プロローグ

 

kingdom’s peace 〜王国の平和〜

 

 

 

ミドガルド大陸に存在する超巨大国家「ミドガルド王国」

広大な土地を駆使した豊富な国力で、栄華を極めたこの王権国家の象徴。「王都プロンテラ」

知的で優雅さを兼ねそろえた外観は、ミドガルドの栄光の象徴であり、王の権力の象徴でもある

その街の最も北に位置する、一際その存在感が大きい城。プロンテラ王の居城「ルーン・ハイデルベルク城」の一室

巨大な丸テーブルにイスが12脚用意され、それぞれの席にはそれぞれ12人の男女が座っており、その顔ぶれにはバラつきはあるものの、皆がオートクチュールの高級な服を着て、皆が高貴な雰囲気を醸し出している

ミドガルド王国最高権力会「賢老会」

それが彼らの名前であり、名誉でもある

ミドガルド王国の意思決定機関であり、時に国王の政治を代行する、文字通り最高の権力を持った集団

その面々が一同に会する事は年に一回の「年度方針会議」の時だけなのだが、今回は毛色が違うようだ

皆が皆、神妙な顔つきで、目の前の紙切れに真剣に視線を走らせている

「つまり・・・どういうことなのかね?モルターヴェン卿」

丸テーブルの丁度中間部分に座っている、頭が禿げ上がり、黒ブチメガネを掛けた60代ほどの男性が、自分の目の前に座っているプラチナゴールドの滑らかな長髪を持つ20代半ば程の女性に、少々、苛立たしく問いただした

「と・・・言いますと?ヴォーゲン卿」

「だから、一体どういうことなのかね?と聞いている。こんな資料だけでは現状を把握できるはずも無いだろう」

「しかし、これが我々に判り得る最高の情報です。それ以上の事は・・・」

「最高の情報・・・ねぇ」

今度はヴォーゲンと呼ばれた男の隣に座っている、30代前半ほどの赤い髪を持った男が口を開いた

「ネーブル卿・・・何が言いたいのですか?」

「早急に用意した資料と雖も・・・グラストヘイムが封鎖された事実以外は何も記されていないではないか。我々が知りたいのは、現状ではなく何故閉鎖されたのかという『理由』だ」

資料をテーブルに置き、指を絡ませながらモルターヴェンと呼ばれた女性に視線を向ける

女性は一つ溜息を付き、そして、目の前に置かれているグラスの水をグイと飲み干す

そしてグラスをテーブルに置くと、彼女から見るとやや左側に座っている赤毛の男性に向かって

「判りません」

と、言った

「・・・は?」

「ですから、判りません」

「ふ、ふざけるな!!」

その発言に声を荒げたのは、彼女の目の前に座っているヴォーゲンであった

「一つの都市が封鎖されたのだぞ!?しかも、謎の権限によってだ!!我々が感知できない権限など・・・」

「あるではないですか」

「な・・・」

彼女のそっけない言葉に、賢老会の面々は凍りついた

いや、彼らはわかっていた筈だ

自分たち賢老会の持つ権限を凌ぐ権限でグラストヘイムは封鎖された

自らの権限を凌ぐ権限を持つ者はただ一人

「まさか・・・」

「そうです・・・グラストヘイム封鎖を決定したのは『国王勅令』によるものです。早急な原因究明をお望みなら、すぐさま国王に対し、謁見を求める事をお勧めします」

彼女は一通り喋り終えると水差しを取り、自分のグラスに水を並々と注ぐと、それをまたグイと飲み干した

そして、彼女がテーブルにグラスを置く頃には、部屋に詰めていた11人の老若男女の姿は跡形も無く消えていた

 

 

 

ミドガルド暦1033年 4月12日

ミドガルド王国の最も西方に位置する都市「グラストヘイム」が国王勅令の下、突如として封鎖され、グラストヘイム住民は街内部に閉じ込められてしまった

ミドガルド王国最高権力会「賢老会」は急遽会合を持ち、グラストヘイム封鎖事件に関して話し合われたが、賢老会メンバーの誰もがこの封鎖事件の現状を把握しておらず、賢老会は急遽国王に対し謁見を申請。賢老会メンバー「クラックス・ルド・ヴォーゲン伯爵」と「ローマン・フル・ゴードン伯爵」と会合を持った

しかし、国王は忽然と姿を消しており、賢老会はグラストヘイム閉鎖理由に加えて国王失踪の原因追及に全力を持って取り掛かることになる

 

 

しかし、結局グラストヘイム封鎖の理由は分からず、グラストヘイム近辺には凶暴なモンスターが徘徊するようになった事が追い討ちとなり、グラストヘイムの現状を知る事は困難になった

そんな中、ミレイユ・フル・モルターヴェン子爵は腕の立つ戦闘を目的とした職業「戦闘職」を急遽募集。グラストヘイム開放部隊「SET(特殊緊急班) セット」の設立を宣言した





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