読む前のお約束(笑)
1・あなたの好きなキャラのひとり語りだと思ってよもう。
2・私の○○はこんな事思わん!!と思ったら、
  
「思うだろうなー」と思う、キャラで読もう!!
3・読みやすくしてあるので、こんな口調じゃない!!と思ったら
   
頭の中で変換しよう!!

4・私の○○は、こんなに青臭い事思わん!!と思った方、
       
そんな彼(彼女)にも青い頃があったはず。その頃を思って読もう!!

5・それでも駄目なら、この話は頭の中から消去しよう!!

 

 

贖罪


 考えてみれば生きていること自体、奇跡なのかも知れない。
 
 初めてこの手を血に染めたのはいつだっただろうか。
 
もう、思い出す事もない遠い日。
 まだ、本当の罪さえも知らなかった。


 戦場に於いて、戦闘は日常で、同時に、生と死の共存の場だった。戦争という名を大義明文に何千、何万の敵が、味方
が、それよりも人間(ひと)が死んでいった。
 殺した。
 何が悪い訳でもない。誰が悪い訳でもない。
 
それでも、この手は血に塗れている。
  

 ごめんなさい。
 こころで謝りながら、命を下す。トリガーを引く。ボタンを押す。武器を手に取る。
 胃液が逆流する。臭う筈も無い血の臭い。慣れることの無い罪の意識。死。
 仕方の無いことだよ。(戦争だから?)
 よくある事だよ。(確かにそうかもしれないけど・・・)
 運命だったんだよ。(殺されたことが?)
 気にするな。(殺したことを?)
 どうしようが、なにをしようが変わらない。
 失われていく命。
 この手で奪っていく。


 深紅(あかい)血の涙を流しながら、それでも、いつしか感情は飽和してゆく。戦場が日常になったころ耐えられない
のは、何も変わらない自分。生きていく為に食べて、眠る。頬を伝うはずの涙をとめて何事も無かったかの様に笑う。気
弱な自分を誰にも知られたくはないんだ、生きていく為に。笑いあって、ふざけあって、それでも日常は変わらない。た
だ、泣けないだけ、泣く事が叶わないだけ。
 
あなたたちの為に。
 
自分の為に。

 
 今はまだ、ココに立って居たいから。
 ごめんなさい。
 そこに逝くわけにはいかないんだ。
 泣くことさえ出来ないけど。
 忘れないから、命の重さを。
 
憶えているから。
 仮令(たとえ)忘れたとしても、この罪の重さは消えない。
 血塗られた手は元には戻らない。
 記憶が麻痺したとしても身体に染み付いた血の臭いが罪の重さを顕わすことだろう。
 だからきっと、どこかで憶えている。
 
全部で憶えている。


 罪は罪、そう言えることがどんなに強い事か。もし今が戦時下じゃなかったとしても、生きていく上で大なり小なり罪
を人間は犯すだろう。仮令(たとえ)それが仕方の無かったことでも、避けられないアクシデントであったとしても。(幸せであったと
しても、不幸せであったとしても。) 
 その時、その事をどう受け止めるだろうか。(受け止められるだろうか。)
 言える事はひとつだけ。どんなに無いことにしようとしても、忘れようとしても、「事実」でしかないんだ。
 あがいても過去は消えない。


 弱さよりも強さが欲しい。
 現実(原罪?)から目を逸らさずに生きていきたい。
 どんなに辛くても、こんな時代だからこそ自分に真っ直ぐでいたい。
 誰も知らなくていい。
 
自分が解かっていればいい。

 現在(いま)を生きる
 この血まみれの手の重さの分まで。
 精一杯、生きていく。

 だから、待っていて。
 いつかは、そう遠くはない未来、自分もそこに逝くから。
 だけど、そう簡単には死ねないんだ。
 遺される者の哀しみを知っているから。

 はたして、贖罪になりうるだろうか。
 それでも、生きていく。
 命の重さを知ってしまったから。
 あなたたちの分まで生きていく。
 あなたたちの命の重さを背負って。

 この手で殺してしまった生命(ひと)たちへ。
 そして、遺されていく者たちへ。
 
この生き様が贖罪。


 だから観ていて、ヴァルハラで。
 いつの日にか笑い合えたらいいね。敵も味方もなく。
 その日まで待っていて、けして遠くはない明日(あした)。

 贖罪が終わる日まで――――――

 
                                           
FIN


作者様より

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