fake moon
       〜イグナロスの魔女〜


第三章〜魔女の封印〜


部屋に案内された俺とマスターは明日の事について話す。

「封印を施してある、魔物の魔力がそんなにも強大なんでしょうか?」

「うむ、ワシも少し気になるんじゃが、行ってみなければわからん。」

「明日、少し調べてみます。」

「うむ…。魔法はワシよりお前の方が格段に上じゃからな…。」

「まぁ、明日になってみんとわからん事ばかりじゃ、今日はゆっくり休むと
しよう…。」

「そうですね…。」

そんな話をしているとドアをコツコツとノックする音が聞こえた。

「失礼します。サーライズですが少し宜しいですか?」

「開いてますよ、どうぞ!」

と俺が言うとサーライズが部屋に入ってきた。

「どうされました?」

とマスターが問う。

「はい、少しお手合わせをして頂きたく詣りました。」

「手合わせを?」

「はい、私も少し剣の方を嗜んで居りまして宜しければ御指南の程を…。」

「フム…。ノンよ、お前相手をしてみんか?」

唐突に俺に話しを振る。

「え?俺ですか!!」

「お前でも少しは剣が使える様になってるじゃろう?」

「はぁ…。多分。」

「では決まりじゃな。」

「私はお弟子様でも一行に構いません。」

「解りましたよ。お相手します。」

俺とマスターはサーライズの後を追う様に付いていく。
神殿の中は迷路の様でサーライズが居なければ俺とマスターは直ぐに
迷子になるだろう。

「ここですよ。」

サーライズが横扉をガラガラと開け中に入って行く。

「ホォ…。神殿の中に立派な稽古場があるんじゃな。」

中に入ると石で出来た床が何メートルと続く闘技場の様な場所が広がっていた。

「ここでは、我々法兵が毎日練習をしています。」

「では、お手合わせ願えますか?」

サーライズは、俺に向かい練習様の木刀を投げてよこす。

「じゃあ、いきますよ!!」

掛け声と共に俺は間合いを詰め駆け寄った!!

顔に目掛け横からの一線を繰り出す!

「ムッ!!」

サーライズは一瞬の判断で頭を少しずらし俺の剣筋から逃れた。

(早いっ!)

「なかなかの腕前ですね…。流石は剣聖様のお弟子様だ。
神殿に居る者の中でアレをかわせる者はいないでしょう…。」

そのまま身動きをせず構えこちらを見据える。

「貴方はかわせてますけどねッ!!」

そう言い放ち、もう一度間合いを詰めようとする俺に合わせサーライズも動きだした。

「セヤァァァッ!!」

一瞬離れた所から矢の様に間を縮め剣を何度も繰り出す。

だが、寸前でどれもサーライズはかわしてしまった。

「フゥーッ…。」

呼吸を整えながらサーライズが動く…。