名雪「祐一、お昼休みだよ!!」

祐一「おおっ!そうなのか!?」




彼がここに来て数日が経ち今日もこの言葉で昼休みが始まる。

ここ数日、彼のことでわかったことは学力の高さ。

考古学研究所から出入りをしているだけあって歴史関係の知識が高い。

それに意外にも語学力も高い。

この前寝ているところを英語教師に当てられ全て英語で質問されていたのだが全て答えていた。






香里(寝てるといえば………)



祐一「んっ?香里どうかしたか?」

香里「どうすれば貴方みたいに一日中寝ててもその学力を維持できるのかしらと思ってね」

祐一「なにっ!!俺は授業中もちゃんと起きてるだろうが!!」

彼はオーバーリアクションで否定をしているがどう見ても寝ているとしか思えない

北川「先生に当てられた時だけだろう」

祐一「うっ……」

横で聞いていた北川君も同じ気持ちのようだ。

その隣で彼は必死になって弁解していた。



そこまで必死になるような物では無いと思うけど……



名雪「そんなことより学食行かないと席無くなっちゃうよぉ〜」

名雪に言われ時計を見ると大幅に時間をロスしていた。

香里「かなり時間がたっているわね……今から行ってもパン残ってるかしら?」

名雪「う〜、私のAランチ……」

一番悲惨なのは北側君だろう。

彼の場合は早朝のバイトで朝食もとっていないはずだ。


香里(そういえばそういう条件なら彼だっ………て?)


北沢「………相沢って足速いな」








気づいた時には彼はすでに廊下のはるか彼方へ走り去った後だった。








数分後彼は両手一杯に競争率の高いパンを握って帰ってきた。




































『エキドナ』篇

-帰路-










































香里「相沢君」

祐一「なんだ?」




放課後、名雪は部活、北川君はバイトがあるからと先に帰り今は私と彼だけで帰っている。




香里「貴方いったい何者?」








今は当然二人きりしかいないので隠す必要はない








祐一「そろそろ来るだろうとは思っていたが………」




やっぱり彼は昨日のエージェントのようだ

彼も聞かれる事を覚悟していたらしく全く動じることがない。





香里「相沢君ってあそこの関係者なの?
    あそこって確かアーカムの研究所だったと思うけど」

祐一「う〜ん……一応、関係者だな……」



彼は人差し指で頬を掻きながら答えた

何故か口調が間延びしており、なんだかはぐらかされているような気がする。







香里「そぉ……で、あの研究所はなんに使うかは知らないけど
    昨日貴方が持ってきた金額でお父さんの石版を買いたいと言うのね」


祐一「いや、金は出すけどアレは自腹だ」



















………………はいっ!!?

















香里「自腹ッ!?相沢君!!あなたどういう生活をしたらあんな大金、所持できるのッ!?」



祐一「一人暮らしによる生活費の節約バイトのおかげだ!!」



握りこぶしを掲げながら彼は熱弁しているが数百万という大金を高校生が普通稼げるわけがない



香里「バイトと節約ねぇ……」

祐一「なっ、なんだその疑いの目は?」

香里「どのくらいバイトで働いたらあの金額になるのかしら?
    普通バイト程度ではあの金額は出せないと思うんだけど?」

祐一「だからそこに節約が入るんだろうが!」

香里「どういう節約をやったらああなるのよ。無理があるわ」



率直な意見を述べてみる。

第一そのバイトからして怪しい物だ。

研究の為かはわからないがただの石版に数百万を提示して高校生が売ってくれと交渉しに来るのだ。

普通は職員なり少なくとも数人の20代以上のエージェントがくるはずだ。



祐一「節約方法?たとえばブレーカーの限界電圧を下げたり、冷蔵庫にビニールの暖簾のれんつけて冷気を逃がさないようにしたり
   あっ、当然冷蔵庫の出力は『低』だぞ。あとは………あっ、そうそうこれは基本だったな食器洗う時は………」





香里「そろそろはぐらかさないで答えてくれない?」






私はいいかげんな彼の話に耐え切れず本題を質問する。


香里「正直、貴方怪しすぎるのよ。
    親の仕事の都合とかいってるけど実際やってることはあんなことだし
    貴方、本当に名雪の従兄弟なの・・・・・・・










彼はその言葉にため息をつくと静かに話し始めた。










祐一「あの石版はな…………親父さんが趣味で所持できるような物じゃないんだ。
    非常に危険な物なんだよ………」


香里「危険?昨日もそんな事言ってたけど、ただの石版でしょ?
    お父さんが変な場所から買ってきて帰ってくるまで付きまとわれたのならわかるけど
    日本にまで追いかけてくるような 「違う」 ものじゃ……?」







彼は私の言葉に強い否定の言葉で返してきた。







祐一「アレ関係で動くのは観光客狙いの詐欺グループなんかじゃない。
    もっとデカイ組織が関係して来るんだ。
    だからさ……香里、お前も親父さんに頼んでくれないか?」



正直全く信じられない話だ。

たった一枚の石版にそれほど大きい組織が動くなんて考えられない。



香里「ところでその大きな組織って?」

祐一「教えられない、危ないからな」

香里(危険や危ないを並べればいいとでも思ってるの?)


そのまま彼は口を閉ざしてしまった










*          *           *











アーカムの研究所を出入りして、数百万の大金を持って私の家に来た彼………

彼は本当に『相沢祐一』本人なのだろうか?

香里(もし彼の名を借りてここ来たのなら許せない…………
    もし、そうならば名雪や秋子さんはどんなに悲しむことになるかわかってるの?)


名雪は何故彼が7年前急にこの街に来なくなったかを話さなかった。



別に興味はないが彼女の雰囲気からして何か悲しいことがあったのだろう。











気が付いたら並木道まで来ていたここまで来れば家までもう少しだ。

ここは人の通りも少なく、夜はあまり使いたくない道だ。
















香里「キャッ!!」










いきなり彼が腕を捕み引っ張った



香里「何するの!?」


バランスを崩しつつも何とかたて直し彼を睨む




彼は私の言葉など聞こえてないように正面を見据えてる。












私も正面を見つめるとそこには黒いスーツを着た金髪の大柄な男性が二人









誰かを待ち伏せしているように立っていた。








男1「――――――――――……――――?」

男2「――――――………―――――――」

男1「――――――」


どうやら英語を話しているらしいが、速くてほとんど聞き取れない


男3「――――」

香里「!!!」

後ろにも男が一人立っていた







祐一「物騒な事言いやがって」

香里「わかるの?」

祐一「外国生活長かったからな」



正面の男達からはそこで佇んでいるだけでとても威圧的な気配を放ち私はその気配で動けなくなっていた

男の一人はそれを察したのかニヤリと笑いスーツの中に手を入れる







再び手を出した時に私は自分の顔がさらに恐怖の色が強なるのを感じた




















何がどうなっているのかが解らなかった。















ただ一つだけ理解ができた事















先ほどの二人の男の会話















私が唯一聞き取れた言葉



















男1「間違いないな………そっちの男はどうする?」

男2「用があるは女だけだ………殺せ」























いったいあの石版は何なのだろう
















日常が少しずづ音もなく壊れていく気がした






























……………男の一人がゆっくりと彼に銃を突きつけていた……………
























先日ご感想を頂きました。

もの凄く嬉しいです。

それと同時に……え〜と…その〜……… 私の馬鹿さ加減がよくわかりました。

え〜、気がついてる方も多いと思いますが私





香里











香織






と書いてました。





失礼致しました。