「お前は、マルセルの、、、。」クラヴィスは、いつの間にか
森の湖の側まで、やって来ていた。青く小さな小鳥が、クラヴ
ィスの、肩にとまって、小さな黒い目で、彼を見上げた。
「お前の、御主人さまは、向こうの方に居るようだぞ。」
クラヴィスが、そう言うと、青い小鳥は、飛び去った。彼は、小鳥
が、飛び去った方向とは、逆方向へと、歩き始める。
「待つ者が居るというのは、いいものだ。」そう、私も、一瞬、
そう思って、心が、自分でも、可笑しいぐらいに、落ち着きをなく
した。あんな所で、会えるとは、、、。美しい黒髪の頭上を、
青い小鳥が、飛んでいた。
「どうしたの?アンジェリーク。最近のあなたは、学習に、
勤しんで、いないようだけど?体調でも、悪いのかしら?」補
佐官は、ファイルから、目をあげると、アンジェリークを、見
た。「申し訳ありません。あの、私、、、。」
「人間だもの、調子が、いい時、悪い時があるさ。完璧さを、
求めるなら、機械にでもやらせたらどうかな?ま、最も、
そうなったら、僕らは、いらないわけだけどね。」セイランは、
そう言うと、いたずらっぽく笑った。
「しかし、新宇宙だけではなく、この宇宙までも安定度が、
不安定になることは、珍しいことですし、現女王も、心配なさっ
ておいでです。「私達も、全力で対処しますから、どうぞ、ご安心を。」
ヴィクトールは、横目で、アンジェが今にも、泣き出しそうにして
いるのを、気遣いながら、言った。
「ええ、全力を尽くしますから。」ティムカも、慌てて付け加える。
「、、、右に同じく。」と、セイランは、ふざけて、右手をあげた。
「、、、解りました。それではみなさま、よろしくお願いします。
アンジェリークも、頑張ってね。」
「、、、はい、ロザリア様。」アンジェリークは、一礼した。
ロザリアが、部屋から出て行くと、部屋の空気が、和む。
「私、これからも、頑張りますので、、、。」「そう願いたいね。」
と、セイランは、アンジェの言葉を、遮って部屋を出ていった。
「あ、アンジェ、、、。」走って部屋を出て行くアンジェリークの
背中に、ヴィクトールは、声をかけたが、その声は彼女に、
届かなかった。
この間の日曜日、思い切って、クラヴィス様の所へ行くと、
「時間はあるか?」と、聞かれ、私邸へと招かれ、お庭へ、
そう、お庭の木の実を、いただいて、、、。そのまま、持っ
て、帰ろうとしたら、クラヴィス様が、「食べぬのか?」て、
私が持っている黄色い実を見つめて仰って、私の手から、
木の実を、取って、「こうして、もぎたてを、食べるのが、
美味しいぞ。」と、木の実を丸噛りなさったのに、驚いて、
おかしくって、いままでの、緊張が、ほぐれて笑ったら、
「、、、さぁ、お前も、食べてみろ。」と、私の口元に近づけ
てきた。私が食べて、「おいしい!」と言うと、クラヴィス
様は、優しく微笑んで、「そうであろう。」と、細い指で、私
の、口元を拭って下さった時、もう、胸が張り裂けそうに
なって、クラヴィス様の胸に、飛び込みたかった。クラヴィス
様を、ひとり占めしたい、と、思った。その腕に、抱きしめら
れたら、、、。
「そこで、何をしている?」アンジェリークが気がつくと、
目の前に、美しい黒髪の愛しい人が、立っていた。
「また、木の実が、欲しいのか?」
「、、、あの、私は、、、」
「やらぬ。」
「えっ?!」
「また、突き飛ばされたら、たまらんからな。」
アンジェは、驚いて、顔をあげた。
「やはり怒っていらっしゃるんだわ、、、。」アンジェは、
うつ向いてしまった。
木の実をアンジェリークが、食べると、クラヴィスは、彼女の耳元で、
「お前は、どんな味がする?」と囁き、彼の紅なゐの唇を、
近付けようとすると、アンジェリークは急に、恥ずかしくなり、
クラヴィスを、つい、突き飛ばしてしまったのだった。
「そんな所に、つっ立ってないで、庭へ入れ。柵の外に居ら
れると、話づらいだろう?、、、冗談だ、また、木の実をやる
から、、、。」クラヴィスが、木の実を取って、振り返ると、
そこには、もう、アンジェの姿は、なかった。
「、、、嫌われものだな。」クラヴィスは、一瞬、庭の側に立って
いるアンジェを見て、自分の帰りを、待ってくれていたのだ、と、
思い、嬉しい気持ちに、なったのだが、、、。
「ただ、通りがかっただけなのか。」悲しみに満ちた表情は、
すぐにいつもの、無表情な彼に、戻した。
「くだらん。」彼は、湖の方へ歩きだした。
まるで、アンジェの姿を、探すように、、、。
アンジェは、流れ落ちる涙を拭いながら、走っていた。無意識
のうちに、クラヴィスの屋敷に行ってしまった。
「私は、何をしているんだろう。私は、ただ、クラヴィス様に
会いたくて、、、そう、会いたくて、、、。」
アンジェはもう涙で、前が、見えなくなっていた。
青い小鳥は、また、クラヴィスの肩に、止まった。
「お前は、私が、怖くないのか?」小鳥は、首を傾ける。
「ふっ、慰めてくれるのか?」 アンジェリーク、、、。
クラヴィスは、心の中で、そう呟いて、宮殿へと、向かった。
、、、fin
これは、リニューアルする前のHPに載せてたもので、ぶいちゃまが
HDにとってくれていたものです。それを送ってもらいました。
これを書いた当時のこと、、、ぶいちゃまや、みかんちゃんたちと
初めて出会ったことを思い出しちゃいました!しみじみ。