「へえー、聖地にも、こんな所があるんだ。」ティムカは、
大きく、「スポーツジム」と書かれた看板を、見上げて言った。
「うん、最近できたらしいよ。なんでも、ヴィクトールさん
と、ランディ様が、女王様に頼んだらしいよ。体を動かすの
が好きだからね、あのお二人は、、、。毎日のように通って
いるらしいよ。あと、オスカー様やオリヴィエ様も、美容の
為に、行ってるんだって!そこら辺を走るのと何が違うの
かなあ?僕には、わからないや!」メルは、可愛い八重歯を
のぞかせて笑った。「ヴィクトール様が、、、。」ティムカ
は、小さく唇の端で笑った。
ヴィクトールは、ジムの一角で仰向けになり、10Kgの重量あげ
をやっていた。腕を上げたり伸ばしたりする時、彼の腕や胸の
筋肉がきれいに盛り上がったり、波打ったりするのを、
鏡張りになっている壁の中の自分を見て、彼は満足していた。
汗が額といわず体中から吹き出し、やっと彼は胸元のバーに、
バーベルを置いた。
「お疲れ様です。これ、よかったらお使い下さい。」
ヴィクトールの目の前に、ティムカが白いタオルを差し出した。
「いや、結構。自分のがあるから。ありがとう。」ヴィクトール
は、まるでティムカを避けるように、彼の横を通り過ぎようと
した。ティムカは、「くすっ。」と、笑った。
「何が可笑しい?」ヴィクトールは、ムッとして少年を振り
返って言う。ティムカは、大きな黒い瞳を細めながらなおも
笑いをこらえているように、「だって、そんなに僕のことを
意識してくれているなんて、、、僕、嬉しくてつい。」
「なっ!?」ヴィクトールは、眉をしかめ、感情的になり
つい、大声を出してしまった。
「あの夜の事を、あなたが忘れていなかったんだなーと、思い
ましてね、、、。」ティムカは上目使いでヴィクトールを見上
げると、彼の背中に抱きついた。汗でしっとりと濡れている彼
の背中は冷たく、広かった。ヴィクトールは、なぜか動くこと
ができなかった。あの夜、薬で痺れていた時のように、じっと
たたずんで居る。ティムカは、彼が逃げ出さないのを確認する
と、ゆっくりとヴィクトールの背後から、手を彼のタンクトップ
の中へ入れると、その厚い胸板をまさぐった。
「ああ、、、。」ヴィクトールの唇から思わず、声が洩れる。
ヴィクトールの脳裏にあの夜の出来事が、鮮やかに思い出され
ていった。細い柔らかな少年の指。こんな年端もいかぬ少年に
弄ばれる自分に嫌悪しながらも、落ちてゆく自分を楽しむ自分
がいることに、彼は気づいていた。
「狂っている。」そう心の中で呟きながら、ヴィクトールは、
少年に身を委ねようとしていた。
その時、「よう!ティムカじゃないか?珍しいな。」ジムに
入って来たオスカーが、2人の後ろから声をかけた。
ヴィクトールは、ハッとして、胸に入れられていたティムカ
の手を引っ張り出し、オスカーの方へと去った。
「ええ。ティムカが、オスカー様のように強くなりたいと言う
もんですから、、、。マシンの使い方を教えていたんですよ。」
ティムカは、凄い形相でオスカーを睨んでいたが、オスカーが
ティムカの方に目をやると、いつものように、にっこりと笑い
ながら、「ええ。僕、やせっぽちだから筋肉つけたいなあーて
思ってて、、。でも大変そうだからやめておきます。
それじゃあ、ヴィクトール様。僕はこれで失礼します。」
「あ?ああ。気をつけて帰るんだぞ。」ヴィクトールは、少し
安心したように、ティムカがジムを出てゆく背中に言った。
先にやっていたヴィクトールも帰り、オスカーも、ひとしきり
筋肉トレーニングをすませると、シャワー室へと、向かって
行った。口笛を軽快に吹きながら、シャワー室のドアを開けた。
3つの固定されたシャワーがあり、しきりがしてある。
シャワーの栓をひねると、勢いよく熱いお湯が、彼の顔にかかっ
てきた。「あの、どなたかいらっしゃいますか?」隣から、
声がした。この声は、、、。
「ティムカか?」オスカーが、ひょいと隣を覗くと、ティムカ
がスチール製のハシゴにのってシャワーの部分をいじっていた。
「お前、帰ったんじゃあなかったのか?何やってるんだ?」
「ええ、帰るつもりだったんですけど、シャワー室もある、
て聞いてたから、せっかくなら浴びて帰ろうかな、と思って
浴びてたんですけど、なんか、ここのお湯がでる部分の接触
が悪いみたいで、、、お湯が洩れるみたいなんです。
たぶんこの上部をもっと締めればいいと思うんですけど。」
「そうか、どれ。締めればいいんだな?」
と、オスカーが背伸びをして、シャワーに手を伸ばした瞬間、
ティムカは彼の両手首をピアノ線で、くるくるとシャワーの
管の部分に巻きつけ縛りあげた。
「!?な、なんのつもりだっ!ティムカ、外せっ!」両手首を
上に縛り上げられた格好のまま、足はつまさき立ちで、腰を
捻りながらなんとか手首に巻かれたピアノ線を、ほどこうと
オスカーはもがいた。
「くすっ。もがけばもがくほど、糸が食い込みますよ?」
ティムカは、ゆっくりとはしごから降りると、オスカーの
目の前に立った。そして、無邪気な可愛らしい笑顔を向けると
「あなたが、悪いんですよ?僕とヴィクトール様の邪魔を
したから、、、。イイ所だったのに、、、。また、あの人、
僕のこと恐がって、逃げちゃったじゃないですか。くすっ。」
と、言った。
「お前と、ヴィクトールが?なんだっていうんだ?」
「、、、いいんですよ。とにかく、お仕置きです。」ティムカは
オスカーの腰に巻かれたタオルをはらり、とはがすと、彼の
ものを小さな手の平に包み込んだ。
「ティムカっ?!何をするんだっ?やめろっ!」オスカーは、
片足をあげると、膝蹴りを構えようとしたが、すぐにその気力
は失せていった、、、。オスカーのものが、熱くなり堅くなっ
てきたのだ。少年の細い指先はいやらしく、そして優しく撫で
あげていった。いつしか、オスカーの息もあがってきた。
「もう、、、もうやめてくれ、、、。うぅ。」
「本当に?いいんですか、止めても?」
ティムカは、オスカーのものに舌を這わせた。
「あうっ、、、う、、、う、、、。」
「さすが、遊び人のオスカー様。すごく感じやすいんですね?」
ティムカは今度は、口の中に含むと、顎を激しく動かし始めた。
もう、オスカーは何も考える事はできなかった。ただ、このまま
果てる事だけを望んでいた。
「ああ、、、。もう、もう、、、ティムカ、、、。」
と、オスカーの切ない声が訴えると、ティムカは、オスカーの
鍛えられ引き締まった尻に、自分のモノをぴったりとくっつけ
た、、、。
「な、何をする?!ティムカっ?」
「うふふふ。言ったでしょう?これは、お仕置きだって。
だから、少しは痛い目にあってもらわないと、、、。」
ティムカはそう言い終わると、オスカーの中へと入っていった。
「うああああああああっ!!」
オスカーがシャワーを浴びていた所から、お湯がだしっぱなしに
なっていたため、もうもうと湯煙がたちこめ、ふたりを包んで
いった、、、。
「オスカー、オスカー!?しっかりせぬかっ!」金色の髪を
揺らして、ジュリアスはオスカーの両肩を揺さぶった。
「んっ、、、。ああ、ここは?」
「ここは、ジムの医務室だ。お前がシャワー室で倒れていると、
ティムカが知らせに来たのだ。大丈夫か?」
「ティムカ、、、。」オスカーは、少年の名を口にだすと、
身震いをした。あの妖しい黒い大きな瞳が、無邪気に自分を
弄ぶように、、、。
「オスカー、どうした?まだ、どこか痛むのか?」青い瞳が
心配そうに彼を覗きこむ。オスカーは、思わずジュリアスに
抱きついた。ジュリアスは、少し震えているオスカーを抱き
かえした。、、、オスカーは、愛する人に抱きしめられ、
段々と落ち着いてきた。ジュリアスに抱きついたまま、
フっと、入り口の方へ目をやると、、、そこには、ティムカ
がいつものように無邪気な笑顔を見せ、黙って、出て
行った。
オスカーの両手首には、くっきりと、赤く縛られたあとが
残っていた、、、、。
fin.
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