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人形使い 〜 Doll Master

久音が1996年に公開したシナリオ『人形使い 〜 Doll Master』の予告編なのデス。

【壱.運命の糸】

 踊るよ、踊る、人形は踊る。
 くるくるくるくる踊ってる、
 いつまでも、いつまでも …。
 でも、人形は自分で踊りたかった。
 操られるのではなく、自分の踊りを踊りたかった。
 いつまでも、いつまでも …。

【弐.悪夢】

 赤く燃え盛る炎…、2つの瞳に映るのはそれだけだった。
 炎が地を這い、爆煙が空を濁らせ、煙だけが充満していく…。
 人が倒れ、音のない絶叫が響き、無数の死体だけが残されている…。
 血を啜った業火と物言わぬ骸たち…、そんな地獄の中に彼女はいるはずだった。
 見つからない…、焦燥感だけが募っていく。
 助けなければ、救わなければ、
 必死に探し求める自分の声は、…なぜかでない。
 炎に魅入られし雲船『赤き狐(ブラッド・フォックス)』が墜ちる…。

 ―――そして悪夢にうなされる日々が続く…。

【参.ユメ】

 男はこれは夢だということはわかっていた。
 周りには恐怖と不安が凝った闇しかなかったからだ。
 少女を処分するとは信じられなかったからだ。
 確かに声は言った、少女を処分すると…。
 理解できない、できるはずがない。

 …これは夢なのだ。

 少女が泣いていた。
 でも近くに行くことはできなかった。
 そして少女は悲しげに、だが確たる意志をこめて言った。
 『ここに居るとみんなに迷惑がかかるから…』

 …これは夢なのだ。
 これは夢なのだと、男は信じたかった。

【四.満月】

 男は自問していた
 本当にこれでいいのか、…と。
 周りには誰もいない。
 自分で決めるしかないのだ、
 これから自分がどうするかを。
 静けさがすべてを支配する世界…、
 そんな闇夜に満月がきらめいた。
 満月は無音の世界を、静かに、だが確実に迫ってくる。
 白刃がきらめく、
 胸の満月が揺れ動く。
 男はまだ自問していた。
 答えは自分で導かねばならない…、そう思っていた。

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