに微笑んでいて

それでも

ぽつりとこぼれる一言は

愛情と安らぎに満ちているから

彼の想いもまた私と同じなのだと信じることができる

それでもその胸の奥

見えない心を引き出して

こちらを見ろと叫びたくなることがある

何か不安があるのなら

痛みをかかえているのなら

その心ごとあたためたいと願ってしまう

とても綺麗なあの人は

どこかとても儚くて

抱きしめるこの腕を 絡める指を

こぼれてしまいそうで怖くなる

よりそって

ぬくもりをわけあって

いつかすべてを 私にあずけて―――――――


FIN