私は野原にいた。
目も眩むような金色の野原に。
いつからだろう。
その地に立って誰かを待つのは。
いつ来るのか判らない誰かを待つのは。
いつからだっただろうか………
気がつけば手に剣を持ち、魔物と戦っている自分がいた。
どうしてかも判らず。
ただ闇雲に剣を振るっている自分がいた。
怖い………助けて………
闘いの中ではいつもこの二つの感情がひしめいていた。
いつ死ぬかも判らないのに………どうして自分はこんな事をやっているのだろう………
そういう気持ちを押さえ込みながら戦っていた。
だって私にはそれしかないから。
それしか私の存在意義が無いから。
ダカラ………タタカッテイタ………
だけど……
「あははーっ、ほらー舞!早く来ないと置いて行っちゃうよー?」
佐祐理と出会い……
「おい、舞。早く来ないと置いてくぞ?」
祐一と出会って……
私は変われた。
この二人が変えてくれた。
楽しい事。
嬉しい事。
悲しい事。
くだらない事。
一瞬一瞬の大切さを教えてくれた。
生きる事の楽しさを教えてくれた。
私は………
初めて心から笑う事ができた。
二人のおかげで。
ダカラ………
私の大切な人たちと一緒にいたい。
守られたい。
守って行きたい。
二人がいつも笑顔でいられるように。
「あっ!ほらほら舞ー!ラッコさんが顔出してるよーっ!早く早く!」
佐祐理の笑顔が………
「ほら、舞。アイスクリーム買ってきたぞ。皆で食べようぜ!」
祐一の笑顔が………
変わらぬように………
いつまでも、いつまでも………
「二人とも、待って………」
FIN
今回僕がはじめて挑戦したシリアス物です。
いかがでしたでしょうか?
見ての通り舞の独白なのですが、舞のとっては佐祐理さんと祐一の存在は、あたかも
水と空気のようなものであって、かけがえの無いものとなっています。
その舞の心情を書き出してみました。
今度はもうちょっと長いものを書いてみたいです。