2000.10.23(月)
川端康成著「伊豆の踊り子・温泉宿 他四篇」
(岩波書店、岩波文庫、1952年)
頁数:206頁
定価:252円

お気に入り度:4

 今日読んだのは川端康成著『伊豆の踊り子・温泉宿 他四篇』(岩波書店)。
 二年程前に『雪国』を読んだときに「あんまりパッとしないなぁ」と思った経験があるので、川端康成は性に合わないんだろうと避けてたんですが、まぁ『伊豆の踊り子』ぐらいは読んでみようかと。で、結論的には「やっぱり性に合わない」(^^;いや、『伊豆の踊り子』とか『青い海黒い海』なんかは「おお、さすがのーべるしょー受賞者」と思わされたけど、他の四つはやっぱりダメ、受け付けなかった。『温泉宿』とか『春景色』とか、なんかこう、話が分裂的でまとまりがなくて、平板でそれでいて流れが唐突な感じで一番嫌いなタイプの小説。
 まぁいいや。面白かったものだけ見ていこう。まず、『伊豆の踊り子』は、お互いに惹かれあいながら距離を保とうとする主人公と踊り子の恥じらいが心地よいです。しかし14歳の娘に惚れるというのはなんか犯罪チックな匂いがします(笑)。
 『青い海黒い海』は分裂病者の書いたような不思議な文章ですが、温泉宿なんかの意味不明な分裂的な文章とは異なって、幻想的な雰囲気を出そうという意図のもとに書かれていて面白い作品に仕上がっていると感じました。とくに「りか子の体温が私に伝わった瞬間の恐怖」というくだりなんかが秀逸。
 全体としては、まぁ良い作品もないではないけどそれほど好きな作家じゃないかなぁ、というが感想。


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