パァーン!

 自動車の騒音が一瞬鳴り止んだその瞬間、何かが割れたような音がした。

   ギギャギャギャギャギャ!!

 その後に聞こえてきたのは、金属とアスファルトが激しくこすり付けられる断末魔がビル街の中に響き渡った。

 目の前で起こった現実を理解するまでの一瞬、人々は言葉を失い、ただ呆然と立ち尽くた。

   「キャーーー!!」

 静まりかえったビル街に響き渡る悲鳴。近くにいる人の視線は、その一転に集中した。

   「お、おい!大丈夫か?」

 その中の一人が、トラックが横転したという現実を理解し駆け寄る。そして、その後を続くかのように続々と人が駆け寄る。

   「大丈夫か?しっかりしろ!」

   「誰か、救急車だ!」

   「救急車を呼べ!」

   「中の人は大丈夫か?」

   「警察も呼べ!」

   「ガソリンが漏れているかもしれないぞ。気をつけろ!」

   「道を完全にふさいでいるぞ。近くの交番へ、誰か」

   「ドライバーだ。まずはドライバーを外に出せ」

   「おい!ボケっと突っ立ってないで、手伝うんだ」

 ラッシュアワーの交差点は一転、大惨事の現場となってしまった。次々とトラックの前に群がる人々。ビルの窓から突然の出来事に驚く人々。鳴り響くクラクション。そして野次馬からのざわめき。遠くから聞こえてきた救急車の音。非日常的な風景がそこには広がっていた。

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