星めぐりの詩
星の小径
幾千幾万の輝きの一つ一つに幾億の命は宿り
幾兆幾京の命の輝きも、ただ一つの命より生ず
思えば星の世界さえも、
御手の一振りに動かす力を秘めし女王の腕
それがかくも細くやさしきものとは知らず
旅の始まりはとまどいの笑顔
悪しき者を打ち砕く魔力さえ、
その使うべき術を知らず
くじける事なき強き心ばかりをささえとして
星々を飛び越える旅のはじまりは
やがて大河となる、はじめの一しずく
ささやかな流れに変わる
主星
おだやかで喜びに満ちた土地は
聖地を擁す君の故郷
命あふれかえる地を乱す悪意に
天地は鳴動し、新たな力は発動した
動きだす運命への新たな一歩を踏み出して
少女は永遠の詩を取り戻す
柔肌に隠す宇宙の意志
受けてたつ願いは二つの宇宙をつなぐ
九つの聖なる力をまきこんで
魂の器は限りなく膨張する
夢の記憶の先にある君の故郷には
今おだやかな光が射し
かわらぬ命の輝きにつつまれて
聖地を擁しここにある
永久に平和で美しくあれ、君の故郷よ
深き霧の惑星
朝の靄、昼の霞、夜の霧を分けて
かの日、天使が降りたった
瞳に映った君の姿は
地上に降りた星々にまさる
のぞきこむ青緑の瞳は
雲間に光をさそい
めくるめく運命の予感を運ぶ
行く手を知らず、明日の心を知らず
歴史の大河に身を投じたは
君あればこそ
流れゆく砂の惑星
風だけが砂を散らし
砂は風だけを地に刻む
荒涼たる砂塵の世界
一人大地に立てば
旅の日々のなんと遠い事よ
かの日の風紋は世の果てよりも遠く
手に還ることなきぬくもりの記憶
目前の紋様も風が散らし
還らぬ鼓動
常に友たる星々だけが
永遠の影をきざみ
明日の我が身を引きよせる
千年の後も変わらぬ風景
一瞬の後には消える風紋
人の想いは砂に消えるのか
それとも永遠に輝くのか
騒がしき森の惑星
森をつつみしは
絢爛たる命の乱舞
激しすぎる色彩のダンスに
君はとまどう
気がついているかい?
つきせぬ情熱にひめられた
かくも極彩色のきらめきを
めくるめくステップに
さすがの絵筆も止まる
色をたたきつけて仕上げといこう
熱帯の過剰な美しさよ
いささかフォービスムに酔う
暗き鉱脈の惑星
裏切りは地の底の足音
あるいは月を横切る黒い影
坑道は水底よりも暗く
ひそむ闇は絶望よりも深い
そんなこと珍しくもないと
君の心の闇を笑いとばして
僕はさらに追い討ちをかけた
投げつけた言葉が心をよぎる
さぞかし冷たく感じただろうな
恨まれてもよかった
憎しまれてもよかった
その笑顔のためならば
旧き城跡の惑星
運命なんてものが本当にあるとしても
たたかぬ手の前に
決して扉は開かない
未来はただ、強い意志が運ぶ
わずかな流れを
かたくなな心の
鋼鉄の城壁をうちくずす
大河に変えたもの
はぐくんだ気持ちがくだけても
生命をさえ奪われても
それでもいいと
なぜいいきれる
けれど、それでも、そのときを迎えたのだ
旅の終わりに僕は知る
君の慈愛の偉大さを
愛しぬく気持ちが宇宙を救うなら
今宵も天空にレクイエムよ響け
蒼き群島の惑星
激しい雨にいざなわれ
岸辺の小屋に行きつけば
中から君が顔を出す
偶然なのか、必然か
海の瞳のかたわらで
しばし憩いのコンサート
小屋の屋根打つ雨音は
鼓動を消すほど激しくて
やがて広がる青い空
2人を包んだその雨は
あっという間に駆けぬけた
偶然なのか、必然か
君はどうしているだろう
ずっと想って歩いてた
黒雲広がるそのときに
君を感じたそのままに
岸辺の小さなその小屋に
呼ばれるように雨やどり
心と心が呼びあえば
僕らは必ずめぐり会う
偶然なんて、ないものさ
白き極光の惑星
みるみる雪はふりつもり
見るまにすべてを埋めつくす
一面の寂しい色
その強さ
道に落ちていた
片方だけの紅い手袋
あっという間に
うもれて消えた
雪の夜、君は僕のかたわらで
結晶よりも強く輝く
手からこぼれた乱反射
寂しさは嫌いじゃない
でも君がここにいる
僕はここで立ちつくす
冷たさが
変わった
ぬくもりをいだいて
寂しさが
変わった
暖かさをいだいて
白銀の輪の惑星
誰だってみんな
願う事があるのさ
大切な誰かに
笑っていてほしいと
羊たちが鳴いた
明日も晴れるよね
抱きしめられた子供の
かざりのない笑顔
離れていた相手と
よりそうときの笑顔
ずっと時を重ねた二人が
ほほえみかえす笑顔
どこにいたって
想う心は届く
とびきりの笑顔、夜空にむけよう
笑顔が見えるよ
君の宇宙はいつも、笑顔につつまれている
白亜宮の惑星
イルカが見たいという君と
椰子の木陰に並んでいた
イルカはどんな目をしているのと
たずねる君の瞳こそ
海で遊ぶにふさわしい
そのとき沖で波が光る
君にも見えただろう?
一瞬きらめいた、あのまなざしが
眠れる大地の惑星
風にひらりと舞い散った
赤くて紅い木の葉を追って
駆けだす君の赤い服
栗色の髪を慕う風
赤く、紅く、緋色に染まる
木の葉の離れた枝の先
日差しをあびて葉は光る
残されてなお、行ってなお
まなざし感じた君の頬
赤く、紅く、緋色に染まる
はるかに時をへだてても
君はここから立ち去らぬ
木の下にゆれる幻影を
追いかけ僕のこの時は
赤く、紅く、緋色に染まる