戦いの始まり・・・ネクロス・ブロウバッド・・

この世界、確かなものなんて、何も無い。
あるとしたら、それは強さだ!
俺は強くなりたい。運命さえもねじ伏せるほど、強く!
そして、自分がどれほど強くなれるのか、確かめたい。
そう、思っていた…。

彼女は笑う。いつも側に居てくれる。
何よりも大事な存在。だから、不安になる…。
「なあ、葵?お前はどうして俺のそばにいてくれるんだ?
お前の親父さんたち、まだ反対してるんだろう?」
彼女は笑う。
「それはね、あなたが強いから♪」
俺は、不安になる。問い掛ける。
「俺の強さが好きなのか?」
彼女は微笑む。
「あ、強さって言っても力とか、そういうのじゃないのよ。心、気持ちの強さかな?
心の強くない武道家なんてただの怪物ですもの。あなたは、力と心、どちらも強い。
だから好きなの。」
俺は彼女を抱きしめる。
「俺は強くなる。だから、側に居てくれ。俺が本当に強くなれるようにそばに…」
彼女は俺の背に細い腕を回す。
「ええ、側に居るわ。あなたが、あなたである限り。」
彼女を抱きしめる時、彼女の腕を感じるとき、俺の不安は消える。
俺は強くなれる。こいつが、側に居てくれるかぎり…。

4月始め。
年が変わって最初の大会の日、柊・葵は恋人である大柳・忍の出場する武道大会の
応援に来ていた。平日、大学の講義はあるが彼女曰く「自主休講」
大丈夫かと、少し心配する忍を尻目に葵は、甲斐甲斐しく忍の世話をし、応援をした。
そんな葵に忍は、無様なところは見せられないと、当然張り切り、結果満足のいく
成果を残したのだった。
大会後、二人きりで祝杯をあげ、帰路に着く。
葵の両親にはまだ交際を反対、とまでは行かなくてもいい顔されていないのは解っているので
せめて誠意を見せようと、忍は門限までに必ず、彼女を送って行っていた。
 
「葵?どうしたんだ?その手。」
葵はああ、と自分の右手の甲を見た。不思議な痣のようなものが鈍く浮かんでいる。
「何時の間にか出てきたのよ。どこかにぶつけたのかしら。まあ痛くないからいいんだけど。」
「気をつけろよ。おまえ、おっちょこちょいだからさ。」
「ひど〜〜い♪」
晴れやかに笑う葵を、忍は後ろからそっと、包み込むように抱きしめた。葵も肩越しに優しく
忍を見つめ、身を任せる。

夕暮れの空、烏や鳥たちが自由に空を舞う。そんな様子を忍の腕の中で見つめ、葵は静かに呟いた。
「鳥はいいわよね、誰にも束縛されない。自由で。私も、鳥のように自由でありたいなあ。」
その言葉に、忍は葵を抱く手に力を込めた。少し困ったような顔を見せる忍は子供のようだ。、
「俺は、おまえを捕まえていたい。共にありたい。お前は違うのか?」
くすっ。葵は吹き出すと、いいこ、いいこ。子供をあやす様に忍の頭を撫でた。
「私はね。自由であなたのそばに居るの。あなたの側でこうしていることが、私の望む自由なのよ。
みんなが、自分の意思で、相手を思いやりながら生きられる。そんな自由が、私は…好き。」
微笑む葵を、忍はもう一度強くかきいだき、そしてその唇に優しく口づけしたのだった…。

「あ、ここまでで良いわよ。また父さんが怒ると怖いし。家、もうそこだしね。」
葵は住宅街の曲がり角で手を離した。ちょっと走り出し、ふりかえり、もう一度忍に微笑みかける。
バイバイと手を振る葵に、忍もちょっと肩をすくめたが微笑んで手を振り返す。
試合場の忍しかしらない人が見たら、卒倒するような優しい笑顔。
「じゃあね、忍。バイバイ、大好きよ〜〜!」
素直な言葉に忍は顔を赤らめると、ポケットに手を入れ口笛を吹きながら家へと帰り始めた。
後に忍は後悔する事になる。なぜ、あの時、ちゃんと家まで送らなかったのだろうか。と…。

葵は家の扉を開けようと、カバンの中をまさぐる。あったと鍵を取り出したとき、
自分の右手の不思議な痣に目がとまり、もう一度じっと見つめた。まるで何かの紋章のような…痣。
(ホントになんだろう。変な痣?)
その時、背後から葵に覆い被さるように影が近づく。
「えっ?」
振り返るそこには、純白の天使と、不思議な鎧を身に着けた若者が、無表情で立っていた。
「魔皇の紋章を持つもの。神帝様の名のもとに捕縛する。」
意思の無いような彼の声に、不思議な天使の歌声に葵は抵抗する間もなく、心を手放す。
「・・・し・のぶ。」
彼らは落ち崩れた葵を肩に担ぐと、いずこかへと消えていった。

その様子は誰に知られることもなく、誰に見られることもなく…。

その日のニュースはすべての局が、突然、東京の天空に現れた巨大神殿について報じた。
神殿から現れた意思は、自らを「神帝」と名乗り、世界中の政府に自らの門に下るべしと
告げたという。
「アホらし!何が神だよ。」
稽古から上がったばかりの忍はテレビを見ながら一つあくびをした。
彼には神なんて、どうせおとぎ話、そんな認識しかない。どうでもいいことに思える。
ジリリ〜。
旧式の電話が彼を呼ぶ。周囲には父母も居ない。忍は電話に近づき、無造作に受話器を取った。
「はい、大柳。あ、おばさん。どうしたんです?」
葵の母からだった。珍しいな。そう思いながら忍は問うた。次に彼女が発する言葉に凍りつくまで。
「葵が、帰らないの!行方不明なのよ!!
 
葵は玄関前にいくつかの持ち物を残したまま、忽然と姿を消した。
忍、両親、友達、周囲の人間達が必死になって探すが、まったく行方が掴めないまま
数日が過ぎようとしていた。
その間に世界各国は神帝軍の力に屈し次々と「支配」を受け入れた。
最初に神殿が出現した東京、いや日本は真っ先にその軍門に下った国だった。
無理はない。神殿から現れた天使、聖鍵戦士、神機巨兵の神々しさ。

そして、指一本で一つのビル、一つの街、一つの山を消し去る神帝の力の前に抵抗など
無力と悟るしかなかったからだ。
神に選ばれた聖鍵戦士の率いる神帝軍が、すべての町々に現れた頃。
多くの人々が、それを受け入れはじめた頃。
「それ」は彼らに届けられた。

「葵!!」
母親は泣き崩れ、父は呆然と立ち尽くし、忍は…怒鳴りつけた。
「どうして!どうして葵が死ななけりゃならないんだ!!」
彼らの前に現れたのは、棺。その中にはまるで眠ったように横たわる葵の姿があった。
だが、その頬は白く、二度と…目を覚まさない。
「このもの、魔皇、神に反逆する魔のもの。そのため神の名のもと粛清された。亡骸を家族の
元に返されたのは神のご慈悲。埋葬し、以後このようなことが無きよう祈るが良い。」
無表情で告げる聖鍵戦士は、それだけ言うと立ち去ろうとする。
「待てよ!それだけかよ!なんで葵が!!!」
忍は殴りつけるように、聖鍵騎士に飛びかかった。だが、指一本触れることかなわず、
バン!!
激しい音と共に地面に叩きつけられる。何が起きたのかわからないまま忍は地に伏す。
「神の意思は絶対だ。逆らうことなどできぬ、許されるぬと知れ。」
口元から血を流し、それでも睨みつける忍を聖鍵戦士は見下すとマントを翻し去っていく。
くすっ。後につき従う導天使は小さく、あざ笑うかのように微笑むとその後につき従った。
追う事もできず、忍は地面に拳を立てる。
「どうして!どうして!!!どうして!!!」
振り絞るような呻き声、涙、怒号。そのどれでもない叫びが天を貫き、消えていった。

葵の葬儀後、忍はしばらくの間部屋から一歩も出ない生活を続けた。
身の周りの何を見ても葵を思い出すのだ。
心が引き裂かれそうな痛みを、彼が乗り越えたのは父母と、何より葵の両親の言葉だった。
「君が苦しみ続けることを葵は望まない。」
自分達の交際を反対していたはずの、葵の父からの言葉に、忍はなんとか前を見る
勇気を得たのだった。
だが、悲しみも、苦しみも消えはしない。
その心の行き場を忍は「神帝軍」への反発へと変えていった。
しかし、葵の死後一週間。最初はその無慈悲で理不尽な仕打ちに怒りを見せていた世論、
友人、知人達が知らぬ間に、
「それは仕方が無いこと。」
と受け入れてしまっていたことを忍は驚いた。
さらに世界中が変革し、すべての人為的な事象はすべて神帝の支配下に置かれている。
繁華街やダークサイドはその姿を消し、それに伴い「格闘技」を求める人間も、その技を
示す場も極端に減って、いや、武道家そのものも急速に減っていったのだ。
人々は、神にすべてをゆだね、その指示に従う。戦争も争いも無い安寧の世界。
それに、忍は反抗した。ネットや、格闘家のつてを使い、神帝軍に反旗を翻そうとする。
忍、いや、その名も捨てた。葵の死と共に。
彼はネクロス・ブロウバットと名乗りいつか、葵の敵を打つこと、それだけを願い
活動を続けていった。

だが・・・。

「俺を、俺を離しやがれ!!」
雷のような怒号も耳に入らないかのように、兵士達は歩き続ける。
ネクロスの腕には頑丈な手枷が嵌められている。横には聖鍵戦士、上には導天使がついて彼の
反抗を封じ込めている。
葵の死から約一月、ネクロスは神帝軍に捕縛される身となったのだ。
不思議なことに、彼らはネクロスが反旗を示したことで捕まえたのでは無いらしい。
「魔皇狩り」
彼らはそう言ってネクロスを捕らえた。葵を死なせたあの戦士もそんなことを言っていたのだが
その意味を今の彼は考えられなかった
(俺は、負けた!捕まったんだ…。)
稽古中、自分自身の体調も万全に近かった。でも、彼は負けた。
物心ついてから今まで、ひたすらに追い続け、身に付けてきたと思っていた力は、神帝軍
いや、聖鍵戦士と導天使には欠片たりとも通用しなかったのだ。
2度にわたる徹底的な敗北は彼の心を沈ませていた。
だが、彼の心はそこで泣き続けてはいない。悔しさが、怒りが彼の心を燃え上がらせる。
(力が、力が欲しい!!誰にも、神にも負けない力が、欲しい!!)
「あげようか?」
えっ?
不思議な声に、ネクロスは顔を上げた。見ると自分を取り囲んでいた兵士達はなにやら
騒然となり、何かを追いかけている。
あれは?少年?
大きな鎌を振りかざし、信じられない素早さで、駆け抜ける若者がそこにいた。
神帝軍の兵士達を蹴散らす彼と、ネクロスの視線が一瞬クロスする。真紅の瞳。
その時、ネクロスは聞いたのだ、あの時の不思議な声を。
「力をあげようか?神にも負けない力を…。」
目の前の若者が自分に向けた言葉だと、ネクロスは気付いた。シンパシー、テレパシー
そんなものより、ダイレクトに彼の言葉は自分に迫ってきた。
「君は、魔皇になれる。神を倒すもの。神に逆らうもの。どうする?力をあげようか?」
それは、まさに悪魔の囁きだったかもしれない。
でも、ネクロスは躊躇わなかった。躊躇わず、頷いた。
「力を。俺にあいつらと戦える力を!!」
黒い稲妻が、彼を撃つ!
その反動で吹き飛ばされた兵士が、聖鍵戦士が、導天使が再び目を開けた時彼らは
見ることになる。
手枷を引きちぎり、立ち上がる、紅き魔皇の誕生を…。

「これが、魔皇の、力…。」
自分を捕らえていた兵士達を無意識の間に、ネクロスはほぼすべて屠っていた。
我に帰ると彼は自分の手を見つめしばし茫然とする。
「どう?魔皇の力は?」
横に舞い降りた死神のような若者に、ネクロスはいきなりパンチをみまった。
「おっと!」
ひらりと身をかわした若者は、驚いたような表情でネクロスを見る。
「いきなりなにするんだい?ボクは君を助けたのにさ。」
「うるさい!力は欲しいと言ったがこんな化け物にしろと誰が言った!!」
ブンッ!もう一度放たれたパンチを若者は、かわすと少し離れたところに立って
ネクロスを見つめた。
(彼は、戸惑ってる…。)
武道家であるがゆえに、自分が得た力をネクロスはよく理解していたのだ。
絶大な…力。人間を超えた強度を持つ肉体。
自らの努力と意思で身体を鍛えてきた長い年月の努力を、その力は一瞬で超える。
俺がしてきたことは、一体なんの意味があったんだ!
「力」を得ることを望んできた自分が馬鹿に見えて、魔皇の力に、化け物のように
なった身体に、それを望んだ自分自身に今、ネクロスは深い嫌悪感を抱いていたのだ。
若者は深くため息をつく。
そして、肩に担いでいた鎌を翻すとスッとネクロスの前に差し出した。
「自分自身とよく話して決めてくれ。魔皇として生きるか、ここで人として死ぬか。
君が生きることを拒絶するなら、ボクは責任を持って、君を天国に送ってあげるよ!」
その言葉に、ネクロスは答えを出そうとした。葵のところへ…。
だが、彼はそう言えなかったのだ。いや、言わせなかった人物が居た。誰であろう
ネクロスの心の中に…。

(葵…)
心の中の葵がネクロスに語りかける。
(あなたはここで逃げてしまうの?こんなところで人生や夢を捨ててしまうほど弱い人だったの?)
ネクロスは答える。
(だが、化け物になってまで…。)
(いいえ、本当の化け物は心を失ったもの。あなたはちゃんと心を持っているわ。)
(…だが…。)
(私は、生きて居たかったわ。自由に生きてあなたの側に。あなたは違うの?
死んでしまってもいいの?)
(…いや、生きていたい。まだやりたいことはたくさんある!!)
(なら、生きて、どんなに辛くても、私の分まで、自由に…。)
(葵!!!)

「答えは出たかい!」
声は意識を現実に戻す。
ネクロスは瞬きをして、目の前の若者を見た。彼は自分を真っ直ぐに見つめている。
さっきは気がつかなかった…。その瞳の持つ意志に。
「ああ。」
ネクロスは小さく笑うと、目の前の鎌に手をかけ、そっと下ろさせた。
「すまなかったな。八つ当たりをした。」
「それなら!」
若者の顔が晴れやかな光を帯びる。ネクロスは頷いた。
「俺は、魔皇として生きる。神と戦う。葵が望んでいたように自由に。
そして取り戻す。葵が何よりも愛していた自由を、自分の意思で相手を思いやれる自由を
取り戻すために!!」
手を握り締め、誓うネクロスを見つめる若者の顔は、安堵と喜びに満ちていた。
もし、彼が死を選ぶなら自分の運命も終わりにする。
自らの魔皇を失った生などなんの意味も無い。そう思っていたから…。
「行くぞ!奴らに俺を捕まえてくれた借りを返さなきゃならん!」
ネクロスは走り出そうとして、ふっと後ろを振り向いた。
「そういえば、お前は俺についてきてくれるのか?」
自分をちゃんと見てくれた、そのことが嬉しかったのだろう。若者は弾けるような笑顔を見せた。
「ああ!ついていくよ。僕は君の逢魔。魔皇に従い共に生きるものだからね!」
彼の答えにネクロスは満足そうに笑う。少なくとも自分は一人ではないのだ。
「解った!行くぞ。俺はし、いやネクロス。ネクロス・ブロウバットだ。お前は?」
言葉が終わるか終わらないかの内に駆け出すネクロスを追いながら、若者は告げた。
「僕はビスト!」

二人は、駆け出した…。

ネクロスは、空中神殿を抜け出した後、一度だけ家に戻ることにした。
別れを告げるためだ。家族と、自分の夢に…。
部屋で黙って荷物をまとめたあと、道場に入る。
夕闇に沈みかけた道場は、あたりに道具達の長い影を落とす。
なじみのものたち、すべてが見知ったもの。心休まる場所。
ネクロスにとって、道場こそが自分の生きてきた場で生きていくところ。
夢の結晶そのものだったのだ。
道場の後継ぎとならなければならなかったはずなのに、父はそれを自分に強制はしなかった。
それどころか、異種格闘技を認め、学ぶための場まで用意してくれた。
だからこそ、夢を追いかけたかった。自分がどこまで強くなれるかを試し、いつか世界の
格闘王になる夢を。葵と共に…。
夢を振り切るように首を振るとネクロスは、荷物を肩に担ぎ歩き出そうとした。
「どこに行く!」
もう一つ、耳に馴染んだもの。ここで聞き続けた父の声が耳に届くまでは。
届いた瞬間、彼は振り向いた。
「親父、お袋・・・。」
「どこに行く!」
ネクロスは、説明しようとした。だが、言えなかった。
ただ、真っ直ぐ二人を見て、こう言った。
「俺が、するべきことをしに。」
「そうか…。」
父も、また真っ直ぐにネクロスの瞳を見た。彼の前では心は、忍に戻る。
そして、言うべきことはちゃんと伝わった。と忍は、ネクロスは確信していた。
父は、もう止めないだろう。ネクロスはもう一度荷物を担ぎなおした。
「忍。」
隣に立っていた母は、優しく彼の名を呼んだ。
「身体にだけは気をつけなさい。」
返事の代わりに二人に向けて深く、最敬礼をするとネクロスは荷物をかついで道場を出た。

建物の外ではビストが、壁に背をつけて待っている。
「いいんだね。もう。」
「ああ、行くぞ!」
ネクロスが最後に振り返った道場はの空は、葵と最後に解れた時と同じように赤く染まり
鳥たちが自由に空を舞っている。
だが、そこにはあの時、確かに存在していなかったものもあった。
鳥の道さえも閉ざす空中神殿。
「いつか、ぶっ潰す!!」
こぶしを握り締め、彼はそのまま歩き出した…。


強く、どこまでも強く。
俺は求めて生きる。魔皇になっても俺は俺。
強くなってみせる。
すべてを守れるくらいに、強く…。
俺の力は、その為にあるのだから。
だから、俺を見ていてくれ。葵。
俺が、本当の化け物にならないように…。

ビストは言葉にならない声で感謝を告げた。
「失われし魔皇よ。ありがとう。ボクの魔皇を守ってくれて。」
彼には見えていた。おそらく一番最初の魔皇。
逢魔さえも間にあわなかった悲しい宿命の彼女。
彼女は導いてくれる。僕達を…。
だから、ボクも君に誓おう。どんなときでも守り抜いて見せる、と。
君の愛した自由を、そして、魔皇を…。


「はあ〜、賑やかだな。逢魔の結界って街だったのか?」
「そうみたいだね(前はこんなじゃなかったんだけど、いつの間に…)」
二人はとりあえずの居場所を結界の中に求めた。
ビストは勝手知ったると蒼嵐の結界を勧めたが、その中は数多くの
魔皇たちの作った部屋で一つの街のようになっていた。
「どうする?ネクロス。君もジムでも作るかい?」
ぐるぐると鎌を弄ぶビストの顔を、周りを見比べた時、ネクロスは
ふと、何かが目の前を過ぎるのを感じた。
(なんだ?今の?)
影を追ったその先に小さな看板があるのに気がつく。
気をつけなければ見落としてしまっていたかもしれない。
「よし!ここに行ってみよう!」
「そこ?いいよ。」

二人は小さな門をくぐり抜けた。
 
その部屋で彼らは、全開で大暴れする。
時に笑い、時に戦い、命の輝きをその部屋で瞬かせる。
友と、仲間とともに…。

彼らの未来は、修羅か獄炎か…。

だが、彼らはもう、立ち止まらないだろう。

「魔皇」が、「月」が彼らを導く限り…。




オリジナルノベル ネクロス・ブロウバッドさんバージョンです。

正直な話、最初のネクロスさんとの最初の出会いが強烈で
ここまで深い思いを抱いているとは思えなかったんですよ。
(失礼しました。)
でも、それぞれが、それぞれの思いを抱いている。
それが伝わればいいと思います。

いつものことですが、書かせて下さってありがとうございます。

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