某日某所にて、キャンパス内の友人である一同が集まったのは、他でもないTRPGのセッションのためである。それぞれ日本通として、またTRPGゲーマーとしてその名を知らしめるプレイヤー勢の渾身のセッション、これを読めば即座に日本に対する正しい知識と現代日本の抱える展望・問題・そして国際的関係を理解できることを、ここに約束する(注1)。
GM・アレックスの言葉より
マイケル:口数の少ないシャイボーイだが、それゆえ彼が口を開いた時には、類い希なる説得力を持つ。今回のセッションでも、それは遺憾なく発揮されており、質実剛健を旨とする正しい日本人のイメージに一役買っている。
エリック:バイキングを祖先に持つだけあって、人生に方向キーはいらねぇと豪語する慎重派。小粋なアメリカンジョークと接客テクで、彼の存在するテーブルはたちまち愉快なトークショーに早変わり。
ベッキー:常に笑顔を絶やさない、穏やかな女性。しかし、ここぞという時の行動力・作戦遂行率はトップクラスであり、その恐るべき手腕には時のカーター将軍も尻尾を巻きつつ裸足でスーパーカーに乗って逃げ出すというもっぱらの噂。
ステファニー:妥協を許さぬ鉄腕ガール。その容赦ない言葉と手口には、正に難攻不落のデスパレスの異名を取る彼女にふさわしい。愛称はステフ。『鋼』に登場するビリー・ザ・キッドの寄生者と同じニックネームだが、結局南極大違いなので、存分に注意されたし。
リチャード:軍人の家系に生まれ、彼の父は戦場のコマンドウルフと恐れられた。その血を受け継ぐ彼はクレー射撃で活躍しており、その技能を作成したキャラクターにも反映させている。愛称はリッチだが、リッチーと呼ばれるのは嫌い。
GM:やあみんな、今日はセッションのために集まってもらってありがとう! さて、今回のシステムなんだけど……これを知ってるかい?
ベッキー:「イットケイムフロムレイトレイトレイトショー」? 知らないわ。
リチャード:OH! ボクはこのゲームで遊んだことがあるよ。
GM:YES。なんてったって、日本語版の表紙をベリィフェイマスなイラストレーターのタナカが描いてるくらい、豪華なルールブックだからね。タナカは他にも『ファム&イーリー』などのコミックを連載している漫画家でもあるのさ(注2)。
エリック:『ファム&イーリー』! ベリィプリティね! しかし、画風が随分違うようだけど。
GM:日本のイラストレーターは多芸なのさ。それに加えて、タナカは日本の総理もやっているんだ。何でも、あのロッキード事件に関わっていたという噂もあるくらいだ(注3)。
一同:WOOOOOW!!
マイケル:イラストレーターに、漫画家に、しかも政治家とは……。
GM:日本の政治家は多忙だね。
ステファニー:日本人の名前は似たような名前ばかりでわからないわ。
一同:その通りだね、HAHAHAHAHAHAHA!
GM:さて、このゲームの説明といこうか。このゲームは画期的なことに、プレイヤーのみんなに俳優になってもらい、映画を撮るという内容なんだ。つまり、みんなハリウッドスターのような人生を体験できるという寸法さ!
ベッキー:OH、ファンタスティック!
リチャード:OH、ジャパニメーション(注4)!
ステファニー:来年のオスカー賞は私たちのものね!
GM:それだけじゃないよ、アカデミー賞だって目じゃないさ!
エリック:HAHAHA、それじゃ来年の主演男優賞はボクのものだね。
リチャード:チッチッチ、それは聞き捨てならないね。
エリック:なんだい、リッチー、このボクと張り合うつもりかい?
リチャード:面白いじゃないか!
エリック:君は助演男優賞がお似合いだね(注5)。
リチャード:それはこっちのセリフだよ。
(SE):ゴゴゴゴゴゴゴ……
GM:まあまあ、落ち着きたまえよ二人とも。さて、今回のセッションは、何と大胆にも、日本映画を撮ってみようと思うんだ!
一同:WOOOOOW!
エリック:OH、日本映画と言えばクロサワだね!
GM:YES! クロサワは優れた日本映画監督に与えられる称号だからね(注6)。
エリック:それじゃ、今日のキャラクターはサムライマンかい?
GM:その通り。サムライマンこそが日本人の真の姿、日本通のボクらが正しい日本人となって、日本映画を制作する。これこそ正にボクらがいかに親日家であり、かつどれほど日本をよく理解しているか、ということを示す絶好の機会だと思わないかい(注7)!?
マイケル:もちろんさ!
ステファニー:私たちが日本映画を撮るなんて、コーヒーにミルクを入れるようなもの、つまり当然ということね(注8)。
一同:まったくだね。HAHAHAHAHAHAHA!