
2000.10.17(火)
福島章著「犯罪心理学入門」
(中央公論社、中公新書、1982年)
頁数:216頁
定価:660円
お気に入り度:7
今日読んだのは福島章著『犯罪心理学入門』。
大学で犯罪学の授業を受けているので役に立つかと思って読んでみました。で、結論から言えば、たいして役に立たない(笑)。でもでも、内容が薄いとかつまらないとかいうわけではないんですよ。単に、犯罪学の授業内容とはあまり一致しないというだけです。
著者が心理学者ではなく精神分析医ということで、内容も犯罪理論というよりも犯人の精神分析が中心といった印象。事例が豊富で、個々の事件を起こした犯人がいったいどういう理由で犯行に至ったのか、遺伝的要因や幼少期の環境などから読み取り、統計データもふんだんに使用して説得力のある犯行原因を描き出しています。そして、個々の事例というミクロな単位の積み重ねの中から日本に特有の犯罪者心理である「甘え」の構造というマクロなレベルへのアプローチを行うその手腕はなかなか素晴らしいものがあります。
一応、犯罪心理学以外にも一章を設けて犯罪に関する社会学的理論の紹介もあるので授業対策としても最低限の利用価値はあったかな?まぁ初版が1982年とちょっと古めなのでたまに現代の世相についていけてない部分もあるけど概ね有意義な本でした。
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