3月15日、東京。休日明けの大都会が、静かに動き出そうとしていた。
金本 信二。その動き始めた東京という街の中にいる1人の少年である。彼は高校を卒業し、すでに大学への進学を決めている。しかし、彼が心待ちにするのは、大学生活とは、違うものだった。
中学1年の時、広島で出会った一人の少女。ペルセウス座流星群の日に、運命的に出会った彼女が、信二のいる東京へやってくる。信二の、彼女として。
そんな信二は、高校を卒業した後も、アルバイトを続けていた。土・日は本来休みであったが、先週は緊急に呼び出されここ最近は仕事漬けである。
「…この先のお天気ですが、晴れ間が続くのは明日までで水曜日は雨になるでしょう。また低気圧の影響で風が強くなっていますので、お出かけの際はご注意ください」
リビングにテレビから聞こえる天気予報の声が響く。何一つ変わらぬ光景に見えたがこの時、唯は居眠りをしていた。
唯 「うーん…、今何時?あっ!」
時計は8:20を示していた。いつもなら信二がバイトに出かける時間である。
唯 「信二、信二起きてる?」
信二の部屋に行き、名前を呼んで起こそうとする唯。その頃部屋の中では、
信二 「んんっ、お母さん?」
信二はまだ寝ていたが、起きて唯の呼びかけに答える。
信二 「どうしたの?」
眠たげな顔をした信二がドアから顔を出す。
唯 「時間、時間」
ふと時計を見た信二。
信二 「えっ…、あっ」
その疲労がピークに達したのか、この日信二は寝坊をしてしまう。急いで部屋を出て、
信二 「何か、食べれるものは?」
唯 「パンでいい?」
信二 「うん」
上着に着替えつつ、口にパンをくわえそのまま自転車に乗っていった。急いでバイト先に向かう信二。
信二 (とにかく、急がなきゃ)
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