互尊 ─不運の凡作―

 特徴的な兵器が多い熊本としては、珍しく平凡なウォードレスであり、どこをとっても
特徴が無いのが特徴という、機体である。
 本機は元々、十六連合による次期兵器開発計画「八計画」にある高機動型の
ウォードレス仕様に沿って開発を任された開陽高校が開発したものである。
 計画通りにいけば、「アーリィ・フォックス」に並ぶ、高機動型ウォードレスになる
はずであった。
 ところが、本機にあわせて開発されるはずだった肝心の新型強人工筋肉の開発に
失敗してしまい、予想通りの機動性能に達しえずに平凡な機体性能になってしまった
という経緯がある。
 しかし、その堅実だが良く練り込まれている完成形に近い機体設計そのものは優秀で
その性能に人工筋肉がついてこれないのは不運の一言につきる。
 結局連合軍としては採用せず、戦車兵用として、また小型幻獣戦専用機として
開陽高校が装備したに止まった。

 歩兵部隊からはそのパワー不足を指摘されて、早々と「可憐」などに活躍の場を
奪われていったが、戦車兵からの評判は非常に良く、他校の戦車部隊でも良く使われている。
 これは航続能力の高さ(着心地の良さ)と無駄な装備や飾りが省かれているために
狭い車内での動きがしやすかったところによる。

 その他、有名なバリエーションとしてはシリーズ最終型となるP型がある。
最後の最後に、本機は当初予定されていた通りの性能を取り戻すことになる。
空を走ると謳われた「武尊(たける)」こそが、本機に名付けられた最後の名称である

総生産数は986。そのほとんどが九州撤退までに破壊された。

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