
2000.10.19(木)
氏家幹人著「大江戸死体考」
(平凡社、平凡社新書、1999年)
頁数:227頁
定価:680円
お気に入り度:8
今日は氏家幹人著『大江戸死体考』など読んでみました。
やー、著者の語り口が実に楽しそうで、水死体やら処刑やら試し斬りの話なんかを嬉々として書いているのを読むとこっちもうきうきとしてしまいます(^-^)
初めは、江戸の町はいちいち回収してるときりがないくらい水死体で溢れていたとか井戸の中に身投げした死体があることに気付かないでその水をしばらく飲んでたなんていう穏やかな話から始まり、徐々に中心テーマとなる人切り浅右衛門に話を移していきます。
この、山田浅右衛門というのは初代から8代目まで代々襲名していた名前で、山田家は江戸の罪人の処刑と刀の試し斬りを一手に引き受けていたそうです。試し斬りというのがまた面白いもので、将軍家をはじめ名だたる有力大名から依頼を受けて刀や鑓や薙刀などの切れ味を調べるため斬首後の罪人の死体をずたずたに切り裂いていたとか。
さらには、死体から胆嚢や脳味噌を取り出して精製し人胆という肺病に効く丸薬として売り出していたそうな。一応副業のはずの薬作りで大儲けしてかなりの財を築いたというのもなかなか興味深いですね。なんでも、浅右衛門邸には「胆蔵(きもぐら)」という専用の蔵まで建っていて、中に入ると干し柿のように胆嚢が干されてたり3個の大甕には脳味噌が保存されていたらしいです。胆嚢のほうはともかく脳味噌の詰まった甕というのはちょっと見てみたい(笑)。
こういう、歴史の表に出てこない裏面史を扱った本は面白いですね。あとがきでの「もっと闇を!」という作者の言葉にはまったくもってそのとおりだと共感しました。
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