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ここは、反乱軍の本拠地「アルテア」 昔はここより2日ほど北に行ったところにある 「フィン」という城を本拠としていたのだが、 帝国軍の進撃により領土を奪われてしまった。 帝国軍の王は、自らのことを「皇帝」と名乗っている。 アルテアの王女「ヒルダ」の父である「アルテア王」が つい先日、他界された。 王は、死ぬ間際に3人の若者に最後の頼みを託した。 3大国家と呼ばれる内の1つ、 カシュオーンの生き残りであり王族である ゴードンには、この国を守り失われた反乱軍の城である フィンを取り戻すことをアルテア王は願った。 皇帝が率いる帝国軍により滅ぼされた町の生き残りである フリオニールには、遥か昔に存在したと言われる 竜を操る騎士の生き残りがいるかもしれない 竜騎士の島であるディストに向かうことを アルテア王は願った。 最後に、反乱軍の中で1番の魔力を持ち 人々の傷を癒してきた賢者であるミンウには かつての闘いで用いられた伝説の魔法「アルテマ」が 今こそ必要だと告げ、その封印を解くことを アルテア王は願った。 王の死の悲しみを胸に、王の願いをかなえるべく 3人は、それぞれの決意を新たにした。 |
| ー 2 ー |
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「魔物が最近強くなった・・・」 ミンウはそんなことを考えながら、船乗りの町である ポフトに向かうことにした。 伝説の魔法アルテマが封印されていると言われる 「魔導士の塔」には、船がなければたどり着けない。 なんとか船を手に入れることができたミンウは、 休むことなくまずは魔導士の町「ミシディア」に向かった。 そのまま塔に向かうこともできるのだが、 伝説の魔法が封印されている場所ということもあり 入り口には、厳重な封印が施されている。 それを解くための「鍵」が必要だ。 ミシディアは、そんなに大きな町ではない。 魔導士のみが住む、辺境の町である。 しかし、その町全体をすさまじい魔力が満ち溢れている。 1度だけミンウもここに来たことがあるのだが それもまだ若いころだったため、記憶は薄れている。 幽かな記憶を便りに、長老の家に向かった。 大魔導士と呼ばれるミシディアの長老は すでに100歳を越えているという。 しかし、ミンウは長老から感じられる凄まじい魔力に 年齢による衰えを感じることができない。 長老は、はっきりした発声でミンウに告げた。 この世界は、もうじき皇帝により滅ぼされる。 そうなる前に、止めなければならない。 それには、かつて魔王を滅ぼしたと言われる 伝説の魔法「アルテマ」が必要だと言う。 今こそ、その封印を解かねばならないと告げ、 長老は1本の杖をミンウに与えた。 それは「クリスタルロッド」と呼ばれる魔法の杖で アルテマが封印されている魔導士の塔の入り口の封印を 解くために、どうしても必要な「鍵」だという。 ミンウはそれを受け取ると長老に礼を言い、 休む間もなく魔導士の塔に向かった。 魔導士の塔にたどり着いたミンウは、 その大きな扉の前でクリスタルロッドを掲ると、 空から稲妻が落ちてきた。 その光りは魔導士の塔の扉に当たり、目映く光ったが 光りが消えると、大きな扉は音もなく開いた。 |
| ー 3 ー |
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塔の中に足を踏み入れたミンウだが、 その中には邪悪な力が塔全体に漂っていた。 ミンウは、昔読んだ魔導士の塔に関する本を思い出した。 魔導士の塔は、進入者を拒否するための仕掛がある。 その1つに、モンスターを一緒に封印したとある。 いま、目の前にいるモンスターがそれだろう。 ミンウは頭を巡らせ、魔法を唱えた。 目の前に迫る敵に、白い光りが叩きつけられた。 癒しを主とする白魔法で、唯一の攻撃的な魔法である 「ホーリー」だ。 しかし、ホーリーは大量の魔力を消費してしまう。 伝説の魔法アルテマは、この塔の最上階にある。 そこにたどり着くまでは、魔力を残しておかなければ アルテマの封印を解くことができなくなってしまう。 自分の身を守る「ブリンク」や「プロテス」といった 防御魔法を唱え、できるだけ敵を無視して走った。 もう少しで最上階というところで、ミンウは足を止めた。 目の前に、1つ目のモンスターがいる。 「インプ」と呼ばれるモンスターで、単独の力は弱い。 しかし、それにミンウは油断してしまったのだ。 ミンウはすかさず「ホーリー」を唱えたが、 その白い光りは、なんとミンウに降り注いだのだ。 自らの魔法でダメージを受けてしまったミンウは 頭の中がパニックに陥る寸前だった。 しかし、なんとか精神を安定させて頭を巡らせた。 インプについての情報が頭の引き出しから出される。 なぜ、ホーリーが自分の体に降り注いだのかを なんとか思い出した。 インプは、「コンフュ」という魔法を使う。 それをかけられた者は、敵や見方を区別できずに 場合によっては、見方を攻撃してしまうという いわゆる「混乱」の魔法である。 ミンウは精神を安定させ、なんとか自分に状態回復魔法の 「エスナ」を唱えた。 隙を見せず、そのままホーリーを使用して 目の前のインプを倒すことに成功した。 しかし、この戦いで多くの魔力を消費してしまった。 もう、これ以上の戦闘をすることはできない。 意を決して、ミンウは一気に最上階をめざした。 |
| ー 4 ー |
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何度かモンスターと出会ったが、戦闘を避けるため それらを無視して走った。 そして、いま目の前にはアルテマが封印されている 「封印の扉」がある。 この封印を解けば、アルテマを手に入れることができる。 後ろからモンスターが追ってくるかもしれない。 ミンウは、目の前の扉に向かって精神を集中させた。 と、その時・・・ 扉の前に邪悪な力が割り込んできた。 ミンウは封印を解く作業を止め、その邪悪な力に向かって 精神を集中させた。 そこには、黒い鎧とマントという姿の騎士がいた。 「ダークナイト」と呼ばれる、皇帝の右腕となる騎士だ。 なぜ、ここにダークナイトが現れたのか。 ミンウの問いに、ダークナイトは答えた。 クリスタルロッドの強い力を皇帝が察知したため その力を絶つよう、ダークナイトに命じたという。 ミンウは、心の中で思った。やはり皇帝は このアルテマの力をもってすれば倒せると。 ダークナイトは、腰に据えた剣を抜き取った。 ミンウも、手に持つメイスを握り直した。 しかし、この戦いはあきらかにミンウが不利だ。 ただでさえ攻撃能力の低い魔導士なのに、 今は、ここまでくるために多くの魔力を消費してしまった。 しかし、ここで倒されるわけにはいかない。 ミンウはゆっくり目を閉じた。 時間稼ぎさえできればいい・・・ そう心で願い、魔法を唱えた。 「テレポ」 ダークナイトの体が少しづつだが薄くなっていく。 ミンウは、その間も魔力をテレポに注ぎ込んだ。 短く、いや長く唱え続けたテレポの前に ダークナイトの体は、跡形もなく消え去った。 テレポという魔法は、一種の空間移動の魔法で 一瞬の内に、建物の中から外に瞬間移動させたりできる。 しかし、その魔法はかなりの高等技術を要するために かなりの上級魔導士でないかぎり、 魔力と共に多くの体力を消耗してしまうのだ。 ミンウは、再びアルテマの封印されている扉に向かった。 ここに来るまでに使用した魔力と、さきほどの ダークナイトとの戦いにより消費した体力により 意識がはっきりとしていない状態だ。 しかし、ここで封印が解けなければ世界は終わる。 ふと、ミンウの耳に下の階からの声が聞こえた。 意識がはっきりしていないミンウだが、 それがモンスターの声であることはわかった。 しかし、上がってきたのはモンスターではなかった。 そこには、4人の若者がいた。 1人は、数日前にアルテア王の願いを受けた者。 フリオニールだった。 内の2人は、フリオニールの幼馴染みである ガイとマリア。もう1人は、昔書物で見たことのある 鎧を着ていた。それは、滅びたと言われていた 竜騎士の鎧だった。 フリオニールは、アルテア王の願いを叶えたということだ。 そうすると、ミンウもそれに習わなければならない。 魔力も体力も精神力も、すべてが限界に近い。 この状態で封印を解くと、命が危ないだろう。 もしかすると、封印を解くことすらできないかもしれない。 しかし、この世界を滅ぼすわけにはいかない。 皇帝の思うがままにさせるわけにはいかない。 もしこの命が尽きようとも、アルテマの魔法は きっと、フリオニールたちが有効に使ってくれるだろう。 そして、皇帝やダークナイトを倒すことができるだろう。 ミンウは、彼らに全てを託すことにした。 |
| ー 5 ー |
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気がつくと、ミンウの目には天井が写っていた。 体を動かすことができない。 どうやら、今こうして生きているのが不思議な状態らしい。 なんとか視線を移し、封印された扉に向けた。 そこには扉はなく、広間に繋がっていた。 どうやら、封印を解くことに成功したようだ。 「しかし・・・私はここで終わることになるだろう」 まわりにフリオニールたちがいる。 意識が薄れつつあるミンウは、彼らに最後の望みをかけた。 「この世界を救ってくれ」 ミンウは、彼らに全てを託して最後を向かえた。 |
| ー 6 ー |
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後に、ダークナイトと名乗る男が 旅の始めに行方不明となっていた マリアの兄「レオンハルト」であることがわかり フリオニール、マリア、ガイ、レオンハルトの4人は、 ミンウが命をかけて封印を解いた「アルテマ」を使い 帝国軍の「皇帝」を滅ぼすことになる。 彼らが世界を救った背景には、数々の出会いと別れがあった。 その全ての人々のおかげで、彼らは世界を救ったのだ。 最後に、命をかけて扉の封印を解き、 伝説の魔法「アルテマ」をフリオニールに託して 死んでいったミンウへ。 そして、この戦いで命を失っていった全ての者達へ。 勇敢なる者達よ、安らかに眠れ・・・。 |
| ー あとがき ー |
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専門学校時代に書いた原稿をみつけて それを元に、少し手を加えたりしたものです。 原稿用紙5枚程度の作品なんですけど、 FF2の中の1つの場面ということもあって ちと短い感じになっちゃってます。 元となった原稿には、オリジナルキャラも登場するけど 読み返してみたら、必要ないと思って省きました。 変な所で改行されてたりして読み辛いかもしれないけど まぁ、かんべんしてくださいな(^-^; あと、ひさしぶりに文を書いたので 至らない点が多数あると思うんですけど、 そこもかんべんしてやってください・・・m(_ _)m 2001.11/10
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