第五話 反撃・後編『掌握』


前編のあらすじ


一つの作戦が終わったサイアスは束の間の休養を取っていた。

そんなある日ひとつの作戦が言い渡された。

特殊支援VR大隊「アトラス」と合同でRNAの拠点の一つ

情報都市グラパラス跡の制圧せよとの事だった。

戦闘二日目、グラパラス内に突入成功したサイアスは

地下施設の入り口を捜索していた。

その時第四部隊は・・・


グラパラス上空に入ると対空砲やD型が攻撃してくるが

いずれもまばらであっさりかわすとトニーの射撃と

地上部隊の攻撃で沈黙した。

私ら第四部隊は独立部隊として各部隊の支援をしていた。

背中の使い捨てブースターはまだ装着していた。

燃料はまだ残っていたので出力を押さえればしばらくは飛んでいられる。

高度500を維持しつつ

前衛をバンの<ファントムカイザー>

その後に自分の<残光>

右にはトニーの<リヴェリオン>

左にはコウの<ブリューナク>

丁度十文字になるように編隊を組んで飛行していた。

ふと突然、対空砲の砲撃が静まり返った。

「全機戦闘準備、何かが来ます!警戒を!?」

『了解!』

各機ランチャーを構える。

進路そのままで目視、レーダー全てを使って索敵する。

『レッド・テイルからS4リーダーへ』

「こちらS4リーダーどうぞ」

策敵中に通信が入り、応答する。

レッド・テイルとはレナの機体名、

S4はSAIAS4つまり第四部隊を指す言葉だ。

そのリーダーつまり渡しの事だ。

『グラパラス飛行場から戦闘機が離陸しました。

数は4、物凄い速度でそちらに急速接近中!

第四部隊はこれを速やかに撃破して下さい』

「了解、これより迎撃に移ります。

皆さん聞いた通りです。これより迎撃態勢に移ります」

『敵機確認しました。接触まで十秒!』

第四部隊通信担当のコウが言う。

「各機一斉射撃の後散開、迎撃します!」

『接触まであと五秒!』

「全機撃てー!」

各機の一斉射撃を難なくかわしミサイルを発射して散開する。

「各機散開!」

上下左右に散開、編隊を組んでいた所をミサイルが通過し、戦闘機

も通過してUターンしてくる。

『はっ早い!』

すぐ横を戦闘機を通過したコウは思わず叫ぶ。

「スピードに惑わされないで!相手をよく見るんです!」

『りょ、了解!』

私も一機ロックオンし右腕のレーザーバルカンで牽制する。

戦闘機はホーミングミサイル放つが私は撃ち落とし、

レーザーをかわす。スピードと火力を巧みに使い分け接近させないようにしている。

相手の後方に回り込みたい所だがスピードが違いすぎる。

ブースターを最大出力にすれば出来ない事も無いが

燃料が切れたらそれまでだ。

どうしたらよいか・・・

そう考えているとトニーから通信が入る。

「隊長、自分が敵機に牽制します。ですからフォーメーションデルタを!」

フォーメーションデルタ・・高高度からの急速降下による一撃離脱戦法だ。

しかし敵に発見された以上通用するかどうか・・

「分かった、各機トニーを中心に牽制しつつ上昇!

フォーメーションデルタを仕掛けます!」

トニーは敵部隊に突入し、それ以外は上昇を開始ししつつトニーに援護射撃を送る。

『ブースター出力最大、ツインマグナ、Wモード!!』

トニーは最大加速で専用ライフル『ツインマグナ』を

レーザーバルカンと高出力レーザーを使い分け距離を詰める!

敵部隊は散開し包囲しながら攻撃してくるが全てかわし

そのうちの一機に交差間際に大口径炸裂鉄鋼弾を撃ちこむ!

実弾は高速移動時には気流などの関係で直進しない。

その為予測して撃つか零距離で撃つ必要があるのだ。

残りの敵機が上昇中の味方にミサイルを放つ!

『ツインマグナ、Lモード!!』

設定変更したツインマグナの高出力レーザーの一条の光で

全てのミサイルが打ち落とされる!

『おまえたちの相手は俺だ!・・・来い!』

トニーはそう言うと残りの敵機に標準をあわせる。

その時敵機のロックオン表示が点滅する。

さっき撃破したはずの後方の敵だった。

とっさに機体を下に傾け降下するとすぐ上をレーザーが通り過ぎた。

後ろを見ると翼はもげ、墜落寸前の敵機がいた。

次の瞬間機体が空中分解した・・いや!

翼や機首がもげ装甲のあちこちが剥離するが

その影で腕が動き足が姿現す。

そしてそこには一機のVR・・両肩に逆三角形のシールドを装備している

が間違い無くあのフォルムはバイパーUだ!

バイパーUは胸部ホーミングを放つ!

こちらも胸部ホーミングを放ち相殺する。

相殺した瞬間同軌道で<リヴェリオン>がレーザーを放つが手応えは無い。

突然バイパーUはビームソードを展開し左から急接近する。

とっさの回避運動は間に合わないと判断しビームソードを展開、

辛うじて受け止め、絡み合ったまま墜落する!

バイパーUが左腕を振りかぶる。

マズイ!この距離から装備された小型ミサイルを撃つつもりだ!

振り下ろす腕をツインマグナで受けると同時に右足を機体の間に滑り込ませ

腹を蹴り上げ払い除ける。

反動で落下速度が上がるがブースターをふかし静止状態に持っていく。

すぐさま胸部ホーミング、ツインマグナを正射し残りの敵機に牽制をかける。

バイパーUも体制を立て直しこちらに向かってくると同じに

三機の戦闘機もこちらに一斉射撃してくる!

やられる!そう思ったとき通信が入る。

『こちらランフィス、これより攻撃を開始する!』

それを聞いて<リヴェリオン>は急降下で攻撃をかわしすぐさま急上昇

して接近してきたバイパーUにツインマグナを撃ち込む!

回避しきれないと思ってか左のシールドで受け止められた。

だがそれでいい。十分に注意を向けさせたのだから。

『いっくぜぇい!』

叫び声と共にバンの<ファントムカイザー>が両腕にブレードを装備して

敵陣の真っ只中に飛び込んで行く!

敵戦闘機は対空砲火を持っていない為一瞬で距離を詰める!

両腕のブレードを一閃!両主翼が切り取られる!

更に追い討ちで<残光>と<ブリューナク>のレーザーバルカンが至近距離で

直撃、爆発する。

爆発の中からもう一機バイパーUが出現する。

爆発に巻き込まれる寸前に飛行ユニットを切り離したようだ。

『まだまだ!』

急降下した三機は急上昇し残り二機の戦闘機に攻撃をかける!

戦闘機は正面に武装がついてはいるが上下には付いていない。

回避行動を取るがトニーの牽制で動きを封じられ

そこを急接近した<ファントムカイザー>のブレードが煌く!

しかし切り裂いたのは飛行ユニットのみ!

あの瞬間接続を外し、180度ロールし飛行ユニットを

落下させ盾代わりつかったのだ!

分離したバイパーUは飛行ユニットに胸部ホーミングを発射、爆発。

爆風を目隠しにして後続の二機から距離を開ける。

これでバイパーU三機と戦闘機一機になった。

「まずは機動性のある戦闘機を落とします!

トニーとバンはバイパーUへの牽制を、私とコウで攻撃します。全機散開」

合図と共に散開バイパーUには遠距離牽制と接近戦で足止めをし

その間に戦闘機に急接近する!

上と下から挟み撃ちする形で接近する!

超近距離での一撃で終わるはずだった。

突如戦闘機が一瞬で変形しVRになった!

「なに!」

飛行ユニットを切り離さずに変形できるタイプか!

驚きで一瞬の隙ができる。

新型は両手のミサイルポッドを無造作に乱射する!

高速で接近中にミサイルの雨の中に飛びこむ形になってしまった

急降下回避するが間に合わない。ビームソードを展開し防御するが

激しい衝撃が機体を襲う。数発食らってしまったようだ。

ビームソードよる防御で本体部分に直撃はなかったが・・

急いでチェックすると左腕が中破、皮1枚繋がってる状態だ

左足に1発・・足首が吹き飛んで無くなっていた

背部ブースターユニット左側腹部直撃・・出力20%減という結果が出た

戦闘に支障無し。まだやれる!

コウの機体も数発食らったようだが大丈夫そうだ。

新型はミサイルポッドを捨てて変形してこちらに向かってくる!

新型はレーザーバルカンを放ち一直線に向かってくる!

両翼の翼が淡い光を放つ!これは!?

翼から機体全体へと光が広がり突っ込んでくる!

SLCダイブ!そう思った瞬間左へ急速退避した。

SLCダイブは強大な破壊力があるのだが直線的にしか動けないと

いう欠点を持つ。

その為察知すれば回避は簡単なのだ。

すぐさま左にかわしランチャーを向ける!

その時敵機の進行方向が変わった!

レーザーバルカンを発射するがSLCダイブのエネルギー波にかき消される!

ブースターを全開にして辛うじてかわすが皮一枚で繋がっていた左腕が

完全に破壊された。

他のバイパーUも攻撃してくる為回避行動で反撃できない。

SLCダイブのまま旋回して更に攻撃してくる!

大きく右にかわし背後から攻撃するが他のバイパーUが牽制して

攻撃が届かない。

「しかたありませんね・・フォーメーションBで対応してください」

『了解!』

フォーメーションBとは最も基本的のフォーメーションの1つで

二機一組で攻撃するものだ。

第四部隊はランフィス・コウとバン・トニーのペアで攻撃するのだ。

「ツインマグナ、Wモード!いけぇー!」

トニーはツインマグナを実弾、レーザーと使い分けて発射、

その間にバンがバイパーUに接近する!

両腕にはブレードを装備して最大加速で突っ込む!

バイパーUも回避しながら攻撃をするがバンは巧みにかわしトニーの

援護で動きを封じられる!

バンのブレードが一閃!右肩を浅く切り裂いただけだった

バンは加速したまま急上昇、一気に急降下して再び接近する!

その時トニーの牽制をかいくぐりもう一機のバイパーUが割り込んでくる

交差し互いに一閃!

バンはランチャーを、バイパーUは左足をそれぞれ切り裂いた!

バンは速度を落とさず最初の目標である後方の敵機に仕掛ける!

しかし味方が割り込んで来たほんのわずかな間に体制を整え

ランチャーをすでに構えていた!

至近距離での正射、左のブレードを盾にして防ぐが

全てを防いだわけではない。レーザーバルカンの数発は

左腕を中心とした全体に被弾する。

多少の被弾は構わず接近し一閃!

とっさに盾代わりにしたランチャーごと右腕を切り裂く!

更にトニーのランチャーが追い討ちをかけるがそれはもう一機の

敵機のシールドによって防がれる。

相手の戦力を殺ぐ事は出来たがこちらの被弾率も高くなってきている。

そろそろ決着決めないと・・長期戦はこちらが分が悪い。

「バン、俺はあのシールド装備をやるからもう一機を頼めるか?」

『了解、サシに持ちこんでみせるさ』

「できるだけそっちにも支援は送るようにする」

『頼むぜ、相棒!』

そういうとバンは傷ついた機体を走らせる。

リヴェリオンのランチャーを構えなおし

「いくぞ!」

呟くように言うと機体を加速し発砲した。


「さて・・どうしたものか・・・」

私は目の前の敵機を見ながらそう呟いた。

両機とも接近しては一撃を繰り出す一撃離脱戦法と牽制を繰り返していた

こちらは傷つき相手はほぼ無傷だ。あまり時間はかけてられない。

それにブースターの燃料もそろそろ限界だろう。

「まず一機に集中攻撃、その後に新型機を狙いましょう」

『了解!』

二機とも機体を加速させ左右にわかれて一気に接近する。

新型機も接近して攻撃を仕掛けてくるがコウの<ブリューナク>

の牽制攻撃で時間を稼ぐ。

<残光>が右からビームソードを横一閃!

しかし相手もビームソードを展開して防ぐ。

相手を通りすぎてソードを振った反動とブースターを噴射させ

そのまま右回転、胸部ホーミングを一発発射、急制動をかけて離脱する。

その直後に<ブリューナク>が左から切りつける!

右からホーミング、左からの斬撃、かわせるタイミングではない。

次の瞬間バイパーUのブースターの噴射が消えた。

そのまま自由落下で攻撃をかわす!

そしてすぐ最大噴射で持ち直す

まさか避けられるとは・・目標をなくしたホーミングが<ブリューナク>

にせまる!


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