| 注釈 た行 |
| タントラ |
| 「経」と同義のような「たて糸」を意味し、人はあらゆる欲望に汚濁された俗悪な存在であり、自意識に内在する忌むべき欲望を全て取り込むことで、解脱を果たそうとするインドの思想。男女の性交によって意識を変容させることを重要視したことに特徴づけられ、各地に多くの「ミトゥナ(男女抱擁像)」を残す。その変容は、静的な男性原理シヴァと、動的な女性原理、パールヴァティ的エネルギー「シャクティ」とを結合させることによって達成される。しかしながらその2つは、それぞれ頭と股に存在し、引き離されている。そこで、頭部にあるシヴァを下ろし、脊髄の末端にあるシャクティを上らせ、結合させるための方法が「クンダリニー・ヨーガ」である。「クンダリニー」とは「とぐろを巻く蛇」で表されるシャクティであって、目に見えない体「サットゥル・ボディ」を形成し、7つのエネルギー中枢「チャクラ」を有する。このクンダリニーを目覚めさせることは、魂をより高い段階へ導くこととなる。また心理学者の「ユング」によると、これらは「変容の元型」を表しているという。 |
| デーモンの位階 |
| アダム・マクリーン編集による魔術文献「天使の魔術論」に記載される、悪魔の階級の一種。偽ディオニシウスの「天使の九階級{!}」の模倣である。個々のデーモンの階級と役割について述べられているものの、それがどのような観点から述べられているかはわからない。次は、高位順の階級とその活動、そして君主である。「プセウドテイ」・偽神、崇拝されることを目的として神の名を奪う・ベルゼブブ。「スピリトゥス・メンダキオルム」・嘘をつく霊・ピュートーン。「ヴァサ・イニクィタティス」・不法の器、災害や邪悪の術を作り出す・ベリアル。「ウルトレス・スケロルム」・犯罪の復讐者・アスモデウス。「プラエスティギアトレス」・奇跡の模倣者、黒魔術を行う者のために奇跡を模倣する・サタン。「アエリアエ・ポテスタテス」・空の軍勢、雷をおこし空を汚して悪疫を広める・メリジム。「フリアイ」・復讐の女神、害悪や不和の種をまく・アバドン。「クリミナトレス」・中傷者・アスタロト。「テンタトレス・マリゲニー」・悪の誘惑者たち・マモン。 |
| 天使の階級 |
| 西暦500年頃に成立した、中東の「ディオニシウス」と名乗る著述家による天使の階級。キリスト教徒は、このリストを聖書「使徒言行録」{!}における同名のギリシア人判事によるものとして、広く受け入れた。しかしながら後代になって、本当のディオニシウスが生きていた時代よりも後の文書であると証明された。その後、この著者は「偽ディオニシウス」と呼ばれるようになった。が、この階級は、多大なる反論はあるものの、いまでも支持を集める説である。 次は、高位順のそのリストである。上位三隊・・・「熾天使(セラフ、複数形はセラフィム)」「智天使(ケルプ、複形形はケルビム)」「座天使(ソロネ、複数形はソロウンズ)」。中級三隊・・・「主天使(ドミニオン)」「力天使(ヴァーチャー)」「能天使(パワー)」。下級三隊・・・「権天使(プリンシパリティ)」「大天使(アークエンジェル)」「天使(エンジェル)」。 |
| 天孫降臨神話 |
| 日本神話の一部をなす物語。アマテラスは、地上は天津神の子孫が治めるべきだといい、地上の支配者だった国津神の「オオクニヌシ」に国を譲らせる(国譲り神話{!})。そしていざ天津神の降臨となるはずだったが、降臨するはずだった「オシホミミ」は、息子の「ニニギ」のほうが適任だとして、急きょニニギが降臨することとなった。アマテラスは「天叢雲剣」「八尺にの勾玉」「八たの鏡」の三種の神器を授け、アメノコヤネ、フトダマ、アメノウズメ、イシコリドメ、タマノオヤ、オモイカネ、タヂカラオ、アメノイトワケらを副えて降臨させた。一行は、途中で国津神の「サルタヒコ」を加え、九州日向国高千穂の峯を目指して進んでゆく。やがて峯に着いたニニギは、笠紗の岬が気に入り、そこに宮殿を建てた。そこで「コノハナノサクヤ」と出会い、彼女の親である「オオヤマツミ」に結婚させてくれるように頼む。オオヤマツミは承諾し、姉の「イワナガ」も添えて嫁がせた。しかし、イワナガはとても醜かったので、ニニギは彼女だけ帰してしまった。それゆえ、コノハナノサクヤの子孫である歴代天皇の寿命は、岩のように永遠ではなく、桜のようにはかなく散る定めになったという。そして時代は子孫の「ホホデミ」「ウガヤフキアエズ」そして「神武天皇」へと続いてゆく。 |
| 道教 |
| 中国で自然発生的に生まれた宗教で、神仙思想を中心とし、道、陰陽{!}、五行{!}などの思想、また仏教や儒教も取り入れた、不老長生を主な目的とする現世利益的な宗教。その始祖は「老子(タイジョウロウクン)」であるとされ、「元始天尊」を最高峰として様々な神々をもち、また多様な呪術をも有する。 |
| 特異点 |
| 宇宙が始まる直前を、様々な物理学の法則から理論的に考えてみると、ある一点にたどり着く。それは、無限大の密度、無限大の温度、無限大の重力を持ちながら、なおかつ無限小の質量という、あらゆる物理法則が破綻してしまう一点である。そこでは、時間や空間が無限に歪んでしまっており、いやむしろ、時間や空間が存在しないのである。宇宙が始まる直前の一点のほか、宇宙が終わった一点も特異点と呼ばれ、また有名なブラックホールも、この特異点である。特異点の周りには「事象の境界線」があるといわれており、この線のこちら側とあちら側では、世界が違うといわれる。事象の境界線を越えて特異点に吸い込まれると、その中心に向かって永遠に落下してゆくことになるが、興味深い説では、理論的には特異点を時間反転した点も存在可能であるという。つまり、すべてを吐き出すホワイトホールである。このように特異点と特異点を結べるとすれば、それはワームホールと呼ばれるものであり、その向こう側は、こちらの世界とはまったく別のパラレルワールドである可能性も否定はできない。 |