fake moon
〜イグナロスの魔女〜
第二章〜神光シーク教団〜
此処はイグナロス領の最南に位置するシーク教の神殿。
法兵達が何やら騒々しく動いている。
「まだ、見つからんのか!!あの城の何処かに必ず有る筈なのだ!!」
床から一段上の場所から老人が叫ぶ。
「申し訳有りません…、シーク様。」
片膝を付き神聖さを感じさせる鎧を着た男が言う。
「私には時間が無いのだ…。あの力を手に入れない限り私に未来は無い。」
「ハッ、必ず…。」
鎧の男は立ち上がり老人の前から去って行った。
時は変わりイグナロスの城下町
法衣を来た連中が城へと続く道を行進中だった。
呪文の書かれたサークレットを身につけ無言のまま城を目指している。
城門の前で止まり番兵に言う。
「シーク教団である…。開門せよ。」
「は、はい!!」
番兵はすぐさま城門を開ける。
また無言に戻り城へと足を進める。
城門に足を踏み入れると、紅い光がシーク教団の連中を包む。
そのまま何事も無かった様に城の中へと消えていった…。
「いやぁー、何時見ても凄い仕掛けだよなぁ…どうやって結界の中に入るんだろうなぁ?
俺達が触ると雷に打たれた様になるのに…。」
番兵の一人が何気なくもう一人の番兵に話す。
「凄いよな。俺達にゃ絶対真似出来ないよな…。」
教団の者達が中で何をしているのか番兵は何も知らない…。
城の中では法兵がくまなく探索を繰り返している。
「法兵さん、何を探しているの?」
少女が一人の法兵に尋ねた。
「私は何を探してるのかを知らないんだ。とても重要な物らしいが…。
お嬢さんも大変だね、魔物の力を抑える為に。」
と若い法兵は答えてくれた。
「そこッ!!何をしているッ!グダグダ喋ってる暇が有ったら探せ!」
「ハッ!申し訳有りません。」
「ごめんなさい、私のせいで…。」
若い法兵は少女の方に振り返り一度ウィンクをしてその場を離れた。
幾時か過ぎ法兵達が大広間に集まっている。
「そろそろサーライズ様が来られる時間だ。全員整列せよッ!」
直ぐに法兵達は整列し体位を整えた。
カツンカツンという床を蹴る音が聞こえ神聖さを思わせる鎧の男が現れた。
「諸君、ご苦労様だな…。どうだ?探索のほうは?」
整列した法兵の前に立ち状況を確認する。
「ハッ、探索しておりますが、一行に見つかる気配も有りません。」
隊長風の法兵が男に対し報告する。
「やはり、違う場所に隠しているのだろうか?」
男は顎に手をやり考え込みこう言った。
「守人の巫女は何処に居るのだ?」
と辺りを見回す。
「私なら此処に居ます。サーライズ様どうしたんですか?」
少女が自分から名乗り、身を前に出した。