花、謳う詩 〜九月十五日

 

 高らかに鳴り響くファンファーレ。

 舞散る紙吹雪の中、二つの人影にスポットが当たる。

 シンプルな丸いテーブルと背凭れのついた椅子。

 そこに座っていた少女が明るい第一声をあげる。

「こんばんわー、みんなのアイドル♪ラピス・ラズリと・・・」

「・・・・・・テンカワ・アキトだ」

 ラピス、ぺしっとアキトの頭を叩く。

「もう、アキトったら無愛想過ぎだよー」

「そ、そうか?一応自分のキャラクターを考えたんだが・・・(汗)」

「でも、これは『あったかい君がいるところ』の設定でって言ってたよ?」

「誰が?」

「このHPのダメダメ管理者」

「な、なるほどね(何か毒舌だなぁ)。まあ、内容的にしっかり話をしてくれるキャラじゃないと成り立たないって事だろうな」

「うん、たぶんそーだね・・・ってそだ、アキト今日が第一回目なんだからこのコーナーの内容紹介しなきゃ」

「おっと、そうだったな。そもそもこのコーナは・・・」

「一年三百六十五日、あ、閏年は三百六十六日だね、で、その日の誕生花と花言葉。その花について私達二人が紹介してくんだよね?」

「そ、そうだな。その通りだ」

「ちなみに花言葉については株式会社ブティック社『一年の花ごよみ 365日の花』を出典にしてまーす♪綺麗なお花の写真がついてて読んでて結構楽しいから、興味があったら買ってみてね♪」

「(な、なんかセリフ全部取られてるような)・・・だな。さて、そろそろ花の紹介に移らないか?」

「うん、そだね。でわでわ、今日九月十五日の誕生花の発表でーす♪」

 ラピス、テーブルの下から鉢植えを取り出す。

「じゃーん!!これが今日の誕生花『センニチコウ』でーす♪」

「別名センニチソウだな。ヒユ科の一年草。花言葉は・・・」

 アキト、カンペをちらりと覗く。 

「えーっと・・・『変わらぬ愛情』だってさ」

 その言葉を聞くと同時にラピス鉢植えをさっとアキトの方に差し出す。

 アキト、顔を引き攣らせつつ、

「な、何かな?ラピス・・・(たじたじ)」

 ラピス、無言で更にずいっとセンニチコウを差し出す。

「は、ははっ、く、くれるのか?」

 アキトが恐る恐る受け取るとラピスご満悦の表情で正面に向き直る。

「でも、この花ってちょっと不思議な形してるよね?毛糸のボンボンみたいな感じ・・・シロツメクサとちょっと似てるかな」

「だな。でもラピスが花だって思ってる部分は多分花じゃないぞ」

「えー?でも、じゃあ、この綺麗な赤い色は花の色じゃないの?」

「うん。実は小さな花につく二枚の葉の色らしいんだ」

「ふぇ・・・、じゃ、このまんまるはちっちゃな花と葉っぱが集まったものなの?面白いねー。ところでさ、センニチコウは漢字で書くと『千日紅』だよね。由来とか有るのかな?」

 千日紅の花をつんつんと突っつくラピス。

「うん、それはだな、千日紅の花・・・まあ実際は葉っぱの色なんだけど、その色が長期間保つかららしいんだ。で、ドライフラワーに向いてるらしい」

「ふむふむ・・・そういえば、春と秋に一年二回も咲くんだよね?じゃあ、めんどくさがりやさんもながーく楽しめそうだね」

「・・・そういう問題でも無いと思うんだが・・・あ、そうそう忘れてた。千日紅の英名は『Globe amaranth』だぞ」

「あまらんすって不凋花だよね?んで、ぐろーぶってことは・・・」

「花の形じゃないか?」

「そだね。真っ赤なまんまるの不凋花、かぁ・・・うん、花言葉ともしっくり来るね」

「ああ。・・・そうだ、向いてるらしいしドライフラワーでも作るか?折角ラピスがくれたことだし。(ユーチャリスの私室もちょっと素っ気無いからな)」

「え?え?それって・・・(ぽっ)」

 何やら勘違いで思考が暴走しているラピスを残し、暗転。