2000.11.22(水)
駕籠真太郎「パラノイアストリート」第1巻
(メディアファクトリー、2000年)
頁数:188頁
定価:900円


お気に入り度:7

 今日買ったのは駕籠真太郎著『パラノイアストリート』(メディアファクトリー)。
 初めて『喜劇駅前虐殺』を読んだときに、「こんな異常な妄想力を持った人間が存在するとは!」という衝撃を受けて、以来駕籠真太郎には注意していたんですが、おそらくこの本は彼にとって初の、十八禁じゃない単行本。
 探偵の黒田が毎回依頼を受けて様々な町へ行くが、管が特産の町や接着剤が特産の町からはじまり、病が特産の町や恥が特産の町など行く町行く町みんな奇妙な町で、黒田と助手はその町特有の変な事件に巻き込まれるという内容。
 一般誌連載なので、さすがに他の作品に比べて残虐度は抑え気味ですが、それでも死体はよく出てきます。グロが嫌いな人には無理でしょう。というか、死体が出てこようがこまいが、この人のマンガは人間の醜悪な姿を徹底的に描くので、グロを基本としていると言ったほうがいいんですが。
 また、「禁」とか「逆」の回で見られるようにマンガの文法を逆手に取った手法もよく使います。たとえば母が大笑町の出身のために語尾に「(笑)」がついてしまう子供とか。駕籠真太郎という人物は、マンガという表現方法自体で徹底的に遊び倒す人のようです。総じて言えば、エログロナンセンスな部分も含めて、既存の常識にとらわれない自由奔放な表現が駕籠真太郎の真骨頂だと言えるんじゃないでしょうか。
 『パラノイアストリート』に関しては、一般誌という制約があるからでしょうが、かなりおとなしい印象で、駕籠真太郎の持ち味は十分には出ていないような感じ。『駅前虐殺』のように、オチをつけたりしないシュールなマンガのほうが面白かったような気がします。いやこの作品も十分にシュールだけど、通常の意味での「面白み」に配慮してしまっているためにパワーダウンしてる感じなので。



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