第一話
『またFに乗ってくれ』









ゴオォォォォッ……











祐一「クソッ……とんだ貧乏クジだな………」








俺は一人追われていた

仲間は既に敵の追跡範囲から逃れ一足先に日本に向っている

等の俺は、またこのMSのコクピットに座っていた

夜の闇に包まれた海上をバーニアを噴かせて逃げる

その先に見える陸を目指して……



祐一「何でこんな事になるんだよ……」





















*          *          *





















艦長「おいおい、何が何でも早すぎるだろう!?」



地球に降下してちょうど1週間目俺たちは地球に降りて日本の少し沖合いを航行していた

俺たちは作戦の為に先に地球に下りていた部隊の偵察隊に発見されてしまった

俺たちの情報がここまで流れていたのだろう

そいつらは俺たちを攻撃してきた



オペレーター1「後方より敵機数2!!……駄目です追いつかれます」

オペレーター2「ラングス艦長!!敵機照合、MS-006アムズエルです」

ラングス「おそらく偵察機だな………なんて間の悪い」



後方からはアズムエルにバックパックを取り付け無理やり飛行形態にした

機能バランスの悪いMSが2機迫ってきている

バランスは悪いが移動速度は中々の物もで各部に損傷を受けている俺たちの艦「イージス」は

振り切ることができなくなっている



ラングス「おい………あの坊主を呼べ……」

オペレーター「ユーイチですか?」

ラングス「そうだ、今現在の戦力はFシリーズのみだそれに動かせる奴は今すぐMSを動かせそうな奴はあいつだけだぞ
      子供に戦わせるのは忍びないが生き延びる為だ。四の五のは言えんさ」

オペレーター「わかりました」





















居住区は非戦闘員の避難場所になっている

理由は艦の中心に位置しているためだ

俺もその一角で座り込んでいた



祐一(一難去ってまた一難かよ………)



部屋の中は沈黙に包まれ重い空気に包まれている

この状況で明るく振舞えという事がムリに近いのだが………







pipipipi…………pipipipi…………







いきなり内線電話が鳴り出す…………

そのまま俯いたままの者、驚き肩を狭める者、何事かと内線を見つめるもの反応はさまざまだ

5回ほどコールがなると一番近くの男が内線に出る

男は「ああ」とか「うん」など何回か言った後周りを見渡しいきなり英語でこう言った



男「この中に相沢祐一という奴いるか?」



俺の名だ………

俺はその言葉と同時に何か嫌な感じがした……

何かはわからないがとてつもなくヤバイ感じだ

男「いるのか?日本人だ!」



男がそう言うと周りの連中があたりを見渡した後、徐々に視線が俺に集まってきた



見つかった……



思わずそう思ってしまった

男「君か?」



男の言葉に俺はゆっくりと弱々しくうなずいた















ラングス「祐一か?」



受話器の向うから艦長の声が聞こえる



祐一「はい……」

ラングス「早速だが頼みがある…………」

祐一「なん……ですか?」



嫌な気配が強くなった

手が冷や汗でベトベトになる………

震えているのが分かる



ラングス「率直に言う…………」



艦長は一息ついて再び口をあける



ラングス「またFに乗ってくれ」

祐一「えっ……」



嫌な気配が的中した

ラングス「若いお前に頼むのは忍びないんだが………



      正直、今は戦力がFシリーズしかない」

祐一「でも、俺じゃなくても………」

ラングス「それに……アレを動かせて戦闘を経験しているのはお前だけだ
      お前が一番生き残る確立が高いんだよ」



戦闘といってもただ張りぼてを切っただけで他は何もしていない

どう考えてもアレを戦闘とは言えないだろう

祐一「戦闘なんて………俺は動かないMSを切っただけで他はなにも………」

ラングス「じゃあ、ビームサーベルの振り方は分かるんだな……」

祐一「でもっ!」

ラングス「頼む……」



沈黙が続く………



男「お前……MS動かせるのか?」



横から声が聞こえる

隣の男からだ

祐一「動かせるって………俺は学校で大型特種機械の操作方法を習っただけで
    そりゃ、機能が同じ部分なら動かせるけど武器の使い方とかそんな事はできないよ」



声が震えている

戦場に出されるかもしれないという恐怖か?

いや、艦長は現に出ろといっている………

ここで変な追い討ちをかけられたら…………戦場に出される……











戦場に出て……………死ぬ……?











それを考えると同時にさらに恐怖心がわいてくる

奥歯がガチガチと鳴り出した



男「でも………さっき、敵のMSをビームサーベルで切ったって言ってただろう?」



一番言われたくない言葉を言われた

その言葉と同時に周りから声が聞こえてくる

あいつMSのパイロットなのか?

戦闘員が何でこんな所にいるの?

小声が少しずつ大きくなる………

そしてとうとう











男2「お前なんでこんな所にいるんだよ?
   戦闘員は俺たちを守るのが仕事だろう!!
   他の奴らは何もできなくても前線にいるってのによ!!」











若い男が声をあげた

それにあわせて周りも騒ぎ出す





周りから覆い被さるようにやってくる音……

『怒号』とでもいうのだろうか?

それは益々高まる

数人は今にも飛び掛らんと俺を睨み人一倍罵声を上げている



















この場に発生した新たな死への恐怖



















それから逃れる為、俺は艦長の言葉に応じるしかなかった