沈黙、あるいは家政婦は見ていたもといノんさんは聞いていた編
1999年5月25日(火)07時37分-08時14分
No.62267-62271
アムナーin自分の庵・・・
ここ数日、アムナーは庵にこもって考え込んでいた。いや、ただ考え込んでいる
わけではない。見た目はそうだが、祈り続けているのである。
アムナーin自分の庵・・・
今、アムナーは、自分がデットを愛しはじめているのを感じていた。感じている
というより確信していた。
まもなく31歳になろうという男が、恋を知らなかったわけではない。強く、強烈
に激しく惹かれた人も、かつていた。自分が求めた恋も、求められた恋もあった
。しかしそれらは結局、彼女の上に幸多かれと祈るにとどまった。
だが、デットだけが違ったのだ。
客観的に見て自分が非力であり、戦いの時に彼女を守るに値しないことは知って
いる。それでも、彼女を支えられるのは自分しかいなかった。
彼女の痛みも傷も知らない。それでも、彼女を癒してやれるのは自分しかいなか
った。
彼女の過去は知らない。それでも、彼女を受け止めてやれるのは自分しかいなか
った。
彼女がどんな重荷を背負っているかは知らない。それでも、その重荷をわかちあ
い、休ませてやれるのは自分しかいなかった。
そして、心からそうしたいと願った。
アムナーin自分の庵・・・
自分の父シェマー・エイワンが、司祭であるがゆえに、自分の母との関係をおお
やけにをできなかったこと知ったとき。しかしそれは予感していたため(なにし
ろ養子というには、自分は肉体的に養父に似過ぎていた)、多少のショックもな
かった。ただ、おそらくはこの先も会うことはないであろう母の、無事と幸せを
祈っただけである。
しかし、シェマーが母を心から愛していたことを知ったとき、アムナーは神に問
うたのである。神に仕え、「神は愛なり。汝ら互いに愛しあうべし」と説く者が
、なぜ愛する人を遠ざけなければならなかったのか、と。
しかし神は答えなかった。そして、田舎の小さな教会の書庫では答えの見つから
ない問いもあると知り、アムナーは旅に出たのである。
アムナーin自分の庵・・・
今、デットを愛そうとしている自分を見つめながら、アムナーはあの時と同じ問
いを神に向けていた。
信仰者にとって、祈りとは神との対話であるが、アムナーの祈りは神と格闘して
いるような、魂をそそぎだす祈りとなっていた。
ときどき経典を読み返す以外は、座禅を組んだ仏僧のように微動だにしない。断
食期間でもないのに食事も摂らず、一心不乱に神の意志を問い続けているのであ
る。
しかし、まだ答えはない。
「神よ。なぜに沈黙したもうや」(by 遠藤周作)
ID:00017|ダグ>
【ノンさん】
#だから、これから支度せんと、本当に遅刻なんだ(汗;;>アムナーさん
遠藤周作・・・(笑)
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