PSO短編小説「DFの遺言」
- 第2章「遭遇する未知なるモノ」 -


ー 1 ー
「高属性の武器、売りますよ〜」
「テクニックディスクとマテリアル、交換しませんか〜?」
「どなたか、ベリーハードに一緒に行きませんか?」
ここは、ギルドカウンターを出たすぐにある、ハンターズの憩いの場「集いの間」。
依頼や探索で疲れたハンターズの休息所として作られた場所だが、今では個人売買やアイテムの交換。また、仲間探しなどで使われることが多くなっている。もっとも、数々のハンターズが集まる場所だから、それらの事を行うにはうってつけの場所とも言えるのである。
ジェスティーは喧騒の中、1人で備え付けのベンチに腰掛けていた。暇潰しに手頃な依頼を受けようと思いギルドに来たのはいいが、彼のレベルで受けることができる依頼がなかったため、こうして暇を弄んでいるわけだ。
「貴方、ノーマルランクですね?」
ジェスティーは、それが自分にかけられた声だと気づき、声の方に顔を向けた。そこには、全身が機械で覆われた、一般で言われる「アンドロイド」が立っていた。
「もしよければ、一緒にノーマルの森へ探索に行きませんか?」
青いボディーで、2メートル以上はある長身のアンドロイド。どうやら彼は、一緒に探索してくれる仲間を探していたようだ。
「OK、俺も暇してたんだ」
これで、初対面同士の新たな仲間が成立したわけである。
「わたしは、ヒューキャスト(ハンター・アンドロイド・男)のビルドと申します」
体は大きいが気が小さいのか、ビルドは目の前に黒いヒューマーに頭を下げた。
「俺はヒューマー(ハンター・人間・男)のジェスティー。今日はよろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いします。ジェスティーさん」
再び、頭を下げるビルド。
2人は、そのままギルドカウンターに向かった。探索の申請をするためだ。ハンターズがラグオル探索に出る場合、事前にギルドに申請する必要がある。探索エリアの確認と、もしものことがあった場合の、場所の特定を行うためである。
「ビルド様とジェスティー様ですね?まず、ギルドカードの提示をお願いしま〜す」
事務的にパネルを操作し、2人から預かったギルドカードを端末に挿入する。何かのデータを書き込んだあと、
「それでは、ノーマルに2人様、ご案内で〜す。2人とも新人さんですね〜。気をつけて探索してきてくださいね」
にっこり、と言う言葉が示す笑みを浮かべたギルドカウンターの受け付けは、2人にギルドカードを返した。
それを受け取った2人は、転送用のテレパイプに向かった。その横にある端末にカードを挿入しゲートに入ると、2人は目映い光に包まれて、ギルドカウンターから姿を消した。


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