
2000.10.18(水)
吉原高志・吉原素子訳「初版グリム童話集1」
(白水社、1997年)
頁数:215頁
定価:1600円
お気に入り度:8
今日読んだ本は『初版グリム童話集1』。
ちょっと前に流行ったので知ってる人は多いと思うけど、グリム童話の初版は残酷な描写や性的な描写が多いということで、版を重ねるごとにグリム兄弟の手が加えられてマイルドになっていったという経緯があります。もちろん、メルヘンのそういう暗黒面が読みたくて買ったわけです。(^ー^)
まず「子どもたちが屠殺ごっこをした話」が秀逸ですね。ある男の子が友達に豚になるように命令し、肉屋の真似をしてその友達の咽を切り裂いて殺すという話。女の子を料理番の下働きに任命して、咽から噴き出る血を皿で受けさせたところとか、肉屋を忠実に再現しようとするあたりがグッドです。この話は第二版以降削除されました。
有名な「ラプンツェル」も、毎日こっそりと王子を塔に引き入れて楽しんでいるうちに妊娠してしまったのですが、妊娠というものを知らなかったラプンツェルが「洋服がきつくなって体に合わなくなった」と言ったことからばれてしまうくだりが第二版以降では差し替えられてしまっているそうです。残念。
あとは「ナイフを持った手」も良いですね。親兄弟に苛められてる少女にナイフを貸して泥炭掘りを助けてくれる妖精がいたんですが、それを見つけた兄達が妖精の腕を切り落としておしまい。救いは一切なし。これまた初版だけに収録。
「ハンスのトリーネ」はちょっと趣を変えて、眠っている間にスカートを短く切られてしまったトリーネが、自分がトリーネかそうでないのか判らなくなってしまったという話。自分が普段の自分と異なっていて、他人も自分のことを別人のように扱ったとしたらはたして自分が自分だということをどこで判断すればいいのかとか、考えさせられたり。これも初版のみ。
細かいところでは「ヘンゼルとグレーテル」で二人を追い出したのは継母ではなく実母だったところとか。子供よりも食欲。良いですね。全4巻なんでまだまだあります。楽しみ。
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