第41回 「往住愛子」(4)
 針、再生してる〜!
 マチも、針がなくなれば攻撃できないんではと考えましたが、期待も空しく再び生えてくる針。勝機が見えません。ほんと、「どうすりゃいいのよ!?」って感じです。

 あまつさえ、いよいよコックピットに浸入してきた溶解液。アンコの足って、もしかして溶けてますか?
 そして、娘の危機にも拘らず、いや、危機だからこそなのか、撮影続行を指示するニュースキャスター往住。非情にも見えますが、今回の取材を通して初めて娘と真正面から向き合った彼にしてみれば、娘の危機を取材することさえ、娘との関係性を繋ぐ手段なのかもしれません。そう考えれば、むしろ彼の指示は情に基づくものと考えられるでしょう。もちろん、その根底にニュースキャスターとしての職業意識がないとは思いませんが。
 アンコにとっても、父親と一緒にテレビに映るという夢を繋ぐためには、カメラを回してもらわなければなりません。カメラの映像を通してしか親子の絆が繋がれていないのなら、撮影続行はアンコのためでもあると言えるものと思えます。

 っていうか、「敵」! アンコの足を溶かすのはともかく、マチの顔に火傷を負わせるとは許せません。顔に傷跡が残っちゃうじゃないですか!
 おまけに、溶解液浸入時のドタバタでマチの顔がばっちりと映ってしまったし。これで、もう一人のパイロットがコモではないことがばれてしまいましたね。アンコがとっさに「マチっ!!」って叫んでしまったし。このことが、来るべきマチ編にどのような影響を与えるのか、ちょっと心配です。

 なお、アンコが苦戦している様子が報道されて、人々が「ジアースが負けたら……」という不安に駆られている点が注目に値します。
 ジアースが「ぼくらの」地球を守って戦っているのだという、基本的な点を人々に再認識してもらえれば、政府側ならびに子供たちにとっては有益でしょうね。ましてや、命がけで戦っているアンコの姿を見れば、憎悪の対象を子供たちに向けることが間違っていることに気づく人は多いでしょう。

 ところで、今更ながら『ぼくらの』という作品のテーマの一つは「親子」であるということに気づきました。
 ワクと父との関係、コダマと父との関係、ナカマと母との関係、マキと両親との関係、コモと父との関係、そしてアンコと父との関係。
 こうして見ると、親子の関係性が重要な要素となっているエピソードが結構ありますね。中学生ぐらいなら、親子の関係性が日常生活において重要なのは当然ではあります。しかし、むしろ親子の関係が描きたいがために中学生という、親子の関係性が重要性を保ちつつも揺らぎ始める、微妙な時期の子供たちを主人公に据えたとも考えられるでしょう。
 思えば前作『なるたる』も親子が主要テーマでしたからね。鬼頭莫宏という漫画家の作家性を語る上で、「親子」は外せないテーマなのだろうと思われます。

 アンコと父との関係、それがどのような結末を見せてくれるのか。次号への期待がいやがおうにも高まります。



戻る