―DANGER―


しつこいようですが、ここは「バトロワU〜鎮魂歌〜」ノベライズの感想ページです。
ネタバレ・批判満載なため、ご注意ください。
ちなみに管理人は映画を観ていません。





















とりあえずの感想としては「なんだこれは」と。

生徒の日常に始まり(2割)
BRゲームの開始(3割)
ワイルドセブンのアジトに辿りついた所で視点が移り
桜井サキや七原秋也たちテロ組織が「今」に至る経緯が描かれ(2.5割)
再びBRゲームに話が戻ってき、何人かの犠牲が出たのち戦闘中断。(0.5割)
生徒とワイルドセブンメンバー(主に七原)との交流(?)があり(1割)
テロ組織vs政府軍(1割)

で幕を閉じる。
(カッコ内の数字は全体における割合です。あくまで私の感想ですが)

数字を見るとわかると思うんですが、見事にバラバラ適度に均等。
はっきり言って何がメインなのかわかりゃしねぇ。
そして誰が主人公なのかもわかりゃしねぇ。

物語初めに出てくるのが『久瀬遙』なので彼女が主人公か?と思いきや『青井拓馬』登場。
どうやらこいつが主人公らしい。
その後の描写も基本的には拓馬視点で描かれている。ような気がする。
(文章に主語がないときは、だいたい彼が主語だった)

しかし、この『青井拓馬』、キレやすく失態が多い割には活躍の場面がなく
「こいつは本当に主人公なのか?」
と前作の秋也以上に思わせるキャラだった。はっきり言って好きくない。
唯一、主人公ぽいかな?と思える行動が、物語終盤で秋也が
「俺は無力な人間だ…」
と嘆くのを訊いて
「(前略)今度は俺が仲間だ!」
と、やるところだろうか。
だが、前述したように彼は気が荒く、なお(彼女)以外の人にはあまり素直でない。
日常でもゲーム中でも、誰かに食ってかかろうとするところを止められる事もしばしば。
キレ易いひねくれ者、というイメージしか持たなかった同じくひねくれ者の私はこの台詞を見て違和感バリバリ。
「なにいきなりキャラにないこと言ってんだ、こいつ」
としか思わなかった。
彼を主役たらしめているのは、金髪でモテる、というキャラ設定だけだと個人的に思う。

そして、拓馬の彼女こと『浅倉なお』
普通に考えると彼女がヒロインだと思うのですが、拓馬の暴走を抑える以外の役割がない。
性格も、これと言って特徴のない普通のお嬢さん。
印象は薄いです。

よって初めに出てきた『久瀬遙』
拓馬の事を好きな彼女が、ヒロインなのか?と思ったのですが活躍度はそうでもない。
まぁ、序盤の『夏川結子』との会話や、その結子との別れの場面、
そして最期の場面など、なおよりは印象に残りましたが。

じゃあ、誰がヒロインなのか?という話なのですが
私的には『桜井サキ』かな、と。
BRゲームから過去に話が移った際、初めに出てきたのが彼女だし
その後のテロ組織の話も彼女の視点で描かれていた。
弟がBRゲームに参加した(させられた)、というのもそれっぽい。
主人公の拓馬との絡みは無いに等しいが。
というか、作品全体通して一番描かれていたのは彼女。
ヒロインではなく、むしろ主人公だと私は思う。

それはさておき、もう一人の主人公『七原秋也』
っていうか秋也じゃねぇだろ、誰だよこいつ!?
なんか妙に暗いというかなんというか…「静かな人」として描かれてる。
典子と別れ、違う人生を選んだのも解せない。
まぁ、「バトロワU」はあくまで映画版「バトロワ」の続編なので仕方ないのかもしれないが、
原作最後の「オーケイ、今度は乗ってやるぜ(以下略)」な秋也が好きな私としては納得いかない。
絶対、これは秋也じゃねぇ!!

そして、今作の目玉「タッグマッチ制」について。
出席番号が同じ者同士ペアを組み、片方が斃れるともう一人の首輪が作動し爆発する、というあれです。
せっかくの新設定ですが、あまり生かされていなかったように思う。
相手が死なないようにお互い助け合う、というのが目的なのでしょうが、そういう場面はほとんどなかった。
いや、あるにはあるのだが、助けようとして逆に銃弾に当たってしまうなど徒労に終わる事が多く、そのほとんどが共倒れ。
途中、タッグマッチ制を逆手に取ったトリックのような部分もありましたが、話の大筋から見ると(この話に筋があるのかどうか疑問だが)ささいな事で、たいした効果はなかったんじゃないか?
「手間をかけずに人数を減らす」という製作者側の都合により生まれた設定としか思えません。



さて、肝心の中身です。
これを読んで受けた印象は映画版「バトロワ」と同じものでした。

娯楽としての殺人、を描いてるようにしか見えない。
(この「娯楽」というのは、作品内の殺人者が快楽を得る為に殺人を犯す、ということではなく、映画を見る側が、人が死ぬシーンを見て楽しむ、ということです。うまく説明できないんですが、なんか勘違いさせそうなので念のため)

バトロワといえば戦闘シーンに目がいくのはしょうがないと思いますが、、ビジュアル的な惨さばかりが目立ち人が死ぬ事の残酷さが感じられません。
その描写もなんだか回りくどいというか…私の読解力が足りないせいかも知んないけど、わかりにくい。
それに「タッグマッチ制」首輪による爆死が多く、とにかくバタバタと人が死んでいきます。
今回は「殺し合い」ではなく「戦争」なので、その辺を意識したのかもしれませんが、もう少しそれぞれのキャラを掘り下げて欲しかったなぁ。
一応、生徒たちの過去や鹿之砦中学に来るまでの経緯などが書かれているものの「説明」に終始しており、それぞれがどういう思いをしていたかはあまり書いてない。
全く感情移入できませんでした。
印象に残る台詞・場面がほとんどないってのも、どうかと思う。
悪文との評もある原作ですが、やっぱバトロワはあの文体じゃないと…

そして、話の展開にも納得のいかない事がいくつか。
思いっきり個人的なんすが、結子と遙を「殺す」必要はあったのか?と。
結子は、ペアを組んでいた相手が戦死した事により首輪が作動してしまい、周りを巻き添えにしないために窓から飛び降り、自ら命を絶ちました(自殺か爆死かは微妙なところ)
結子の首輪が作動した時、同時に『新藤理沙』・『蓮田真由』・『キタノシオリ』の首輪も作動しており、直後、シオリが女の子を人質に取り、秋也の命を要求。
しかし、女の子を巻き添えにできず、覚悟を決めたところで場面転換。
「ワイルドセブン」メンバーで電子工学(だっけ?)の天才・『早田真紀』の手により首輪は解除。
シオリ他2人は助かりました。
テロ組織のメンバーにはプログラム経験者も多く首輪が爆発することは知っていた。
わざわざ結子の首輪を「爆発」させなくとも、彼らにはその恐怖がわかってたはず。
シオリを追い詰めるために必要なのかもしれませんが、それなら他2人の首輪も爆発した方が緊迫感あると思う。
(別に死んで欲しいわけではないです)
その辺がなんか中途半端で、結子の死は涙を誘うための演出としか見えず、非常に気分が悪かったです。

遙も同様。
彼女は、首輪を解除されBRゲームから解放されたものの、戦闘中に、持参していたインシュリン剤のカンフル(インシュリン欠乏症のため自分で注射していた)を割ってしまい、病死しました。
戦闘とはまったく関係ないところでの死です。
その少し前に、片想いの相手である拓馬に告白しており、若い命が散る惨さを描こうとしたのかもしれまんせんが、やはりこれも涙を誘うためとしか思えませんでした。

あと、物語終盤、戦闘の始まった戦艦島から脱出しようとした拓馬が、政府軍と戦っている「ワイルドセブン」のもとへ戻ろうとする場面があります。
その時点で生き残っていたのは男子4人、女子4人(戦場に残ったシオリを入れると5人)です。
(ちなみに「ワイルドセブン」に保護されていた子供たちも一緒に脱出しようとしていた)
その内、拓馬含む男子3人が戻ろうとし、桜井サキの弟『桜井晴哉』と女子4人はそのまま脱出しました。
脱出路を戻り戦場に辿りついたものの、拓馬以外の2人はすぐに殺されてしまいます。
戦場の厳しさ、圧倒的多数の敵を相手にする絶望感などを描くためかもしれませんが、あまりにあっけ無さ過ぎません?むざむざ殺される為に戻ったん?

その後、シオリが戦死し、「ワイルドセブン」のメンバーもほぼ全滅してしまい、最終的に残ったのは拓馬・晴哉・脱出した女子4人、そしてサキや真紀に助けられた秋也です。
……7人なんだよねー……
拓馬の「今度は俺が仲間になってやる」発言といい、この人数といい、「ワイルドセブン」再結成を想像させる終わり方……生き残ったメンバーにも疑問が残り、釈然としない。
拓馬・晴哉・なおは良いとして、他の女子、理沙・真由・『筧今日子』が生き残ったのは何故なんだ?
いや、これが実際に起こった現実の事件だというのなら、メンバー問わず一人でも多く生きていて欲しい、と思うところですが、物語として見るとなんか納得いかない。

原作「BATTLE ROYALE」では、容赦なく生徒同士を闘わせ、最終的に川田までも命を落とすという徹底振りだったのに比べると、映画版は前作・今作ともに中途半端だなぁ、という感が拭えないです。
(前作を中途半端だと思うのは、ヒロインの典子が誰も殺していないからです)








――――――――――後記――――――――――

いやー、長々とお疲れ様でした。
勢いに任せて書いたため、順番メチャメチャで何が言いたいのかわかんないかもしれません。
一度読んだだけなので勘違いしてるとことかあるかもしれません。
私は読み込み浅いので、製作者の意図をつかめず上っ面だけを読み批判してるところも多数あると思います。
映画版に対する否定的な姿勢から、うがった見方をしてるという自覚もあります。
ただ、これも一つの意見です。
バトロワファンの感想ではなく、一読者の感想と思っていただけると幸いです。

(03/07/13)