第一話

 

目覚めてからどれだけ歩いただろうか。
さっきまでは真上にあった太陽も、今では地平線に半分隠れている。
俺は足を止め辺りを見回した。すると近くに高さ3mくらいの大きな岩場があるのが見えた。
「あそこから何か見えるかもしれない」
俺は岩場に近づくと、上れそうなところを探し、一気に上る。
結構急だった岩場だったが、俺は難なく上まであがることができた。
岩場から見回すと、太陽の反対の方向に町らしき物が見えた。
「お、早速行ってみるか」
俺は岩場から飛び降りると町の方へ駆けだした。

町にはいると俺は急に疲れを感じ始めた。
「とりあえず宿を探そう」
そういって俺は気が付いた。高いところから遠くが見える、町には宿があり休むことができる、と無意識のうちに思い出していた。
どうやら少しずつ記憶が戻っているらしい。
「この調子ならすぐに記憶が戻るかもしれないな」
俺は少し希望を持ちながら宿探しを始めた。

宿を探し初めてから10分ほどしたとき、やけに暗い路地があることに気が付いた。
ふつうの道なら街灯がともしてあり、そんなに暗くはないはずだ。
俺は何気なくその路地を見ながら歩いていると急に何かにぶつかった。
「うあっ」
ぶつかったのはKWG型のメダロットであった。右手にはかぎ爪があり体も身軽そうである。左手には大きな袋を持っている。
「すまない、今急いでるんだ。じゃあな!」
そう言うと、そのメダロットは暗い路地へと入っていった。
俺は不思議そうにそっちを見つめていると
「裏路地には行ったぞ!急げ!」
という叫び声が聞こえた。
振り向くと大きなメダロットが5体走ってくる。そして暗い路地へと入っていった。
「なにがあったんだ?」
そんなことを考えながら歩き出そうとした時、足下に何か落ちているのが見えた。
それは直径3pほどの透き通った黄緑色の球体だった。
「さっきのメダロットの物か?」
そのとき、あのメダロットにあわなければいけないような気がした。
「追いかけてみるか」
俺は暗い路地へと入っていった。

 

第二話へ     戻る